記事一覧
抽象的なメモランダム#6
人に何かを伝えるときに意識している、いくつかのパラメーター。
順序、粒度、難度、態度、感度。
抽象的なメモランダム#5
ファミレスのサラダについての覚書
たとえば、ファミレスのサラダのドレッシングが大雑把にかけられており、下部はほとんど単なる生野菜になっていたとして、そこではサラダの味わいをよくするという本来の目的が、ドレッシングをかけさえすればよい、という手段の目的化によって転倒させられているわけであって、それを素朴に批判することもできる。
しかし、この微視的な批判意識は容易にエスカレートしがちであり、その行
抽象的なメモランダム#4
4月1日街行く人みな地面から3ミリくらい浮いている
抽象的なメモランダム#3
私が引き篭もっているのではなくて、世界の方をドアの向こうに閉じ込めているんですよ。あんまり五月蝿いんでーー男はそう言ってドアを閉める。
どこかで見聞きしたのか、単に自分のみた夢か何かなのか、もはや定かではないけれども、定期的に思い出すエピソード。
抽象的なメモランダム#2
たぶん短歌のようなものを意識して一時期メモしていたものが、workflowyに残っていた。いくつかだけ拾っておきたい。
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色々な動物の声が聴こえて眠れないそんな夜もある
誰かが轢かれて電車が遅れて時間を潰しに散髪に行く
交差点の真ん中をモヒカンの男がまっすぐに渡ってゆく
抽象的なメモランダム#1
夢の断片(20240326 - 27)
知らない人の迷子になった家猫を一緒に探す夢をみた。結局みつからず、家のまわりにエサと水を置いといてあげるしかないね、ウチもそれで帰ってこなかったことはないから大丈夫、と声をかけて別れた。
そのあと、なんだかよく分からない占い師みたいな人に祈祷代を払いに行って、ひと家族7500円で3家族分を僕が支払った。計算が間違ってますよ、と言われた気がする。
逸脱の術:矛盾形容語法としての「美術教育」
すっかりnoteの更新が滞ってしまっている。何かしら手を入れておかないと存在自体を忘れてしまいそうなので、2つのテキストをアーカイヴしておきたい。
ただ、ちょっと「在庫の品出し」みたいな感じで、「テキスト」としゃちほこばって言うほどのものでもなく、これまでの学会発表の際に、概要を整理して予稿集に掲載した文章である。具体的には、第41回美術科教育学会北海道大会(2019年3月)における「美術室で米
美術室で米を炊く : 「造形遊び」から「関係遊び」へ
すっかりnoteの更新が滞ってしまっている。何かしら手を入れておかないと存在自体を忘れてしまいそうなので、2つのテキストをアーカイヴしておきたい。
ただ、ちょっと「在庫の品出し」みたいな感じで、「テキスト」としゃちほこばって言うほどのものでもなく、これまでの学会発表の際に、概要を整理して予稿集に掲載した文章である。具体的には、第41回美術科教育学会北海道大会(2019年3月)における「美術室で米
【書評】鑑賞のファシリテーション ~深い対話を引き出すアート・コミュニケーションに向けて~
平野智紀氏の著書『鑑賞のファシリテーション ~深い対話を引き出すアート・コミュニケーションに向けて~』について書評を書きました。美術科教育学会の学会通信に掲載されていますが、関係各所の許可をいただき、このnoteでも下記に転載いたします。
せひご一読いただき、平野氏の著書を手に取っていただければ幸いです!
1.本書の背景
対話型鑑賞とは何か。本学会においては用語の意味からあらためて説明する必
刊行のお知らせ『ここからどう進む?対話型鑑賞のこれまでとこれから アート・コミュニケーションの可能性』
2022年夏に開催されたフォーラム「対話型鑑賞のこれまでとこれから」が、ちょうど1年越しで書籍化されます。フォーラムの全8セッションについて、単なる「記録」に留まらないよう、その後に行われた議論や考察も追加して再構成しました。本書からはじめて、という方はもちろん、フォーラムに参加された方にも読み応えのある内容になっているかと思います。9月2日以降に全国の主要書店で順次発売予定とのこと。ぜひご一読く
もっとみる開催のご案内と話題提供:「アイアイ」プロジェクト報告フォーラム×トットローグ-鳥取という“地方”で考える鑑賞教育-
以前にインタビュー(対話型鑑賞から関係の造形へ)を受けたプロジェクトから、総括的なフォーラムを行うとご一報いただいたので、ここでもご案内いたします。
残念ながら私自身は当日の参加が難しそうなので、欠席者からの話題提供として、少しだけメモ的に考察を記しておきたい。
今回のプロジェクトは、複数の研究者および実践者による、多様な意見・論点の「なまっぽい語り」が収められたことが、まず何よりの達成だった
キャンパス陰影礼讃(大学とはどういう場所であったか?)
この4月から大学が異動になった。
新しい環境に身体が馴染むのには、時間がかかる。何とか自転車操業でやりくりし、ようやく連休にたどり着けそうである。noteを書いている場合ではないような気がするが、書くことがある種の「息継ぎ」にもなるかな……と、ポチポチこの記事を書いている。
現時点での第一印象なのだが、居心地の良い大学である。それだけ言うと、やたら偉そうな放言になってしまうのでアレだが、素朴な
インタビュー「対話型鑑賞から関係の造形へ」掲載のお知らせ
昨年の10月に受けていたインタビューが、メディアサイト「アイアイ」に掲載されました。
対話型鑑賞から「関係の造形」へ
このインタビューは、小笠原敏晶記念財団の「2021年度 調査・研究等への助成(現代美術分野)」に採択された研究プロジェクトの一環で行われたもので、調査研究テーマは【現代美術の見方は「地方」でも学べるか〜鳥取とその周辺地域における「鑑賞教育」の実態から考える】とのこと。
お題に
個展「不揃いの積み木」開催のお知らせ
10年以上ぶりに個展をすることになった。
なった、というか、することにした。
「美術教育のひと」「ワークショップをつくったり実践したりするひと」という自認で10年来やってきたので、自分がアーティストとして作品を展示するというのは、何ともムズムズするというか、固まっていた筋肉に血が通ってしびれるみたいな、正座から立ち上がったときのアレの感じ。
内容としては、ここ数年にわたって行ってきたワークショ
【鑑賞】とは時間をかけることである
前回の続きで、インタビューを受けて考えたことのメモその2。この記事ではインタビューでの大きなキーワードのひとつであった【鑑賞】について考察する。
大きなキーワード、といっても、まさか直球で「北野先生にとって鑑賞とは何ですか?」という質問が来るとは思っていなかった。おお、話が壮大だ……となったが、風呂敷の大きな議論は嫌いではない。いやあ、何なんでしょうね? とお茶を濁しつつ、なんかおもろいこと言え
対向車線としての【地域】
前回に少し触れた、とあるプロジェクトでの「インタビュー」は無事終了した。年内にはウェブサイトで公開されるとのことで、後日またリンクを貼っておきたい。インタビューの内容は多岐にわたったが(2時間半くらい喋ったかも)、大きなキーワードとしては【地域】そして【鑑賞】の2つがあった。その場で色々と思いついたことを、忘れないうちに2つの記事に分けてメモしておく。
まずは【地域】について。地域芸術祭、地域ア