Diezel D-moll考
超久々の更新です。今日は2023年の夏頃に購入したDiezel D-mollについて。
ヘッドアンプが欲しい!
数年前にVHT 2902を手に入れてからソロ曲や1st0のレコーディングでは、Marshall JMP-1 + VHT2902をメイン機材としていました。例えば以下のギターは100% JMP-1 + 2902です。
好きな音が出せるので、このままずっと使っていくのだろうな、と思っていたのですが、長く使ってみるとちょっと浮気心が芽生えてきました。以下がちょっと気になる所。
かなり古い機材なので、モダンな音は出しにくい。
ちょっとローが足りないが、アンプ側で出そうとすると意図しない部分が出てしまう。
生産終了しているので、不測の事態が起きたときに困る。
怖過ぎて持ち出せない。
重すぎる。(ラック込みで30 kgを超える)
VHT 2902は120V仕様で昇圧トランスが必須。(これがまた重い)
そんなところで、メインとはならずとも、サブやダビング用にモダンな音が出せるアンプが欲しいと思っていました。半年ほど悶々としてましたが、ふと某オークションサイトのヘッドアンプの相場を見ると、結構強気な値段設定ができそうだったので、「いざとなれば売ればいい」と思って中古の個体を探してみることに。
Diezelに至るまで
ハイゲインアンプは色々とありますが、自分が弾いたことがあるのは以下の通り。
Peavey 6505
Hughes & Kettner Triamp Mk. II
Hughes & Kettner Coreblade
Orange Rockerverb MkII
Mesa Boogie Dual Rectifier
Diezel VH4
Diezel Hagen
Friedman BE-100
Marshall JVM410
自分はMarshall大好きっ子なのですが、リセール前提ならMarshall以外でもいいだろう、と思ったのでJVMは早々に選択肢から除外。Friedmanは最高ですが、シャレにならない金額なのでごめんなさい。Mesa Boogieはちょいちょい中古市場に出てきますが、どうにも弾いた時の手応え (コンプ感や、ニュアンスの再現力) が自分の好みと合いませんでした。OrangeはEQのつまみが足りないことと、MIDIに対応していないので除外 (そもそも中古の個体も少ない印象)。残りはPeaveyとHughes & Kettner、Diezelです。
自分のレコーディング環境では、基本的にアンプはキャビネットではなくロードボックスに繋ぎます。自分が持っているロードボックスは耐用が100Wまでなので、120W仕様のPeavy 6505シリーズは対象外に (フルアップすることはないので大丈夫な気はしますが、、、)。6505は20Wくらいのモデルも出ていますが、ライブで使う可能性があることを考えると、50W以上は欲しいので、やはりアウト。個人的には5150系は好きなので、EVH 5150があればそれでもいいかと思いましたが、当時は中古市場で見つけることができませんでした。
そんなこんなでHughes & KettnerとDiezelに絞られました。どちらもドイツのアンプメーカーですが、当然のように個性があります。個人的にはどちらも音の傾向は似ていると思っているのですが、ケトナーの方が上品な音が出る印象でした。Diezelは中低域の塊感と、Marshall的なハイミッドが適度に残っている感じで、メタル系の音楽ならDiezelかな、と思っていたところ、ちょうどオークションに出ていたD-mollを発見。弾いたことがないアンプでしたが、我が師、GALNERYUSのSYUさんも使っていたし、大外れはないだろうと判断して、無事保護に至りました。
Diezel D-moll
スペック
で、やってきましたD-mollです。スペックは以下の通り。
フロントパネルは引用元のVH-4のような金属のプレートではなく、かつてSYUさんが使っていたものと同じプラスチックのものでした。現行品の方が格好いいですね。パワー管はKT77という知らないものでしたが、どうもEL34と互換性があるようです。チャンネル数が2.5と中途半端なのは、Ch.2とCh.3のEQが共通だからだそうです(その理屈だとJCM2000は1.5チャンネルだ)。Mid CutとPresence、Deepは全チャンネル共通で、Mid Cutはフットスイッチでオンオフできます。Master Volumeが2個設定できるのも嬉しい機能です。機能面では自分には十分すぎます。
弾いてみて
自宅にはロードボックス兼キャビネットシミュレーターとしてTwo notes Torpedo LiveとPalmer PDI-03があるので、それで音出しをしてみました。
Ch. 1 はクリーンチャンネルで、ゲインを低く設定している時はほぼ歪み感のないどクリーンな音が出ます。ゲインを上げていくと少しずつ歪んでいきますが、破綻しないのでとにかく扱いやすいです。自分はあまりクリーンチャンネルは使わないのですが、これなら積極的に使えるような気がしました。
Ch. 2 はクランチチャンネルですが、ゲインを上げればリードが弾ける程度にはしっかり歪みます。Ch. 3は基本的な音の方向性は一緒です。歪み量を同じくらいにするとCh. 3の方がコンプ感が強いというか、ブースターを踏んだような弾き心地が得られます。歪みの量だけで言えばブースターはいらないです。
Ch. 2、Ch. 3共通してかなり太いミドルが出るので、そのままだとザクザク刻むような音になりません。そこで活躍するのがMid Cutで、結構ガッツリ上げても引っ込み過ぎない、いい塩梅の周波数帯をコントロールしてくれます。予想外だったのはローの出方で、自分の環境だとBassをかなり絞っても低域がモコモコと出てきてしまう状態でした。SYUさんのセッティングを確認してもBassは9時くらいだったので、恐らくは個体差ではなく、D-mollの特徴なのでしょう。ダウンチューニングだとそのままでもハマるのかもですが、自分は基本はレギュラーか半音下げチューニングなので、ローを少し引き締める必要がありました。手持ちのブースターで試したのは以下の通り。
T.C. electronic Spark Booster
Verocity SYU-B1
BOSS SD-1 (mod)
MXR WA44M Wyld Audio Overdrive
Spark BoosterとSYU-B1はクリーンブースター的な側面が強いペダルで、ニュアンスやら弾いた時のダイレクト感はそのままにアンプのゲインをプッシュしてくれますが、ローの引き締めという意味では狙った効果が得られませんでした。単体でかなり歪むので、クリーンブースターの方がいいと思っていましたが、結果的にはMXR WA44Mがいい感じにフィット。ザクザク刻めて(ザックだけに)、ジューシーなミッドが出るのでリードも弾き放題。今のところは言うことがありません。来たる1st0の新作のレコーディングでも積極的に使っていきたいと思います。本当は比較動画があるといいと思うので、時間がある時に録りたいと思います。
まとめ
現代的なハイゲインアンプとしてDiezel D-mollを入手した。
ローの出方がこれまでの機材と異なるため、TS系ODによる引き締めの効果を体感することができた。
今のところはいい落とし所のセッティングを見つけた。
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