見出し画像

「うちの子どもはやりたいことや夢がない」と言う親御さんへ

こんにちは。

「◯◯したい」と言っているのに1週間経っても何も行動していない人は「ただ話を聞いて欲しいだけだな」と勝手に判断している、トッププロ家庭教師の酒匂です。

さて、今回は「うちの子どもはやりたいことや夢がない」と言う親御さんへ伝えておきたいことがあって記事にすることにしました。

私は家庭教師をしていて、子どもと話す時間とは別に親御さんと話す時間も少なくありません。基本的には相談を受けそれに対して偉そうにアドバイスをするという流れなのですが、親御さんの悩みはだいたい決まっていて「遊びばっかりで勉強しない」「宿題をしない」「勉強に対してやる気がない」「やりたいことや将来の夢がない」です。今回は夢や目標についてです。

▼結論▼
①夢や目標がないことは必ずしも悪いことではない
②夢や目標がない子どもになったのは親が原因のことがほとんど

①夢や目標がないことは、必ずしも悪いことだとは思いません。学生時代に夢や目標がなくても、大人になってからやりたいことが見つかり素敵な仕事に出会ったり、素敵な会社を立ち上げる方がたくさんいます。ポイントは「大人になってから」です(②と関係しています)。
なので、学生の頃に夢や目標がなくてもそんなに焦らなくて良いと思います。
とはいえ、私の経験上、夢や目標がある子どもの方が頑張りが効き、一生懸命な子どもに育っているように思いますので、②で詳しくお話します。

②夢や目標がなくなるのは親が原因であることがほとんどです。ここからは脳科学(本能)を交えてお話しします。本能は性格などではなく生まれ持ったものなので誰も逆らえません。つまり「でもうちの子は…」と反論することはできないのです。耳が痛い話かも知れませんが、ここからが重要なので最後まで読んでみてください。

夢や目標がないのは経験値の少なさが原因

結論を書きましたが、経験値の少なさが夢や目標を持たない原因です。

子どもは生まれながらに「あれをやってみたい」「これをやってみたい」という気持ちがあります。
・床に落ちているものを口に入れて「これはなんだ?」と確かめる
・目の前のものを投げてみて「投げたらどうなるのか?」「どのくらい飛ぶのか」を確かめる

これらの行動は大人からすると「やめてくれぇぇぇ」案件なのですが子どもにとっては自分の能力や物の動きを知る貴重な経験なのです。

一方、親サイドで考えると、親は子育て以外にも仕事や家事など他にやるべきことがあることがほとんどで、子育てのみに集中できることはほぼありません。
なので、子育てに対して「可能な限り楽な方法はないか」という思考が働きます。この思考から「親の言うことを聞く素直な子どもを育てよう」となるわけです。
また「人に迷惑をかける子どもに育ってほしくない」という思考から「今のうちから常識を教えておこう」となるわけです。

両方とも「しつけ」という言葉で片付けられていますが、ここでまず大切な言葉の違いを理解しておくべきで「教育」と「保育」の違いです。

簡単に言うと
「教育」とは知性を育むことです。
知性とは善悪の判断をしたり、物事を知り思考することです。

「保育」とは感性を育むことです。
感性とは、感触や視線で印象を感じ取る能力のことです。

教育はある程度の年齢になるまでやるべきではありません。伝えたとしても子どもはそれを理解できないからです。親からすると「子どものため」と思っても、子どもからすると「怒られた」「無理やりやらされた」「やりたいことをとめられた」という印象のみ残るのです。

保育で大切なのは「待つこと」です。
子どもは思考力も判断力も大人に比べると低いので、思考する質は低いし、判断するまでの時間は遅いし、判断した結果が悪い方向にいくことはよくあります。大人は子どもが失敗する姿を見たくないという気持ちから「それはこうだよ」「それはやらない方が良いよ」「これはこうやりなさい」と言い聞かせます。
また、①に書いたように親は少しでも楽をしたい、失敗した子どもを助ける作業を省きたいという気持ちから「最初から失敗しないようにアドバイスしよう」となるわけです。

もうお分かりかと思いますが、これらはすべて「子どもの経験を奪っている」のです。

夢や目標は自分の経験からうまれる

「あれをやってみたい」「これをやってみたい」という欲求は、何かの経験から「もっと先に進みたい」となることで生まれます。
つまり夢や目標がないのは経験が少ないからなのです。そして子どもの経験を奪っている多くの原因は親です。

私は「うちの子は夢も目標もないんです」と言う親御さんに会うたびにお子さんに同情してしまいます。「あぁ、これまで多くの経験を奪われてきたんだな。」と。

これは偉そうに聞こえるかも知れませんが、うちの子は夢も目標もないなんて言葉にするべきではありません。友人にも言うべきではないし、もちろん子どもにも「夢や目標くらい持ちなさい」なんて言うべきではありません。
友人に言うことは「私はこれまで子どもを締め付けてきた」と宣言しているようなものだし、子どもに言うことは「自分のミスを子どもに押し付けているだけ」だからです。

子どもから経験を奪うことはやめましょう。「失敗してほしくない」という親心は子どもには毒です。


お子さんが小学生、中学生の場合まだ間に合います。可能な限り好きなことをさせてあげてください。これは「見守る」であり「放棄」ではありせんのでご注意ください。ポイントは「失敗もさせるが見捨てない」です。「自分で失敗したんだから自分で何とかしなさい」は育児放棄です。

お子さんが高校生の場合ほぼ赤信号ですが、それでも「うちの子は無理やりでもさせなきゃだめなんです」という思考はやめた方が良いです。「無理やりさせたけど、子どもはやってよかったと言っている」と聞きますが、お子さんがやってよかった思うのはそのときだけで、時間が経つと必ずと言って良いほど無意味になります。「自分からやりたいと思っていないから」です。
そしていくら良い経験になったと言っても「無理やりさせる」という選択肢をとった場合「誰かに何かを言われないとやらない人間」に育ちます。
自分のお子さんがこんな大人になることが、あなたの教育のゴールですか?

教育はその場凌ぎではダメです。
数年後を想像して、長い年月をかけて結果が出るものです。

これをさせることでどうなるのか、こう言い聞かせると子どもはどう捉えるのか、正しい知識で教育をしていきましょう。


トッププロ家庭教師の酒匂でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?