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我が子を素敵な大人に育てる方法_section4(全14)10〜12

こんにちは。

何においても「初めてやった人」に尊敬の意しかない、トッププロ家庭教師の酒匂です。
※火を使った人、かぼちゃ食べた人、電気見つけた人、みんなすごい。

「我が子を素敵な大人に育てる方法」を紹介します。
※「子育てベスト100」をもとに書いています

今回はsection4 その10〜12です。
※過去記事一覧はこちら

section4 「創造力」をつけるには?
〜柔軟な脳にたくさんの「刺激」を与える〜

section4 その10 「瞑想」する
〜親子でやれば楽しくできる〜

 マインドフルネスとは、坐禅の瞑想を起源とする瞑想法のひとつで、最先端の脳科学や精神医学の分野で研究されています。マインドフルネスでは、いま、この瞬間に起きていることに意識を向け、それをあるがままに受け入れ、脳の疲れをリセットします。すると、不安や緊張、プレッシャーといったストレスが軽減され、心がよりポジティブでリラックスした状態になるので、幸福度が高くなるといわれています。マインドフルネスは世界中のエリートやトップアスリートたちが実践していることで注目されるようになり、現在は発祥の地であるアメリカをはじめ、世界各国の教育現場にも取り入れられています。さらに、オランダ・エラスムス大学の研究チ ームによると、1日10分程度のマインドフルネス瞑想には創造性を高める効果があることもわかってきました。

楽しく「瞑想」するにはどうすればいい?

■ゆっくり座って呼吸する
 背筋を伸ばして座り、お腹と肩の力を抜きます。あぐらでも大丈夫です。手は太ももの上に乗せるか、お腹に当てます。目は閉じるか、軽く前を見ます。ゆっくりと鼻から息を吸い、お腹がふくらむ感覚、吐くときのへこむ感覚、空気が鼻を通っていく感覚に注意を向けます。余計なことが頭に浮かんできてもあわてず、呼吸に意識を向け直し、これを3分ほど続けます。

■体の動きに注目する
 マインドフルネスの第一人者としてイェール大学で先端脳科学研究に携わってきた久賀谷亮医師は、座ってじっと瞑想するのが苦手な場合には、「ムーブメント瞑想」という方法を勧めています。この瞑想法は、体の動きに詳細に注意を向けることで、頭の中の雑念をリセットするというものです。
 たとえば、足を肩幅に開き、「筋肉や関節がどう動いてるかな」と意識しながら、腕の力を抜いてゆっくりと下から上に上げていきます。腕を上げきったらいったん止めて、筋肉の状態や肩の開きなどに注意を向けます。そしてまた、ゆっくりと腕を下げます。これを数回くりかえします。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■同じ時間 ・同じ場所で
 久賀谷医師は「毎日同じ時間・同じ場所で、より長く続けることで効果が出てくる」といいます 。
 脳の変化には継続的な働きかけが重要です。ゲームやテレビなどの誘惑が周囲にない静かな場所で、1日3分×3回を目標に、就寝前や入浴後など、時間を決めて実践します。

■親子で一緒にやる
 親子で一緒にやると、子どもに習慣付けしやすくなります。また、桜美林大学の身体心理学者、山口創教授は、子どもにストレスをもたらす最大の原因は親のストレスであり、親がマインドフルネスを実践すれば、子どものストレスも軽減できるといっています。

■触覚を刺激する
 山口教授によると、子どもにとっては触覚を使うこともマインドフルネスになるそうです。粘土遊び、土いじり、フィンガーペインティングなど、触覚を刺激する遊びから、瞑想のような効果が得られるといいます。

section4 その11 「ぼーっ」とする
〜子どもは意外と疲れている〜

 脳は体重の2%ほどの大きさですが、体が消費する全エネルギーの20%を使います。さらに、この脳の消費エネルギーの60〜80%が、デフォルト・モード・ネットワ ーク(DMN)という脳回路に使われています
 DMNは脳が意識的な活動をしていないとき、つまり、ぼーっとしているときに働いている領域です。自動車のアイドリング状態と同じで、これから起こるかもしれない出来事にそなえるため、さまざまな脳の活動をまとめあげるのに重要な役割を果たしています
 さらに最近では研究が進み、このDMNが、私たちの脳の中に散らばる「記憶の断片」を無意識のうちにつなぎ合わせ、思わぬ「ひらめき」を生み出しているのではないかと注目されています。
 ぼーっとしている子どもが目に入ると、「ぼーっとしている時間がもったいない」と大人は思いがちですが、子どもは毎日学校で過ごすだけでも十分すぎる刺激を受け、体も脳も、大人が思う以上に疲れています
 イェール大学の感情知性センターが考案した感情教育のツール「ムードメーター」は、「いまどんな気分か」を色分けされた座標軸で表します 。
 親は子どもに対して、エネルギーも楽しさも大きい「黄色ゾーン」にいることをつねに期待しますが、子どもには、エネルギーは少なく楽しさは大きい、穏やかでゆったりした 「緑色ゾーン」でぼーっとすることも必要です。
 ぼーっとする時間は、子どもの創造力を育むうえで、とても貴重な時間になります。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

「ぼーっ」とするにはどうすればいい?

