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さくまあきら総監督『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』

 ハロハロ、『桃太郎電鉄USA』の移植と『桃太郎電鉄7』の時にあったメカボンビーシステムの再実装を心待ちにしているryoです。最近平日は毎日noteを書くようにしているんですが、数日映画を観るのをサボった影響で題材がなくなりました。取り上げる作品として普段の毛色と変わるけど、Nintendo Switch専用ソフトとして発売した新作の『桃鉄』についてつらつらと書いてみようと思います。いつもよりも感想成分多めです。
 一つ、前置きをしておきます。「桃鉄」は小学生くらいのころから、家族や友達と非常にローカルな空間のみで長く細く遊んでいるので、ガッツリやり込んでいたりする人からは「ちげえよ」とか「こんなことも知らねえのかよ」と思われる内容があるかもしれない。あしからず。

 「コナミが版権に噛んでいるフランチャイズの新作は二度と生まれない」ゲームファンの多くが悲しみ(憎み)、諦めていた中でまさかの桃鉄新作の発売。ゲーム関連ニュースの中では近年1の驚きでした。コナミとさくまあきら氏の(長年の)確執が解消されたのか、はたまた別の理由があるのか、それはさておき新作が出るのは純粋にうれしいことです。さくま氏は御年68歳、Twitterで病気と戦っているとの情報もありました。いざ発売した新作をプレイし、「いいところも悪いところも相変わらずだなあ」と妙な感慨にふけってしまいました。個人的な本作の良いところ悪いところを以下に列挙します。

【良いところ】
・イラストテイストの変更はあるも、それを感じさせないほどに「いつもの桃鉄」であること。
・と同時に、物件のアップデートや「歴史上の偉人」を仲間にするシステムなど、わかりやすい(かつ嬉しい)パワーアップが多い。
・UIなどの便利さが(大幅な進化は無いとはいえ)着実に向上していること。
・オンライン対戦中の不意の切断から復帰できることや、数年遊ぶと決算演出をスキップできるなど、細かな部分も配慮できていること。

【悪いところ】
・自身で行えるルール変更の裁量がほぼない。時代はどんどんゲームを「自分でカスタムできるようにする」方向に進んでいると思う。にもかかわらず「貧乏神がいない」モードが削除されるなど、完全に逆行している。
・イベント発生が少なく短年数プレイで遊びの幅が狭い。
・シリーズ通しての「悪い部分」も現代アップデートされずそのままなこと。多々要素はあるが、一番は以下内容。
・キングボンビーを処理する手段が「人になすりつける」一択であることなど、相変わらず「負のストレス」=貧乏神をプレイヤー間でたらい回しにする不健全なゲームデザインであること。それを改善するどころか加速させる方向に舵を切る進化をしていること(『7』のメカボンビーのように自前で兵器を所有して対処できるシステムが欲しい)。

 とまあ、思ったより長く書いてしまった。
 好きが故に文句が長くなっている、と大目に見ていただきつつ更に続ける。さくまあきら氏の存在はシリーズのアイデンティティと言っても差し支えないものだとは思う。しかし同時に、大きく現代的アップデートをかける上での足枷にもなっているのではないかと愚考したりもする。『桃鉄』というコンテンツは正直もっと飛躍できると思うのだ。まずハッキリ言えることは、このタイプのゲームで「ルール設定におけるプレイヤーの裁量」が無さすぎるのは明確な問題だと思う。ここを好みの形にいじれないのは「俺が調整したバランスが最良だぞ」というクリエイター側の傲慢にも見える。
 この一作のみをもってコナミの信用が戻るわけでは無いが、今後の『桃鉄』フランチャイズにも期待したいと思える一作出会ったことは間違いない。そして、文句をたらたら言っているけど、結局楽しんでいる。

 ありがとうさくまさん。人生100年時代。まだまだですよ。応援しています。

【一言コメント】
 萎える人が出ないゲームデザインにしたら大手を振って「最高で大好きなゲーム」と言えるんだけどなあ。

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