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【育成】研修効果を無に帰さない為にすべき事

昨日、伴走支援した新規事業開発リーダー育成のための研修の
フォローアップ会に参加してきました。

この研修は、大手企業の研修プログラムの一環で、
現場の新規事業開発リーダー候補を集めて、
新規事業の戦略検討の実践訓練を行うというものです。

内容としては、半年間かけて、
新規事業戦略策定の方法論のインプットと、
自分たちで事業アイデアを具体化するというアウトプットを行います。

その後、半年間かけて、
実際の職場で、研修で教わった事をどれだけ実践できるかを確認します。

習得する新規事業の方法論としては、

  • リーダーシップとマインドセット

  • チーミングやファシリテーション

  • 市場環境の分析(デスクトップ調査、インタビュー)

  • VPCの設定やビジネスモデル策定

  • ロードマップやタスク設計

  • スケジューリング

などです。

昨日、行われたのは、
半年間の職場での実践を踏まえた振り返り会でした。

ここでは、各々が、
研修で教わったことを現場で実践し、
”できたこと”や”課題”などについて話あいます。

半年間伴走したメンバーの
職場での適応の話を聞いていて、
研修における研修後の体験設計の重要性を改めて感じました。

研修後の課題

研修後に、現場で苦労している点として、
以下のような点をあげるメンバーが多く居ました。

  • 教わった事を実践する際に、上司が内容について来れていない

  • 研修の時の様な、共通言語を持って、一緒に議論できるメンバーがいない

  • 教わったことを実践する機会がない

  • 教わったことを実践する時間がない

  • 実践することを億劫に感じてしまう

これら課題は、
研修を受けた受講生と、受講後の環境とのギャップ
によって、生じるものです。

そして、
このようなギャップから課題が生じることは
研修においてあるあるだと思います。

むしろ、研修で教わった内容に意義があればあるほど、
それは、現在の現場の実態からは程遠く、
ギャップが大きくなります。

これは、社費MBA帰りで、
モチベーションが高く帰国した社員が
帰国後にギャップに苦しみ、離職してしまう問題と似ています。

解決策

この問題を避けるためには、
研修後の受講生の体験設計に留意する必要があります。

研修は研修中の体験設計にだけ留意すれば良い、
という訳ではありません。

むしろ、研修後の受講生と職場環境の関係性の設計が
研修効果を生む為に重要になります。

実際に、研修失敗の要因として、
4割は研修後のデザイン(職場実践やサポート)である
という調査結果があります。(ブリンダーホフ)

では、このような受講後の職場環境とのギャップを産まない為に
どのような施策が考えられるでしょうか。

1_研修内容を上長に伝え、上司の期待値を上げる

まずは、研修開始時点で、
受講生の上長に研修の内容を伝えます。

研修の内容を伝える事自体は、一般的な事だと思います。

ここで大切なことは、上長の期待値を上げる事です。

上長の期待値を上げることで、
研修後に受講生が研修内容を実践しようとした際の抵抗を少なくすることができます。

上長自身が成果を上げる為に、受講生が研修で学んだ事を積極的に活用しようという姿勢に変わります。

このような、上長の態度変容を生み出すことができれば、研修効果を非常に実践しやすくなります。

上長の期待値を上げる為には、

  • 研修の意義・目的を改めて伝える

  • 講師や研修提供ベンダーの権威性を活用する

  • 過去の受講生の研修後の成果を牽引する

  • 上長の更に上の役職者が研修に期待している旨を伝える

などがあります。

2_研修後に、研修内容の活用をミッションとして与える

次に、研修内容を元に、
受講生に業務目標設定する
方法です。

目標設定するためには、
上記の様に上長との連携が必要です。

上の期待値を上げるとセットで行うと、
更に効果的になります。

研修内容を復習し、実践することは、
研修の受講生にも一定の負担が強いられます。

昔であれば、上昇志向の強い社員も多く、
何も言わなくても実践してくれていたかもしれません。

しかしながら、現在は、
若手中心に上昇志向や学習意欲があまり高くない方も多くいます。

その様な場合でも、
研修内容を実践してもらうために、イ
ンセンティブ設計を行うことには一定の意味があります。

3_研修後も研修グループのコミュニティを維持する

最後に、
研修後も研修グループのコミュニティを維持・活用する、というものです。

研修を一緒に受けたメンバーでのコミュニケーションの機会を研修後も継続させ、学習と実践の継続を促すというものです。

これは、グループでのグループワークなど、
インタラクティブなやり取りが多い研修で特に有効です。

具体的には、

・研修後もSlackやTeamsのチャネルを残し、タッチポイントを継続させる。

・メンバー主体で、継続的に勉強会や報告会を開催する

・関連した研修や上級コースの案内などを定期的に行う

・研修で学んだことで成果が出た事例があれば、積極的に報告してもらう

などがあります。

これら一連の工夫を重層的に実施することで、
研修後のギャップを回避し、
研修効果を最大化することができます。


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