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「すべてはきっと、うまくいく!」そう思っていた、パキスタン。

2019年4月 パキスタン・イスラマバード

「すべてはきっと、うまくいく!」

昨日の今頃はそう思っていた、僕の平成最後の旅。


2019年、ゴールデンウィーク。

平成最後の旅。

行ったことない国へ行き、見たことない世界を見たい。そう思って、行くと決めたのが、パキスタンでした。

インドの隣にあって、元々はインドと同じ国だったのに、今はインドととても仲が悪い国。情勢が不安定な事もあって、地球の歩き方も2007-2008年版を最後に、更新が止まっている国。いわば、未知の国。

それ故、どこかでずっと惹かれていた国でした。

だからこそ、平成最後の旅先として、僕にとってはふさわしい国。そう思い、今年の1月に渡航を決めました。

航空券を購入し、入国のための観光ビザも大使館で申請。(ビザの料金はなんと100円!安っ!)2月初めには渡航準備が完了。未知の国故に、早々に準備を整えます。


しかし、パキスタンの情勢は急変します。

2月14日、インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で、インドの治安部隊を乗せたバスを狙った乗用車による自爆攻撃があり、同部隊の隊員44人が死亡する事件が起きたのです。その攻撃後、パキスタンを拠点とするイスラム過激派ジェイシモハメドが犯行声明を出しました。

また、それに報復する形で、今度はインド政府が、2月26日、インド軍がパキスタン領内の過激派拠点を空爆し、攻撃を準備していた戦闘員を殺害したと発表しました。

これにより、両国間の緊張は一気に高まります。

もちろん渡航を見直しましたが、まだ渡航まで時間もあったので、情勢を見守ることに。


2月、3月、そして4月。月日は流れます。

チケットを予約した旅行代理店からは、別のフライトのスケジュール変更の連絡などは来ますが、欠航の連絡は来ません。世界を伝えるニュースからも、インドとパキスタンのニュースはほとんど聞こえてこなくなりました。外務省の危険情報を見ても、追加情報はありません。危険な地域さえ行かなければ、渡航できそう。

渡航1週間前、僕は正式に、パキスタン行きを決めました。


そして、4月23日(火)。渡航の日。

「すべてはきっと、うまくいく!」

そう思って、仕事終わりに羽田空港へ向かい、まずは23:45発のエアアジアXに乗り、一つ目の経由地、マレーシア・クアラルンプールへ向かいました。

飛行機は遅延もなく、出国。7時間10分のフライトを、ほぼ睡眠で終え、クアラルンプールに到着しました。クアラルンプールでは、半日のトランジットです。

朝ごはんを食べ、足早にモスクやペトロナスツインタワーなどの名所をめぐり、そしてまた空港へ。いよいよ、パキスタンへ向かうため、タイ・バンコク経由パキスタン・イスラマバード行きのフライトにチェックインします。


搭乗開始時刻の2時間半前に、クアラルンプール国際空港に着きました。

着いたら、タイ国際航空のチェックインカウンターへ。乗り継ぎもあるので、バックパックを預けて、バンコク行きのチケットとバンコクからイスラマバード行きのチケットを発券してもらうことに。


チェックインカウンターのお兄さんに、パスポートを渡し、行き先を伝えます。最初は笑顔だったお兄さんの表情が、だんだん険しくなっています。

そして、お兄さんは眉間に皺を寄せたまま、顔を上げて、僕を見て、こう言ってきました。

そこで、衝撃の事実を知ることになります。


「イスラマバード行きの飛行機はすべてキャンセルになったよ」


え、え、えええええ!

旅行代理店からはそのような連絡はなく、eチケットにも、ちゃんとイスラマバード行きのフライトが印字されています。しかし、インドとの情勢悪化によって、フライトはすべてキャンセルになったとのこと。

さらに聞くと、


「イスラマバードだけじゃなく、ラホール行きの飛行機もすべてキャンセル。再開の目処はたっていない。パキスタンで行けるとしたら、カラチだけ」


えええええ!

一応、パキスタン・カラチ行きの飛行機に変更できないかと聞くと、旅行代理店に問い合わせてください、と言われ、旅行代理店に問い合わせます。

しかし、旅行代理店でも変更できないとのこと。まさかの、パキスタンに入国できないことが、マレーシア・クアラルンプールで確定。完全に詰みました。 まだ、平成最後の旅は、僕の中では始まってすらいないのに!


