構築・テスト・レビュー

・テストアプリの作成

日常生活自立支援事業の運用に、kintonteをテストすることが決まり、アプリ構築を始めることになった。
まずは、業務の流れと報告に必要なデータの確認。
幸い、10年前とほとんど変わっていなかったので、その時を思い出しながら作成していった。
初回相談から始まり、アセスメント情報、契約に必要な本人の状況、その間の支援記録など、5〜6のアプリを構築し、業務の流れにそって共通するデータをルックアップとアクションで紐付けながら、契約後の日常的な活動までつながるようにした。

1週間後、データの流れができたところで、テストデータの入力も兼ね、担当者に見てもらった。
エクセルで何度も入力していたものが、ルックアップなどで自動反映されるだけで、現場の省力化につながると喜んでもらえた。
一方で、日常業務に携わらない人には「楽になりそう」以上の反応は得られなかった。

アプリはまだ完成していなかったが、この時点で先にプリントクリエイターで帳票を作ることにした。
「今の業務で使用している様式が、kintoneからそのまま出てくる」
それがkintonteが何かを伝えるよりわかりやすかったからだ。

・帳票を見て

相談表やアセスメントシートなど、よく使う物を中心に4種の帳票を取り込み、出力できるようにすることにした。
期限は1週間後。現場の担当者が集まる会議で披露することになった。

この間、プリントクリエイターと格闘した。すでに請求管理などで稼働していたとはいえ、項目の数が段違いで1つ完成させるのに想定の3倍の時間がかかった。
結果、全ての項目が当てはまったのは 2種類のみで、残りは名前や住所欄がかろうじて反映されるレベルまでとなった。

当日、集まった担当者の前で、プロジェクターにkintonteの画面を見せながら業務の流れに沿ってデモ用の利用者情報を入力していった。
現場担当者たちには、ルックアップ等で入力が減ることを見てもらうと「良さそうだね」という声が聞こえてきた。
ひととおりデータを入力して、プリントクリエイターで設定した帳票を出力する。
できたPDFを見て、すぐに反応したのは、本部の責任者だった。
「ここまでできるのか。これなら使えそうだ。」
もちろん、現場担当者の反応もよく、本格的に構築することが決まった。

・アプリの作成。また作成。

ようやく本格的に構築を進めることになったが、自身の本来業務は別であったため、作業時間は限られていた。
そのため、アプリを作りつつ、同時に本部担当者にも少しずつkintoneを触ってもらい、操作を覚えてもらいつつ、大きな部分の構築作業を進めていった。
担当者からは打ち合わせの度に要望が増える。それをどうやってkintoneで実現するか。できない場合の代替方法はどうするか。予算もない中でフリーのプラグインを組み合わせながら、一つ一つ構築していった。

構築の中で、要望が増えるたびに利用するプラグインが増えていった。そして、プラグインが増えれば増えるほど、アプリが複雑になり、設定や調整に時間がかかるようになった。
要望を確認した後、フィールド配置→プラグイン設定→動作確認を何度も何度も繰り返し、終わったらプリントクリエイターの設定をする。
今なら、要望を聞いただけである程度実現できるかどうかの見込みが立てられるようになったが、当時はまだそこまで活用ができておらず、一つ一つに時間がかかった。
そんな作業を繰り返し、当初見込んでいたアプリ郡ができるのに3ヶ月程度を要したが、今までに無い規模の構築をしたことで、「kintoneでここまでできた。」という達成感も大きかった。
しかし、それも束の間。次の課題「Excelからのデータ移行」でまた悩むことになる。

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