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仄暗い欲望

仕事終わり帰宅中、気分が高揚していた 他の人と比べて褒められて嬉しかったからだ また自分の悪い部分が出ているよと苦笑いをした 不倫や誹謗中傷を扱うワイドショーをみると、怒りや悲しみとも違う、なんとも言えない感情が押し寄せる コメンテーターは不倫をした人を、根っこが腐っていると断言した どうしても自分には、悪いことをしてしまった人が、自分と距離の遠い人だとは思えない 自分は、少し人より頑張れただけで、少し人より褒められたりしただけで、嬉しくて気持ちが高揚する そんなとき、高

    • カフカ 『異物』

      「若い後輩にとって俺って怖いかな」 職場の同僚にふと聞いてみた。 眼鏡屋さんで働いていたときから、新卒という対象が毎年周囲にいる。 最初は自分が10代の頃だったので新卒が年上、 今や新卒が干支一回り以上年下となっている。 そんな若いスタッフと対話をする際に相手からの強めの緊張を感じ取ることが増えた。 そりゃそうだ。 歳が10以上も離れている相手と仕事をするときは自分でも緊張する。 最近そんな緊張は恐怖感に見えなくもないなと思い始めた。 同僚は 「怖くはないと思います。

      • 偽物と本物

        バチェロレッテは前回の方が印象に残っています 萌子さんがある男性を脱落させたときのこと その男性を落とした理由が「ふざけんな」という言葉を軽く発したから どんなに取り繕っても自分に対してだとしても、余裕がなくなった時にこうした言葉が出る男性は信頼を置けないと 言葉は大切なものだから そうなんですよ萌子さん 自分も余裕がなくなるとすぐ「ふざけんなよ」出ます 電話を切った後「めんどくせ」とか吐き捨てたりします 言葉にはその人の育ちが出るって言いますよね 育ちってことは割とどう

        • 出勤小説

          うとうとしていた状態から目を覚まし、嫌な感覚を把握しながら目を上げる 日比谷線内の画面表示は茅場町に着いたことを示していた 最寄りの東銀座ではなく少し安堵したが、東銀座まで数駅である状態であることからは逃げられない ワイヤレスイヤフォンから流れるタイムフリーの芸人の深夜ラジオはフリートークからコーナーに変わっていた 意識がとぶ前に聴いていたフリートークの位置まで再生を戻そうとするも、ドラッグしすぎてかなり前まで戻してしまった 面倒だったのでそのまま聴いた、嫌悪感は大きくなるば

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        仄暗い欲望

          じぶんじぶんじぶんじぶん

          仕事中に余裕がなくなることはありますか 自分はよくあります 人より余裕がなくなるハードルが低い気がします 余裕がなくなると、 言葉が悪くなります ふざけんなよ、なんなんだよ、とか平気で言い出します 冷たい人になります 脳がショートし外からの視線を意識できなくなります 「自分」のことだけ考え続けます このままだと誰かに怒られる このままだと誰かに嫌われる 誰かは誰なのか自分でもわかりません 実際そんなに怒られたり嫌われたりしません 私はいつも何と戦っているのでしょう

          じぶんじぶんじぶんじぶん

          この人生のうちに

          白が基調の部屋に、大きなプラスチックボードがカウンセラーと自分が座る椅子との間に鎮座している カウンセラーはおそらく10歳ほど年上で、ベリーショートの小柄な女性だ はじめましてとお互い丁寧に挨拶をして、質問がはじまった ******* カウンセリングに通い出した 以前お世話になっていた心療内科はカウンセリングルームも併設している 久しぶりに話をした先生に相談し、担当者を紹介していただいた 50分8,000円 高い気がする、8,000円家賃に乗せれば、もっといいところに住め

          この人生のうちに

          ゆれる

          サンマ定食を頼んで、一息つき、ソファの背もたれに寄りかかった ふと顔を上げて気がつく 「しまった。店選びしくった」 注文の品がなかなかこないのか、客皆がイライラしていた フロアをワンオペしている店員さんは明らかに動揺していた この定食屋、回っていない 注文前ならしれっと退店できたが、いまはもう遅い この空気に耐えるしかない 心が負の方向に揺れるのをみるのが苦手だ 高校時代の嫌いな科目は化学だった 化学が嫌だったのではない 化学の先生がどのタイミングで怒るかわからないタイプ

          ゆれる

          鳥栖-横浜FM 慣れないバランスか、貫く自分か

          何度かみせるレオセアラの気合のポストプレーのみが糸口だった前半 前半に一度そのポストから右サイドに展開した際に松原健がインサイド寄りにポジションをとっていた。 相手が近いスペースで受けたマツケンはすぐに奪われ、広大な右のスペースを使われてピンチに至った。 DAZNのハイライトをみてほしい。前半のマリノスのシーンはゴールのみ。 ほとんどが鳥栖のチャンスでほとんどがマツケンの裏の右サイドを破られたものだ。 と同時に、後半も含めゴールシーンのほとんどにマツケンが絡んでいる。

