院内発熱の【6,7,8,9】D

感染性の入院発熱 top5 は以下の通り。
①尿路感染症
②肺炎(高齢者では特に誤嚥性肺炎)
③手術部位感染(SSI)
④カテーテル関連血流感染症
⑤CDI

また、特に見逃されやすいものとして、7Dとして覚える。
書籍によっては6Dや8Dとしてまとめられていることも多い。
・Drug
・Device
・CDI
・CPPD(※痛風も鑑別に入れる):偽痛風の頻度は高い!
・DVT:DVT、PE
・Decubitus「デクビ」
・Debris:胆嚢炎、胆管炎
・Deep abscess/hematoma:深部膿瘍、血腫

実際にはCOVID-19もかなり大事である。
なぜならばそもそもコロナ検査を思いつかない場合があるから。
散々熱源精査してコロナだけやってなった、というケースがあり、noteにした。検査閾値は低く設定したい。

coviDを入れて、あえて9Dとする。

<院内患者の発熱一般論>
鑑別が限られ、非感染性の原因も多いのが特徴(院内発生の不明熱の50%以上は感染症、25%が非感染症、20%が原因不明)。発熱直後に診察するため臓器特異的所見に乏しい場合が多い。
診察としては聴診、CVA叩打痛±直腸診、肝叩打痛、創部観察を忘れない。
検査としては「血液検査・培養、尿検査・尿培養、胸部X線」は必須。
必要に応じて痰・創部培養、CDトキシン・抗原、腹部エコー。
また前述の通り、コロナ検査もかなり重要。

7D、以外の考え方としては
「原疾患に関する発熱」「入院後の処置・処方に関連する発熱」「偶発的」の3つの観点から整理するやり方、「非感染性/感染性」で分けるやり方などがある。
また、4(肺炎、UTI、肝胆道系感染症、創部感染)+6D(device,drug,diffiicile,decubitus,DVT,cppD)=10個、という覚え方もある。

要するにアプローチはともかくとして、鑑別リストを電子媒体に保存しておいて、診察する前に確認するのが一番大事と思われる。

<術後発熱の原因は5W>
・wind(肺炎)
・water(尿路感染)
・wound(創部感染)
・walking(肺塞栓)
・wonder drug(薬剤熱)
……という覚え方もあるらしいが、walking以外は実に覚えにくい。


<参考文献>
内科レジデントの鉄則
流れがわかる!感染症診療の歩きかた
当直コールの対応、おまかせください!
内科診療ことはじめ
入院患者管理パーフェクト
国家試験後の臨床
総合内科ただいま診断中!
デキレジ1
ヤバレジ2

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