更なるkintoneの活用に向けて

・災害派遣にて

kintonehive後も、他の業務やシステムに追われ、腰を据えてkintoneの操作ができない日々がつづいていた。

そんな中、夏に発生した台風・豪雨による土砂災害への支援がおこなわれることになり、広島県に派遣されることになった。

自身としては、中越沖地震以来2度目の災害派遣で、豪雨災害では始めてだった。

派遣期間は約1週間。主に災害支援に協力してくれるボランティアの受け入れ等をおこなうボランティアセンターの運営支援だった。

現地に着き、現地職員と前任者からの引き継ぎを受け驚いた。運営方法が前回と殆ど同じだったからだ。
個人的には、もっとIT化が進んでいると思っていたが、基本「紙での処理」となっていた。

良くも悪くも直ぐに理解できたのだが、その後が大変だった。
毎日、活動が終わると、その結果が「紙」で提出される。
それから必要な情報をExcelに入力し、実施件数を報告する。
そして翌日に活動にむけ、大量の「紙」を準備していく。

唯一変わっていたのは、外部向けの案内。従来は電話を中心に対応していたものが、Facebookになっていた。

とはいっても、紙での処理は多くあり、Excelと向き合う時間がそれなりにあった。
難しいのは、自身は短期間の派遣で次につなぐ必要がある。kintoneならカンタンにできるのは分かっていても、その後につなぐまでは居ることができない。

構築だけでもして現地職員に引き継ぐ事も考えたが、彼等自身も被災者であり、発災後殆ど休みが取れない日が続いていた。

派遣職員の第一の使命は、「長く続く復興に向け、現地職員の休みを確保すること。」
そのため、一時的にでも負荷がかかるシステム導入は提案できる状況には無く、できることと言えば、せいぜいExcelシートに入力する項目から、報告データが自動で計算されるようにする程度だった。

紙の作業に追われるように、派遣期間はあっという間に終わった。

・次に向けた準備のために

派遣中に思ったのは「次に向けた準備」だ。
kintoneを活用すれば、不要な作業が多くあった。「予めアプリを作っておけば最初から活用できる」と思い、戻ってからの作業にむけて、使われている紙の様式を全て集め、持ち帰った。

持ち帰った様式を参考に、アプリの構築を検討した。
受付、調整、資材など、複数のアプリを構築し、どのように連携させるか、現場を思い出しながら作業をはじめた。
ただ、例によってこれはメインの業務ではなかったため、スキマ時間での作業になり、なかなか形にはならなかった。

同時に、内部向けにも構想を共有した。
皆、必要性には同意してくれた。ただ、協力してもらえるほど余裕がある状況ではなかったため、実質的には一人作業が引続くことになった。

・フォームブリッジ導入

なかなか作業に取り組めなかったが、この間にフォームブリッジの契約に向けた準備をしていた。
実は、もう少し前に内部で導入の提案をしていたのだが、会計部門からNGが出て導入できていなかった。
しかし、フォーム入力ができることで、kintoneの活用が広がることは見えていたので、なんとか導入できないかとずっと考えていた。

そんな中、ある部署から「研修受付フォームを作りたい。ただし、Googleフォーム以外で」というオーダーがあり、フォームブリッジを勧めたところ、トントン拍子に導入が決まった。

早速申し込みをして、設定を始めた。
「プリントクリエイターを使っていたから、kintoneと同じじゃないだろうけど、そんなに変わらないだろう」
そんな思いを持ちながら、操作した。初めは順調だったが、少し複雑なアプリをフォーム化するところで3つの問題にぶつかった。

一つ目は、フィールドの作成順に並んでしまうこと。
アプリを考えながら構築するとき、結構フィールドを増やしたり削除したりを繰り返す。
kintone上では並べ替えながら作っていても、フォームブリッジにリンクさせると、古い順に並んでしまうため、元のkintonteアプリと並べながら戻す作業が必要だった。

二つ目は、スクロールすると左にあるフィールド要素が見えなくなること。
kintoneでは追いかけてくるが、フォームブリッジでは上部に張りついたままなので、一つ目と合わせて構築がスムーズにいかなかった。

三つ目は、フォームブリッジ側で設定したフィールドがkintoneには反映されないため、別に作業が必要だったこと。
この点は最近のアップデートで改善されたが、これらの課題がありフォームブリッジの作業は常にkintoneアプリとウィンドウを並べて作成するようになっていた。
普段ノートPCで作業するため、この時ばかりは大画面が欲しくなった。

そんなこんなで、僕自身は癖を掴むまで苦労したが、ある程度思い通りのフォームが作れるまでにはそんなに時間はかからなかった。
ただ、kintoneのアプリ作りに慣れていない職員にはかなり負担が大きく、一つ目を作るのに1週間程度かかっていた。

当初の導入目的が達成され、落ち着いたところでようやく使えるようになったフォームブリッジの活用について考え始めた。

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