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サービスデザインの進め方


サービスデザインの進め方のプロセスをまとめます。

こちらは、デザイン思考をベースとした方法論です。

デザイン思考というと、クリエイティブであったり、イノベーティブなアイデア創出をイメージされる方が多いかもしれません。

しかしながら、デザイン思考と相性が良いのは、イノベーティブなアイデア創出よりも、既存サービスの改善や拡張です。

これは、デザイン思考が顧客起点、ボトムアップでの思考を起点にしている為です。

以下に記載する方法論も、実際に想定顧客や対象業界・領域が特定されている状態でスタートすることが基本です。

サービスデザインの方法論

デザイン思考

前提として、デザイン思考はダブルダイヤモンドと呼ばれる、アイデアの収束と発散を繰り返しながら検討を勧めます

ダブルタイヤモンド

これは、言語学者ベーラ・H・バナーシーの発散-収束モデルを基に、British Design Councilが定義したものです。

ダブルダイヤモンドの構造上の意義は、以下です。

  • 課題発見(左側)と課題解決(右側)の空間が別れていることにより、アイデアベースで検討が進むことを防止できる

  • 発散フェーズと収束フェーズを分離することで、アイデアの網羅性を担保する

以上、デザイン思考をベースとして、サービスデザインのプロセスを策定します。

サービスデザインの方法論

ダブルダイヤモンドの発散と収束をベースに以下のプロセスで検討します。

サービスデザインの方法論

理解

一般的なデザイン思考は課題探索から開始しますが、顧客理解が不足している場合は、顧客理解のためのプロセスを前工程として踏みます。

顧客理解のフェーズにおいては、以下をアプトプットとすることが一般的です。

  • カスタマージャーニー作成による、顧客体験フローの整理

  • 共感マップやカスタマアーキタイプの整理による顧客感情や嗜好性の整理

  • その他、顧客を取り巻く社会や業界の変化の調査結果

主要アクション

  • 社内情報の整理

  • ペルソナ作成

  • ユーザーインタビュー

  • ベンチマーク調査

果物イメージ

  • カスタマーアーキタイプ

  • 共感マップ

  • カスタマージャーニーマップ


解決策定義

ここでは、課題探索と解決策の探索をまとめて、解決策の定義としています。

解決策の定義においては、対象とするターゲットの顧客の課題とその解決策を定義し、プロトタイプ開発に進む準備を行います。

基本的な流れとしては、ワークショップを開催するなどして、ターゲットの課題の洗い出しを実施。

洗い出した課題の中から、優先度の高い課題を洗い出します。

絞り込んだ課題に対しては、ソリューションスケッチなどの手法でアイデアを膨らませた後、有効なアイデアを絞り込みます。

検討する対象の新規性が高く、実現可能性の検討の必要が大きい場合は、このタイミングでビジネスモデル・キャンバスなどを活用し、ビジネスとしての成立可否を検証していおくと良いです。

主要アクション

  • 課題洗い出し&優先順位付け

  • 解決策アイデア出し&優先順位付け

  • 解決策のビジネスイメージ具体化

  • 解決策の実現性の簡易検証

成果物イメージ

  • 課題の洗い出し

  • ソリューションスケッチ

  • ストーリーボード

  • システムマップ

  • ビジネスモデル・キャンバス


創造

創造のプロセスでは、プロトタイプの開発を行い、ユーザー検証により、本開発へ進めるかどうかの判断を実施します。

主要アクション

  • UIデザイン/ワイヤーフレーム作成

  • プロトタイプ開発

  • ユーザーテスト

  • 社内レビュー

  • プロトタイプ改修

  • 本開発計画

成果物イメージ

  • UIデザイン/ワイヤーフレーム

  • プロトタイプ

  • ユーザーテスト結果

  • 本開発計画書

以上が、顧客理解~プロトタイプ開発までのサービスデザインの推進プロセスになります。


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