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認知症の「帰りたい」は結局何処なんだろう?

日々認知症ケアを行っている家族、介護士、看護師達なら耳にタコが出来る程聞くセリフが「帰りたい」という言葉ではないでしょうか。

施設や病院で「帰りたい」と言えば、その人が住む家の事だと思います。しかし、ご家族様が家でケアをしていたとしても、「帰りたい」と言う場面も多くあります。では認知症の方々は何処に帰りたいのでしょうか。


私は以前、とある研修に参加しました。その際に、福祉分野において様々な活動を行う講師の方がこの話をしていました。

先生曰く、その人によって帰りたい場所は異なり、必ずしも今の家とは限らないということです。

もしかすると、昔住んでいた家の事かもしれないし、生まれ故郷の家かもしれないし、もっと宗教的なエデンと呼ばれる空想の場所かもしれないという話でした。

かなり興味深い話だと思いました。認知症の特徴の一つとしてある、記憶が過去に遡っていくことを考えると、その人が「帰りたい」という場所が一体どの時代の話なのかということが分かれば、どういった対応が必要なのか分かってきます。

また単純にその場にいたくないから「帰りたい」と言っているのかもしれません。我々も月曜日仕事で会社に出勤した直後に「帰りたい」と思うことがある様に、何かしらの原因で、その場に居たくないという心情もあるのかもしれません。

様々な理由があるということが分かれば、もっと適切なケアが提供出来るのかもしれないと思った内容でした。

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