          鳥栖-横浜FM 慣れないバランスか、貫く自分か

          横浜FM-仙台 承認欲求は止まらない

          試合のハイライトをみていて気がつく エウベルの完璧グラウンダークロスを前田大然がえげつないシュートミスで外した決定機が入っていない 拮抗した試合であれば必ず入り、勝負の分かれ目にもなりえるレベルのシーンが、 ハイライトに入ってこないことからも、いまのマリノスの充実さがわかる あんなに活躍した選手が60分に交代ボード掲げられても 一切ふてくされることなく次の攻撃のためにダッシュで交代して ベンチでも笑顔で応援って普通のコトなのか 前線のプレスに全体が呼応して奪いきって攻撃

          横浜FM-仙台 承認欲求は止まらない

          グレー

          人生のターニングポイントかあ 去年の5月、コロナのロックダウンのときかな。 あのとき浮いた時間で得た自己理解で人生が加速した感覚があるわ。 数年後に気がつけたであろう自己認識を、ショートカットで気づけた感覚。 他者の中でしか生きていなかった自分や 自分の好きすらもわかっていなかったことに気づけて 美味しいものを食べる喜びや、天気がいいときの開放感をそこから知ったわ。 いままでの人生を一枚の写真にしたら、そこに急に色が入った感覚かな。 コロナ禍は自分の中ではあってよかっ

          グレー

          mihimaru GT

          今日は気分がいい。こんな日が続けばいいのにと思う。 気分が良ければ、なんだってできる気がする。無敵感は生きやすさの源だし。 でもこんな日は続かない。 すぐに憂鬱はくるし、上がり下がりと付き合っていくのが人生だと思う。 けど、よく考えると、昨日めちゃくちゃ早く寝たことと、今日がめちゃくちゃいい天気であるとこに気がつく。 俺の気分の良さの要因、これじゃね。 絶対的にみえる気分の良さは相対的だったことに気がつく。 そんなもんなんだよ。上機嫌は作れる。内側ではなく外側なんだよ。

          mihimaru GT

          お茶

          数日ぶりに実家のインターフォンをならす。 でてきた母が俺の手元をみて悔しそうに言った。 「あー、ごめん。お茶買ってたの伝えてなかった」 奥から妹の声も聞こえてきた。 「あー、そうだわ、ごめん」 たしかに自分が持っていたのはペットボトルのお茶だった。 普段自分が基本お茶しか飲まないことを家族は知っている。 自分が甥っ子に会いに実家に向かうことを伝えるといつも、お茶がないから買ってきて、か、お茶今日あるよの言葉が家族LINEに並ぶ。 別に普段あまり飲まないだけで水も飲めるしな

          事実があるだけ

          西日暮里から乗り込んだ中途半端な時間帯の山手線は、空いた席の方が多い。 余裕を持って本が読めたが、平日・山手線の混み合うイメージからのギャップからか、活字に脳が追いつかない。 そもそもおそらく大崎まではこの行き方が最短であると思うが、確かめる手段となるスマホは自宅に置いてきた。 Twitterやラジオに逃げられず、手持ち無沙汰で所在なさげな心ととも山手線は進んだ。 大崎駅に着いた。想像と違い、ホームに降りても改札を出ても、あのときの記憶はフラッシュバックしてこない。 少し歩

          事実があるだけ

          導く覚悟を

          職場で、判断を求められることが増えた。 対個人のお客様に対応する仕事なので、もっと喜んでいただくために何をすればいいか、怒っている方にどのように対応するか、想像し、考え、選択し、遂行までをしなければいけない。 Aの対応とBの対応どちらでいくか考えていたら、そもそもCの方がいいんじゃねと思ったりもする。 どれもうまくいきそうで、うまくいかない想定もできて、明確な正解は見つからず、言葉が出てこない。 決断し、旗を振る存在がいないと、周囲もどうすればいいのかわからず、全体が停滞

          導く覚悟を

          たりないふたり、むてきのさんにん

          『たりないふたり』で若林が言った。 「山ちゃんはいつも自分の話しかしないよね」 言われた山ちゃんはそこから心を閉ざしてしまって、番組は不穏なまま終わった。 自分を正当化するレトリックを探し続けるタイプの人との対話は少し苦しい。 どの対話も「自分」に寄っていくから。目の前の相手は自分をどう思わせてくれるかの対象物でしかない。 先日、数年ぶりに大学の友達同士3人で会ってご飯を食べた。 3人以上の会話ってこんなに楽しかったっけというレベルのあっという間に時が過ぎた。 ただいじり

          たりないふたり、むてきのさんにん

          不機嫌表明

          相手チームのメッシが、うちのチームのディフェンダーをぶち抜き、きれいなゴールを決めた。 決めたメッシは、集まってきた味方とともに喜びのパフォーマンスを行っている。 テレビ画面上で次のキックオフが始まるまでしばらく時間がかかった。 PS4のサッカーゲーム『ウイニングイレブン』にはゴール後のパフォーマンスタイムがあり、オンライン上の試合ではそれをすぐに飛ばすのが通例である。 しかし、この日の相手は飛ばさず、時間いっぱいまでメッシのゴールパフォーマンスを見せつけてきた。

          不機嫌表明