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AIに罪悪感を奪われるAM1時

 日記って、自由帳みたいなものだと思っているから、その時々によって形式が全く違っていてもいいと思う。それに、不規則であるがゆえの美しさみたいなものがこの世には存在する。だから今月の日記は、ここ1か月を通して考えたことを雑多にぶん投げていく日記。こういう形式も、たまにはいいよね。そういうわけで、11月の日記です。

 コンビニのレジが自動化しているでしょう? あれのせいで、少額の買い物で1万円札を出すことに対する抵抗が薄れてきた気がする。店員と一対一で現金のやり取りをするとき、たかだか数百円の買い物で1万円札を出すのって、ちょっと抵抗があった。相手の手を煩わせてしまうことに対する申し訳なさのようなものがあったのだと思う。だけど相手が機械になったので、その罪悪感は振り払って、じゃかじゃか1万円札を崩している。そのうちAIやらアンドロイドやらに復讐される未来が見えるな。そんなことを考えながらコンビニでお菓子を買ったAM1時。

 タッチタイピングの使い手であるわたしは、PCのキーボードでの文字打ちがめちゃくちゃ早いので、事務作業や簡単な文章の作成であればPCを使うのが楽だ。だけど何を書くか決まっていない日記や、深い思考を必要とする文章作成に関しては、自分のタイピングの速さに脳みそが追い付かないので、そういうときはスマホで文字打ちをする。自分の脳みその稼働モードに応じて道具を使い分けられるようになったの、人間レベルが上がった感じがしてうれしい。ちなみにこの日記はPCで打ち込んでいる。


一番うまいカレー屋

 同居人がUber eatsで牛丼をよく頼む。彼は牛丼に卵を割り入れるのが好きだ。わたしは、すき焼きで肉を生卵にくぐらせる文化を理解できないたちだから、同様に牛丼に卵を割り入れる文化が理解できない。なので、彼に、「牛丼に生卵をのせるのってどうして? すき焼きご飯みたいな感じでおいしいからってこと?」と尋ねたところ、「どちらかといえば、卵かけご飯に肉がついてるからってこと」と言われ、そっちかー!と思った。そしてこの話を仲の良い作家さんに話したところ、「あのね、そういうの関係なく、美味しいものは美味しいんだわ。普通にそれが美味しいから牛丼に卵のせてるだけだよ多分~」と言われた。牛丼に卵をのせると美味しいらしいね。みんなやった方が良い。わたしはやらないけど。

 きのこたけのこ論争、もうやめないか? 別にどっちだって良いよ。

 わたしの周りだけかもしれないが、みんなドーナツのおいしそうな写真をSNSにあげている。かわいいものを、かわいいと思いながら写真に撮って、それをおいしく食べられるの、うらやましいな。わたし、甘いものが食べられないから、ドーナツ1個も食べられないんだよね。ミスドのドーナツポップみたいな、小さくてころころしたやつがあるでしょう? あれを1個だけ食べたら満足してしまう。否、べつに食べなくても良い。だけど、わたしも心はちゃんと乙女だから、かわいいものに対して、かわいい!とは思うのよ。だから、かわいいものを食べられないことにもどかしさを感じる。美味しそう、という思考と、実際にそれを食べられることって、別なんだね。まあ、食品サンプルみたいな感じか。あれっておいしそうだけど、食べられないもんね。


 Twitterでさ、「女性は性行為よりもヘッドスパの方が気持ち良い」みたいなポストが回ってきたんだけど、気持ちよさの次元が違うじゃんと思った。興奮と鎮静って、それぞれ対極にあるでしょう? 性行為は興奮の先にある気持ちよさ、ヘッドスパは鎮静の先にある気持ちよさじゃないのかしら。そして性行為×興奮がじょうずに結びつかないと、気持ちよさを感じないんじゃない? つまり、「性行為×興奮」の結びつきによって感じる気持ちよさと、「ヘッドスパ×鎮静」の結びつきによって感じる気持ちよさというものがあって、「性行為×興奮」の気持ちよさは相手や自分の状態によって変わりうる不安定なものに対して、「ヘッドスパ×鎮静」の気持ちよさは比較的安定したもの。だから、その時々によって気持ちよさが変わる性行為よりも、ヘッドスパの方が気持ち良いとされているんじゃない? わたしはそういうふうに考えている。


ここからが本題

 そういえば、少し前に公共料金の支払いを滞納して、電気が止まったので、そのとき個人的に書いてた日記も最後に載せておく。

10/29
 公共料金を滞納して、電気が止まった。一年ぶり二度目である。
 カラカラに晴れた日のAM10:30。(もはや晩でもないが)昨晩は朝の4時半に眠ったこともあり、二度寝には丁度良い時間だった。しかしながら、「掛け布団の上に数匹大きな虫が張り付いている」という内容の悪夢を見て飛び起きたせいで、もう一度眠ることが難しくなってしまったのだ。惰性でスマホを触り始める。
 スマホの通信がやけに遅く感じて画面を見ると、スマホにWi-Fiが繋がっていなかった。仕方なく起き上がり、Wi-Fiルーターを確認すると、電源ランプが切れている。
 察しのいいわたしは部屋の電気のスイッチを、ぱち、ぱち、と点けたり消したりする動作をしてみる。部屋の電灯は点かない。さらに察しのいいわたしは玄関先に積まれた郵便物の中からそれらしき封筒を掘り出し、中を確認すると、7月分の電気代が未納であるため、10/29、すなわち今日から電気を止めるという旨がおどろおどろしい太字のゴシック体で記されていた郵便を確認する。
 彼と一緒に住み始めて、電気が止まるのはこれで2回目だ。1回目は去年の秋だから、ちょうど1年前くらいだ。あのときも、電気が止まったことに気付いたきっかけは、Wi-Fiルーターだったような気がする。
 電気代の支払い担当は相手の方だ。電気代の支払いなんか、口座かカードから引き落とされるようにするのが良いとわかっているのに、「前に手続きしたらうまくできなかった」の一点張りでコンビニ支払いを続けようとする不器用さが愛おしい。そしてたまに失敗して、粗相をしてしまった犬のようにしょんぼりする。べつに元々怒ってもいないけど、そんなふうにされたら許さざるを得ない。あと、電気が止まるというイベントに慣れ始めた自分が、ちょっとだけ面白い。たまには支払い、忘れちゃってもいいけど、できれば今回みたいに、過ごしやすい季節に滞納してよね。

未公開の日記より

 この日記、個人的に好きなんだよね。生活の一部分がいとおしくここに存在していて、まあ、言ってしまえばただの惚気なんだけど、こういう雑な生活を愛している自分がいる。ダセ~。

 じゃあ、そんなところで今月はここで筆を置きます。来月はどんな形式で書こうかな。

おわり

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