『ユニクロ』と探索
ユニクロの創業から現在までの発展を描いた『ユニクロ』という本を読みました。
この本を読むと、ユニクロの柳井さんが宇部の田舎にある個人商店から、どのようにグローバル企業を起こしたのかがよく分かります。
柳井さん自身がとても読書家で、様々な理論を勉強する中で経営をされているので、この本で学べることは再現性がとても高いのでは、と思っています。
イノベーションと探索
経営学の理論に、知の探索と深化(Exploration & Exploitaiton)があります。
この理論は、経営活動を2つに分類します。
イノベーションの芽を見つけるための「知の探索」
その芽をビジネスとして成立させ、収益化するための「知の深化」
イノベーションや新規事業において、特に重要なのが「知の探索」です。
人は自分の認知の範囲内でしかモノを考えることができず、イノベーティブな発想をする為には外に出て新しい知を獲得しなければならないということです。
ユニクロと柳井さんの行動を観ると、この知の探索と知の深化を上手く実践していることが分かります。
ユニクロの変遷
ユニクロは、柳井さんがお父さんが創業した宇部の紳士服専門店を引き継いだことから始まります。
最初の10年ぐらいは、地方の個人店で泣かず飛ばずの状態でしたが、柳井さんが外部で見つけてた様々なアイデア(知)を取り入れることで大きく躍進していきます。
1つ目がアメリカのスーパーを見て思いついたらと言われる、「カジュアルウエアの倉庫」をコンセプトとしたお店の展開。
2つ目が当時の地方都市のモータリゼーションの拡大を活かしたロードサイド店の成功。
3つ目が、香港でたまたま質が高く安い服を見つけたことから始まったSPAというビジネスモデル。
これら、宇部という田舎町から海外を含め、外の世界に答えを探し続けて、ユニクロの基礎が作られた。
知の深化
SAPとカジュアルウェアの「ユニクロ」という勝ちパターンを見つけてからは、逆に「知の深化」を進める。
ユニクロにとっては、店舗オペレーションの改善、国外展開、ITシステムの近代化などがそれに当たる。
書籍『ユニクロ』では、前半が柳井さんによる「知の探索」の物語、後半はユニクロ経営層や社員を含めた「知の深化」の物語となっている。
大切なことは、知の探索と深化には、順序あるということで、
まずは、一人や少人数で、知の探索を行う。
そこで、見つかったイノベーションの種を、組織で深化していく、ということである。
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