そして僕を待ち受けていたトラブルは、それだけではありませんでした。

この緊急事態に、さらに衝撃の事実を知ってしまいます。


パキスタンからは、陸路でインドに入国し、そのあとは国内線の飛行機でインドを旅して、さらにネパール・カトマンズに行く予定でした。

今後の行程について、旅行代理店と会話して気がついたのですが、インド国内とインドからネパール・カトマンズへ行く飛行機は、インドの航空会社・ジェットエアウェイズという航空会社を利用する予定でした。

しかし、全く想像していなかったことが起こっていました。


まさかの、ジェットエアウェイズが、4/17に「業務停止」になってたのです。


そのため、ジェットエアウェイズのフライトは、当然全便キャンセル。この件はメールでお知らせが届いていたそうなのですが、完全に見落としており、今日の今日まで気がつきませんでした。

パキスタンに入国できなったため、インドへも入国できなくなっただけでなく、インドから出国する飛行機すらキャンセルになり、ネパールへも入国ができなくなっていたのです。


自分でも整理がつかないので、ここで一旦、マレーシアのクアラルンプールで知った衝撃の事実をまとめると、

①タイからパキスタン行きのフライトがキャンセル。(代替便なし)
②パキスタンからインドへは陸路で入国予定だったため、パキスタンに入国できない僕は、インドへも入国ができない。
③インドからネパール行きのフライトまでキャンセル。別で航空券を手配してインドに入国したとしても、今度はインドを出国する航空券がない。

つまり、パキスタン、インド、ネパール、これから行こうとしていた3カ国すべての、入国チケットがない状態になってしまったのです。

脳の処理能力では一度に捌ききれない量の難問が、僕のところに一気に押し寄せます。


とはいえ、迫る、バンコク行きの飛行機の出発時刻。この時点で搭乗開始時刻まで、残り1時間15分。

搭乗開始時刻の1時間前にはチェックインしないと、チェックインカウンターが閉まってしまい、バンコクへすら行けなくなります。しかし、今ここで、天才的なアイディアを閃きそうにもありません。


搭乗開始時刻 1時間10分前。

決断を迫られた僕。

悩んでも答えはすぐには出ないと悟った僕は、とりあえずクアラルンプールからバンコクまで行って、そこで改めて考え直すことにしました。


そして、眉間に皺を寄せたお兄さんのもとへ向かい、なんとかギリギリでチェックイン。そこからは駆け足で出国審査、手荷物検査を行い、搭乗ゲートへ。

なんとかギリギリで搭乗に間に合うことができました。


そして今、僕は、クアラルンプールからバンコクへ向かう飛行機の中で、この文章を書いています。着いたらどうすれば良いのか、まったく妙案が浮かばないまま。


でも、見方を変えれば、これは神様がパキスタンへ行って危険な目に遭うことから、僕の身を守ってくれたのかもしれません。

また、家を出るときに、偶然にも、何を思ったのか家に余っていたタイ・バーツをカバンに突っ込んでいました。(トランジット時に使おうとしたのでしょうか)そう思うと、もはや僕がタイへ行くのは、偶然ではなく、必然だったのかもしれません。

そう思ったら、前向きになってきて、このトラブルすら、楽しめてきました。日本じゃ、絶対にできないアクティビティです(笑)


とりあえず、機内に乗り込む直前にバンコクのホテルだけは押さえたので、バンコクに着いても路頭に迷うことはなくなりました。バンコクで明日1日ゆっくり考えて、僕の平成最後の旅の目的地を決め直したいと思います。


今回のトラブルで学んだことは、政情が不安定な国へ行く際は、旅行代理店に任せっぱなしにせず、自ら、最新情報を調べることが必要だということ。

日本にいるだけでは知ることがない情報もあったりしたので、政情が不安定な国こそ情報集めが大切さだと、改めて認識させられた、旅の始まりでした。


▼バンコク・スワンナプーム国際空港にて


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リーマントラベラー・東松 寛文

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1987年岐阜県生まれ/平日は広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅する“リーマントラベラー”/70カ国159都市に渡航/『地球の歩き方』から”旅のプロ”に選ばれる/著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』『休み方改革』など/YouTube公式チャンネル更新中