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【リサーチ】アンケート調査を基にした市場性調査のやり方

インターネットアンケート調査を使用して、市場性を調査する方法について解説します。

インターネットアンケートは、低コストで容易に、参入を検討している事業やコンテンツの市場性(市場がどれくらい大きいか)を調べることができます。

プロダクトアウト的に作りたいものを作る際においても、市場の大きさを理解しておくことは非常に重要です。

1,市場性の定義

まずは、どのような定義で、市場性を調査するのかを決めます。

ここでは、市場性の中でも、対象とする事業の市場規模を確認したい。

更に、市場規模は、TAM SAM SOMの3つの区分で確認すると想定します。

TAM SAM SOMは新規事業を中心に、市場規模を確認する指標です。

定義は、以下になります。

  • TAM

    • ある事業が参入しようとしている、市場全体の規模

    • 基本的には、対象市場の同じベネフィットを提供しているプレーヤー全体の市場規模になります

  • SAM

    • ある事業が獲得しうる最大の市場規模

    • 特定のターゲットセグメントや、特定の価格帯、特定のベネフィットなど、市場全体をセグメンテーションした上で、自社が所属するはずのセグメントの市場規模になります

  • SOM

    • 自社が獲得しうる(アプローチしうる)最大の市場規模

    • ターゲットセグメントのうち、自社のシェアとなりうる市場規模(=売上予測)になります。

TAM/SAM/SOM

2,市場規模の数式化

次に、各市場規模の指標を計算するための数式に落とし込みます。

  • TAM

    • ユーザー数×課金率×一人当たり課金額(ARPPU)

  • SAM

    • ユーザー数×特定市場セグメントのシェア)×課金率×一人当たり課金額(ARPPU)

  • SOM

    • ユーザー数×特定市場セグメントのシェア×自社のシェア)×課金率×一人当たり課金額(ARPPU)

数式への落とし込み

一人当たりの課金額は、ARPU(売上÷ユーザー数)なのか、ARPPU(売上÷課金ユーザー数)なのか、フリーミアム系のサービスでは2つの指標があるので明記します

課金率は「直近1ヶ月で課金したか(お金を使ったか)どうか?」、ARPPUは「平均的な1ヶ月の課金額(消費額)は?」を質問します。

3,市場のセグメンテーションについて

次に、SAMを計算する為の、市場のセグメンテーションについて考えます。

市場のセグメンテーションに関しては、様々な切り口があります。

各ケースに最適なセグメンテーションの切り口を選択することが大切です。

セグメンテーションを実施する際は、

  1. 想定される複数の軸を洗い出す

  2. 今回のケースでもっとも、自社の事業を適切に表現できる軸を決める

という順番で実施します。

また、セグメンテーションの軸は1つに絞る必要はなく、複数用意しておくと良いです。

複数の軸を想定しておくことで、縦横の2軸マトリックスで分析することも可能になります。

2軸マトリックスの例

また、よくあるセグメンテーションには、以下があります。

軸に関しては、地理的特性(地域)、人口統計(年齢、性別、職業、学歴等)、心理特性(ライフスタイル、価値観、好きなジャンル等)、行動特性(利用頻度、ロイヤリティ等)などがあります。

特に心理特性や行動特性は、その事業や調べたいことに適した軸を設定することが大切です。

これらのセグメンテーションを活用を検討しつつ、その事業分析にベストな他の指標が本当に無いかを考えると良いと思います。

インターネットアンケートの設問と選択肢を設計する際は、決定したセグメンテーションが判別できるように作成します。

4,自社のシェアについて

次にSOMを計算するための自社のシェアの調べ方についてです。

自社のシェアに関しては、状況に応じて、様々な調査方法があります。

自社の既存の商材がある場合は、使用しているブランドを確認する質問をします。

自社の既存の商材が無く、新規参入する場合は、”乗り換え意向”を確認します。

乗り換え意向を問う場合は、参入予定商材の差別化要素を訴求した上で、「このような商品が発売された場合、今使っている商品から乗り換えたいですか?」と問います。

例えば、有名IPを利用したゲームのシェアを調べたい場合は、
「ドラゴンボール(例)のキャラクターが登場する、RPGゲームがリリースされたら、既存のゲームから乗り換えたいと思いますか?」

複数人で協力して遊ぶカードゲームの想定シェアを調べたい場合は、
「対戦ではなく、複数人で協力して遊ぶカードゲームがあれば、遊んでみたいですか?」

コンセプトが明確なのであれば、質問は具体的な程、回答者がイメージを持って答えられるようになります。

また、コンセプトアートなどを制作している場合は、コンセプトアートをインターネットアンケートに添付し、画像をみて、回答してもらうことも可能です。

5.集計結果

以上のアンケートを実施し、市場規模推計を行った例が以下になります。

商品ジャンル毎に、TAM/SAM/SOMを計算し、どのジャンルに参入するのが最もポテンシャルが高いかを分析した例です。

アンケートを集計


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