見出し画像

LE LABO PATCHOULI24

LE LABO(ルラボ)は10種類の香りと共に創業されました。そのなかでも私の大好きな Patchouli24(パチュリ24)と香りの作者Annick Menardo(アニック・メナード)について紹介したいと思います。

PATCHOULI 24

Patchouli 24(Annick Menardo)

ルラボ初期コレクション10種類の中でも特に異彩を放つパチュリ24、その香りは燃え盛る雄大な森を想い描く煙の香りから始まります。スモーキーな炭に似た香りを持つグアイアコールが煙と炎を生み出し、木材を思わせるバーチ、大地を連想させるパチュリが、それを感じさせたのでしょう。

スモーキーな香りが落ち着く頃には控えめなバニラが現れます。人々を遠ざけるかのような鮮烈な香りは薄れ、燃えていた森が朽ち果て、焦土という形で姿を表しているかのような静けさを感じさせる香りとなります。

次第に控えめなバニラが甘くなり、スモーキーな残り香と共に、甘いお香のような余韻を残します。その様相はまるで、森と共に終わりを迎えた生命を追悼するかのような、祈りの香りで幕を閉じます。

私が初めてパチュリ24の香りを試したとき、スモーキーな香りと薬草のようなヨード香から、渋谷の外れにあるバーで飲んだ、アイラウイスキーから香る炭の香りを思い出しました。人によっては燻製ベーコンや正露丸を思い浮かべるそうです。

ARDBEG

パチュリ24は非常に癖が強く尖っていますが、男女問わず格好良さを演出したい時に使いたくなるような香水です。ニットを着る季節にオールブラックの装いでこの香りを身に纏い、煙草を吸っている方が現れたら思わず魅入ってしまいます。

マッツ・ミケルセン

ルラボが創り出す作品の中でも個性的なパチュリ24。そんな独特な香りは思わず何度も試したくなるような不思議な魅力に満ち溢れています。

皆さまも機会がありましたら、ぜひ手に取ってお試しいただけたらなと思います。以上でパチュリ24の紹介終わります。

お次はパチュリ24を手掛けた調香師アニック・メナードについて、インタビュー記事を元に紹介していきたいと思います。

Annick Menardo

Annick Menardo(アニック・メナード)
フランス カンヌ生まれ

キャリア
アニックは精神科医を目指し、医学と化学(生化学)を学んでいました。化学を学んでいる時に香水業界に興味を持ち始め、次第に香水に対する情熱が強くなり、調香師になるためISIPCA(香料専門校)に入学、卒業後Creations Aromatiques(香料会社)に入社します。そこでミシェル・アルメラック(調香師)から指導を受けながら経験を積み、その後フィルメニッヒに入社。キャリアを築いていくなかで、1998年にディオールを象徴とするヒプノティックプワゾンを創造します。また、同年ブルガリを象徴するブラックを手掛けるなど、多くのブランドを代表する作品を創り出してきました。

Annick Menardo

長いキャリアを通して活躍してきたアニックは、2006年にルラボと手を組むことで、パチュリ24を生み出します。2008年にはガイアック10を作り、シティエクスクルーシブの中でも、特に人気の香りとなりました。そんなアニックの香り作りにおいて意識している事は、人々の記憶に残るユニークな香りと、強いアイデンティティを持つことだと語っています。

以上で調香師アニック・メナードの紹介を終わります。最後にパチュリ24に使われている香料の解説に移りたいと思います。

香料の解説

バーチ
バーチという樹木から発せられる、
スモーキーで木材を思わせる香り。

グアイアコール
木材や煙、ウイスキーなどの天然物質に含まれる
スモーキーでスパイシーな香り。

パチュリ
インド原産の植物の葉から取れる、
湿った土のような香り。

バニラ
甘く、心地よい香り。


以上で香料についての解説を終わります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

参考文献
カイエデモード
海外インタビュー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?