個展「不揃いの積み木」開催のお知らせ

10年以上ぶりに個展をすることになった。
なった、というか、することにした。

「美術教育のひと」「ワークショップをつくったり実践したりするひと」という自認で10年来やってきたので、自分がアーティストとして作品を展示するというのは、何ともムズムズするというか、固まっていた筋肉に血が通ってしびれるみたいな、正座から立ち上がったときのアレの感じ。


内容としては、ここ数年にわたって行ってきたワークショップ「そのへんに落ちているものを拾って遊ぶ」の延長で「なんかできちゃった作品」の展示である。道端、空き地、浜辺に川辺、工事現場から引き出しの中まで、あちらこちらで見つけた「気になるもの」を拾いあつめて、ああでもない、こうでもない、と積んでは崩して積み木遊びをしたら……こうなりました! というわけだ。

なんだか適当な書きぶりであるが、「美術教育における対話」というライフワーク級のドでかいテーマに対する、制作を通しての現時点での応答にもなっているはずだ。詳細なコンセプトや制作過程の思考をまとめたテキストは、会場で配布するペーパーに記載するので、ここでは割愛するが、会期が始まればインスタグラムにも掲示する予定にしている。

展示期間は2日間(3/11~12)のみ。短い。ただ、会期中はずっと会場に居る予定で、拾いあつめたオブジェクトに触れることができるコーナーも設けるので、2日間にわたって展示という名のワークショップをやっているようなものかもしれない。

会場は地元(岸和田)に遺る近代建築「自泉会館」である。自泉会館は時折なぜか現代美術の展示が行われていて、キュレーションの効いたグループ展があったり、このあいだは岸和田出身の作家である塩田千春の展示があったりした。個人的にも縁のある場所で、自分の母校がそばにあったり、母親が昔グループ展をやっていたり、何なら生まれた産院もすぐそこにあったりする。地域の歴史や様々な記憶の断片がコラージュされた、磁場のようなところである。

何しろ会期が短く、おそらく多くの方にとっては遠方の会場であるだろうから、はたしてどれくらいお運びいただけるかは、何とも心もとない。そんなわけで、展示のスタートと同時に、展示作品の画像(と上述のテキスト)はインスタグラムでも発表するが、お時間が許せば小旅行のつもりで立ち寄っていただければ幸いである。

ご来場いただけるみなさまと、お会いできるのを楽しみにしております!


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