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【キャリコン勉強】キャリア・ガイダンスの諸理論

今回は、木村先生の著書を参考にキャリア・ガイダンスの諸理論についてまとめました。これまでは、キャリアの定義、キャリアコンサルティングとキャリアカウンセリングの違いをまとめましたが、キャリアガイダンスにはどんな理論があるのか紹介したいと思います。

ガイダンスとは

1 不慣れで事情のわからない者に対して、初歩的な説明をすること。案内。手引き。また、そのための催し。「新入生へのガイダンス」       2 児童・生徒・学生が、自分の適性を知り、進路を決定できるように指導すること。

出典:小学館 デジタル大辞泉

一般的には、1の新入生や新入社員が最初に受ける案内という理解になります。

2にあるように進路を指導することはキャリアカウンセリングの意味と同じですので、キャリアガイダンスとは、これから職業を選択する人に仕事をし紹介したり、進路を指導するという解釈をしました。

そういった理論にどんなものがあるか紹介します。

キャリア・ガイダンスの諸理論

このあたりは試験によく出るところです。しっかり整理しましょう。

1,職業選択理論

(1)特性・因子理論

まず、パーソンズの理論ですね。

パーソンズといえば、「丸い釘は丸い穴へ」です。人と職業のマッチングを最初に提唱した人です。人と職業をうまく合致させることで良い職業選択や職業適応が可能であると考えました。

この理論は、一般職業適性検査(GATB:General Aptitude Test Battery)をはじめとする各種テストや検査、職務分析、職業分類、職業情報など現在のキャリア・ガイダンスの元となっています。

(2)意思決定・期待理論

意思決定と言えば、ジェラットヒルトンの理論です。

ジェラットは、積極的不確実性理論で、予測システム、評価システム、決定システムの3つのステップの意思決定プロセスを提唱しました。

ヒルトンは認知的不協和理論を意思決定のプロセスに応用し、キャリア意思決定モデルを提唱しました。(前提→不協和→再調整)

ここは、どちらがどっちだったか混乱するのでしっかり覚えましょう。

職業選択も、同じメカニズムで行われるというものでキャリアガイダンスの理論となっています。

<試験対策1>私は、この2人をセットで覚えました。「ヒルトンホテルでジェラートを食べる」という語呂合わせを作り覚えました。

(3)社会的学習理論

社会的学習理論は、「職業選択は学習の結果である」というものです。

クランボルツは、そのプロセスに影響を及ぼす要因を4つ示しました。

①先天的な資質  

②環境条件や出来事

③学習経験 

道具的経験ーやってみて得られた経験

連合的経験ー他人を観察して得られた経験

④課題解決スキル

職業選択において、「解決できる方法があるのにそれを学習しない」「不適切な選択肢を学習している」「能力がないと思いこんで不安を感じて何もしない」など職業選択を困難にしていることが多いようです。


<試験対策2>意思決定というと、ジェラットやヒルトンを思い浮かべてしまいますが、クランボルツの社会的学習理論は意思決定モデルを持ち合わせていることを覚えておきましょう。(第10回試験)

<試験対策3>未決定は、学習理論においては学習をもたらすために必要な望ましいものである。とも言っています。(第4回試験)

<試験対策4>CBI(Career Brliefs Inventory)は、クランボルツの著作です。(第10回試験)

2,構造理論

構造理論の基本的考え方は、人間と環境の相互作用を重視する点にあります。その力点を個人に置くか、環境に置くかによって心理学的構造理論と社会学的構造理論に分かれます。

(1)心理学的構造理論

職業選択やキャリア形成は、人間の心理的、内的要因によって規定され、人間の欲求によって、その目的に向かって行動する原動力になります。

1)フロイトの精神力動論

心理学的構造理論は精神分析に基づく理論です。精神分析といえばフロイトです。フロイトは有名なので、誰しもが知っている人ですね。フロイトについては興味があったので、You Tubeでその生い立ちなどを見て理解を深めました。時間があれば御覧ください。

フロイトの理論を職業選択行動の説明に応用したのはブリル、ボーディンらです。

現在のようなコロナ問題により、失業や職業再選択を迫られる状況の中で、メンタルヘルスなどで個人が心理的異常に陥ることを防ぐためにも、精神分析アプローチは今日のキャリアガイダンスの世界において重要な意味を持っていると言えます。

2)ローの理論

ローは、精神分析をベースにし、さらにパーソナリティ特性と職業分類とを関連付けて職業やキャリア発達を説明しました。

3)ホランドの理論

ホランドは、職業選択やキャリア発達の要因として、個人の行動スタイルや人格類型に着目しました。

パーソナリティは6つの分類に分けられます。現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的です。(超重要です!)

この理論に基づき、キャリア・ガイダンスのための職業興味検査(VPI:Vocational Preference Inventory)を開発しました。

これは、日本にも導入され、主として若年者の進路指導に大きく貢献しています。

(2)社会学的構造理論

1)環境の次元

ブロンフェンブレーナーは、個人の環境に及ぼす影響を4つに分類しました。

①ミクロシステム  家族など親、兄弟の影響

②メゾシステム   家庭、学校、職場など複数のミクロシステムからの影響

③エクソシステム  自分のマイクロシステムでない複数のミクロシステムが個人に及ぼす影響

④マクロシステム  文化、社会のイデオロギーが個人に及ぼす影響

2)家族の影響

家族は、個人の職業的知識を拡大し、職業行動を強化し、社会的・経済的地位をもたらす重要な要因である。これは言うまでもないと思います。

3)機会遭遇理論

機会遭遇理論は「個人があることを選択できるかどうかを規定する主な要因は、機会に出会うかどうかである」とする理論です。

職業選択において、いろんな機会がありますが、その機会を個人がどう受け止めるのかが重要だと思います。また、その機会に気付くようアンテナを張っていることも大切ではないでしょうか。

3,職業発達理論

この理論は、個人の発達過程、発達段階に応じた課題の解決を支援するがキャリアガイダンスの目的であるという理論です。

(1)キンズバーグの理論

最初の理論は1950年代に構築されたが、その後何度も再構築され、プロセス、非可逆性、妥協という最初の概念の修正が行われてきた。職業発達プロセスは、空想期(~11歳)→試行期(11~17歳)→現実期(17歳~20代前半)の3段階である。(第7回試験に出題)

職業選択は、生涯にわたる意思決定のプロセスである。

(2)スーパーの理論

職業発達理論では、個人が自分自身を、そして環境として職業社会をどのように見るか、という主観を重視する。これを職業的自己概念といいます。(第7回試験に出題)

スーパーは、ライフステージ、ライフレインボー、ライフロールを提示しました。どれも試験にはよく出ますのでしっかり覚えましょう。

・ライフステージはキャリアの長さです。

スーパーは、5段階のライフステージをマキシサイクルと呼びました。

成長期、探索期、確立期、維持期、下降期です。

<試験対策5>覚え方は「背高いか」で覚えましょう。

・ライフレインボーとライフロール(役割)

スーパーはキャリアを、人生のある年齢や場面の様々な役割の組み合わせであると定義し、この概念をレインボー(虹)にたとえて説明しています。ライフロールはキャリアの幅になります。

役割には、9つの大きな役割があります。(子供、学生、余暇人、市民、労働者、配偶者、家庭人、親、年金生活者)

まとめ

キャリア・ガイダンスの理論についてまとめました。

あらためて見ると、ここに出てくる理論は、試験によく出る理論です。理論家は、まだまだたくさんの人が出てきますので、混乱しますが、着実に覚えていきましょう。




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