■ぼーっとする時間を確保する
 一日の中で、ぼんやり空想できるような時間を確保します。全米最優秀女子高生を育てた母であり、ライフコーチのボーク重子さんは、娘が通っていたアメリカ屈指の名門小学校でユニークな宿題に出合ったといいます。それは「毎日20分間の空想」です。
 ボークさんは、クレヨンや画材を置いた 「アートルーム」という空間をつくり、子どもが小学6年生になるくらいまで毎日20分間、自由に過ごさせました。
「毎日20分も空想していると飽きてしまう。でも、この『飽きる』いう行為も、じつはとても大事。人は飽きるとクリエイティブになれるから」とボークさんはふりかえります(『世界最高の子育て』ダイヤモンド社)。

■疲れにくい脳をつくる
 DMNが過活動になると、疲労感がたまっていき、それによって集中力やパフォーマンスが低下します。
 逆に、DMNの活動を抑える脳構造をつくれば、疲労感を感じにくくなります。
 DMNの活動を抑えて疲れにくい脳をつくるには、スマホやPC、テレビなどの「スクリーン」をオフにすること、そして、マインドフルネスが有効です。

section4 その12 「本」で囲む
〜読書は地頭を良くする万能の習慣〜

 読書の習慣は、世界中の一流のリーダーに共通する特徴のひとつです。本は仕事に役立つ情報や新しいアイデアを生むための「知恵」を与えてくれます。
 子どもにとっても、本は視野を広げる大切な道具です。読書を通じて、魅力的な人物にたくさん出会い、新しい興味を見つけ、ワクワクします。そうして読書は想像力や創造力の基盤になりますが、その他にもさまざまな力が養われます。
 ひとつは「読解力」です。本を読むか読まないかの差は、幼いときはあまり目立たないものの、年齢とともに少しずつ大きくなっていきます。トロント大学の心理学者、キース・スタノヴィッチ名誉教授は、読書においても「マタイ効果」が存在するといいます。マタイ効果とは聖書の一節になぞらえたもので、「富める者は富み、奪われるものはますます奪われる」という現象です。成長とともに、読書をすればするほど理解力が高まる子どもがいる一方、読書をしないためにどんどん理解力が追いつかなくなる子どももおり、その差は広がっていきます。
 また、「語彙力」も発達します。ベネッセコーポレーションの語彙調査によると、高校生 、大学生とも 、読書が好きかどうかと読書量の多さは、語彙力との関連が非常に強いことがわかっています。
 読書量が増えると語彙が増え、理解力が高まり、本が好きになり、さらに読書量が増えるという好循環が生まれます。
 さらに、「思いやり」も育まれます。国立青少年教育振興機構が2013年に行なった「子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究」によると、子どものころの読書活動が多いほど「できれば、社会や人のためになる仕事をしたいと思う」「電車やバスに乗ったとき、お年寄りや体の不自由な人に席をゆずろうと思う」といった意識が高い傾向が見られました。

「本好き」にするにはどうすればいい?

■リビングに本棚を置く
 世界に1400万人ほどしかいないにもかかわらず、アインシュタインのような天才や、スターバックス、グーグル、フェイスブックの創業者を輩出、さらにはノーベル賞受賞者の約22%を占めてきたユダヤ人。迫害がくりかえされる中、彼らはどこへ行っても決して盗まれることのない「頭脳」を大切に育ててきたといわれています。
 国際教養大学のアンドリュー・J・サター特任教授は、ユダヤ人の多くの家庭には、リビングなど家族が集まる場所に本棚があるといっています。上のほうには大人の本、下のほうには百科事典や図鑑、辞書など、子どもが自分で調べられる本を置いておき、わからないことがあれば一緒に調べるのだそうです。
 また、リビングのほかにも、寝室や廊下など、自然と子どもの目にとまるところに本を置いておくと、いつでも気の向くままに手にとって読むことができます。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■読み聞かせをする
『魔法の読みきかせ 』の著者、ジム・トレリースによると、子どもは中学2年生くらいまで、読む力が聞く力に追いつかないといいます。大人に読み聞かせてもらい、「わかった!」「面白かった!」という体験をすることが、もっと読みたいという気持ちにつながります。

■親が本を読む
 厚生労働省が小学2年生とその親を対象にした調査によると、子どもが1か月に読む本の冊数は、両親が読む本の冊数にほぼ比例していることがわかりました。また、ベネッセの調査では、1か月に紙の本や電子書籍を3冊以上読むという人に、読書が好きになったきっかけを聞いたところ、「子どものころに、本を読み聞かせてもらったこと」「身近な人が本好きだったこと」との回答が最も多く選ばれました。両親が本を読む家庭では、子どもが読書好きになる傾向にあるようです。

今回はここまでです

いかかでしたか?
酒匂調べ(データ12年分)でも、地頭が良い子のご家庭には、だいたい本がたくさん置いてあることを実感しています。「本があること」「本を読むこと」が日常なわけです。「うちの子は本が嫌いで…」と言う声を良く聞きますが、親は本を読んでますか?「本を読みなさい」と強制していませんか?
「子どもが本を読まない」のには理由があります。その理由を明確にして対策を取りましょう。
※この話は数学でいう「確率」と「必要十分条件」の単元の話で、まず「本を読めば必ず地頭が良くなるわけではない」ということ。そして「私が知っている地頭が良い子は本はあまり読んでませんよ」というご意見は的外れです。「本を読む→地頭が良くなる」は成り立っても「地頭が良い→本を読んでいる」は成り立ちませんから。

大人でも「博識だなぁ」と思う方はだいたい読書されてますよね!
「時間がない」は言い訳になりません!生活習慣を見直して時間を確保しましょう!

それでは素敵な一日をお過ごし下さい。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。

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