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観るものを魅了する圧倒的中二感! 中二病が恥ずかしくない社会<ヨコオタロウ脚本『舞台 少年ヨルハVer1.0』>

『舞台 少年ヨルハVer1.0』を観た。実はブルーレイを買っていたのだが、パッケージの封を破る前にAmazonPrimeVideoでの配信がはじまってしまった。結局円盤よりも見易い媒体であることが正義だなあと思ってしまう今日このごろ。いちオタクの端くれとして、所有欲は大切だと思うのだが。結局最近はKindleやダウンロードゲームをはじめとして、デジタルコンテンツでの購入が主体だ。デジタル化できるものはデジタル化し、場所コストを下げるためにコレクションの整理もしている。良い側面と寂しい側面、僕はその狭間で葛藤している。

こんなに中二病なのにカッコイイ!

大ヒットゲーム『NieR:Automata』の3年前の出来事が描かれた本作。正直、観る前は「ゲームだからダサくないのであって、現実でやったらただのコスプレになるよな」と思っていた(ごめんなさい)。しかし実際には、ゲーム上で表現されていたスタイリッシュ中二感を損なうことなく、現実世界(舞台)に見事に落とし込んでいた。特に衣装には力を入れているように感じた。全く安っぽさを感じない、むしろ「これが本物なんだ」と感じる。
そして『NieR』シリーズの大きな魅力である音楽が舞台演出でも光る。シナリオのここぞという時に流れる音楽が、安易に心に染みてしまう。

ヨコオ節炸裂の”美しい”シナリオ

『NeiR』シリーズといえばヨコオタロウ氏の描く美しい狂気のシナリオ、本作でもその魅力は健在だ。みんなも、世界も、どこか狂っていて、それでいて美しい。そんな不思議な光を放つ圧倒的バッドエンド(ハッピーエンドととることもできるが)。小難しい単語の並んだ設定と、飛び抜けた感性を持つキャラクターたちが、疾走感たっぷりの2時間を一瞬の時と感じさせてくれる。脚本がほしい。

昨年12月に上演した『舞台 少女ヨルハVer1.1a』は本作をベースに女性キャストによって再構築したものらしい。残念ながら観劇することが叶わなかったので、ブルーレイ化が楽しみだ。

一言コメント

あの服欲しい。

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