一橋問題(19)マンキューソ准教授を擁護するハラスメント対策委(1)採用されなかった学生6名分の被害証言資料を初公開

「バカチョン」や「グーク」などと深刻な差別・ハラスメントを長年繰り返してきたマンキューソ准教授の問題で、非常に重要な記事が出ました。

ぜひお読みください。

大変丁寧に取材していただきましたが、重要なのは記事の着目点。マンキューソ准教授よりも、彼を完全に擁護している一橋大学のハラスメント対策委員会の問題に焦点を当て、たいへん客観的に問題点をあぶり出しています。

一橋大学ハラスメント対策委員会は信用できないのか?

前回の私の記事を読んで、こう思った人もいるはずです。(下記の)「この通知は一橋大学がマンキューソ准教授の差別を調査するので協力を依頼するものではないか」と。

じつは一橋大学ハラスメント対策委員会から、それを示唆する連絡は別途届きました(この点については改めて書きます)。

しかし私は残念ながら、全く一橋大学のハラスメント対策委員会を信用することができません。2年半もマンキューソ准教授を擁護し、被害学生である私にセカンドハラスメントを続けてきた委員会です。たとえいまになって急にマンキューソ准教授の差別を調査するといったとしても、どうせマンキューソ准教授の言い分を認め、解雇を回避するために形式的調査をするだけではないかという疑念をぬぐえません。

一橋大学がすべきこと

もしも本気で問題に対処する気があるのなら、冒頭記事にある通り私が少なくとも2017年2月から繰り返し訴えて来た要求を真摯に考慮すべきです。ハラスメント対策委員会は信用できないのでもはや解体する以外にありえません。下記キャンペーンの特に3番目の要求、私と学長他責任ある大学の担当者が面談し問題解決を図るという要求を受け入れるべきです。

要求内容
 私たちは、すべての学生と職員にとって安全で公正な環境をつくることを一橋大学に求めます。

1、重大な差別を繰り返してきたマンキューソ准教授を即刻解雇してください。
2、第三者委員会を立ち上げ、以下の再発防止策を講じてください。大学の対応が強い批判を受けてきた過去の重大な事件(2015年のアウティング自死事件、2017年の百田尚樹講演会事件、マンキューソ准教授による他の人権侵害行為、その他一橋大学ハラスメント委員会の過去の対応)について再検証を行ってください。
その検証の結果に基づいて実効的な差別禁止ルールを制定してください。
3、私たちはマンキューソ氏の差別について何度も一橋大学に対処を要請しましたが大学は話し合いすらしようとはしません。差別のない教育環境実現のために学生と執行部が話し合う機会を設けてください。

一橋大学ハラスメント対策委員会はセカンドハラスメントの温床である

冒頭の現代ビジネス記事にもある通り、ハラスメント対策委員会はわたしがマンキューソ准教授を訴えて以来2年半ものあいだ、形式的にも全く公平性を欠く対応をし続けており、露骨にマンキューソ准教授を擁護し、被害学生である私を二次被害に遭わせ続けています。

このような被害に遭っているのはなにも私だけではありません。ほかの学生・卒業生もみんなセカンドハラスメント被害に遭っているので、もうハラスメントが起きてもみんな一橋大学では副学長が2名も入っているハラスメント対策委員会には行くこともなくなっています。

今後何回かにわけて、一橋大学ハラスメント対策委員会が2年半ものあいだ、いかに二次加害の場となり、マンキューソ准教授の差別を助長してきたかを書いていきます。

一橋大学ハラスメント対策委員会が採用しなかった2016年12月14日ARIC襲撃事件時に被害に遭った私以外の学生6名の被害証言資料(初公開)

ハラスメント対策委員会の問題は多岐にわたります。

今回はまずはじめに、冒頭記事で言及されている次の点にかかわる資料を初公開します。次の箇所です。

 梁さんは2017年2月に大学のハラスメント対策委員会に、准教授から誹謗中傷と差別的な発言を受けたと申し立てた。しかし、この際の一橋大の対策は不誠実なものだったと、梁さんは振り返る。梁さん側は証人を立てて証言を聞いてもらえる制度があることを知らされなかったのだ。
 梁さんは自身の判断で6名分の証言を文書で提出したが、4ヶ月後の同年6月には、対策委員会が「これ以上調査できない」という理由で、差別発言は「事実確認ができなかった」と結論づけた。大学の最終的な判断から考えると、梁さん側の証言は採用されなかった可能性が高い

じっさいに採用されませんでした(しかもそのことを加害教員のマンキューソ准教授がツイッターで暴露しているのですが、その問題については改めて書きます)。

では、2016年12月14日のARIC襲撃事件時に被害に遭った学生のうち6名の被害証言です。これらは全て2017年2月1日に一橋大学ハラスメント対策委員会と学長宛てに文書で提出しています。もちろん私にはなんの連絡もありません。

※2016年12月14日ARIC襲撃事件について詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。

2017年2月1日に一橋大学ハラスメント対策委員会と学長宛てに提出した「【証言】学生が受けた被害」

KS(首都大学東京都市教養学部・人文社会系1年)

2017年1月16日
首都大学東京
都市教養学部・人文社会系
1年
 今回の事件について、私がその場・その後に感じたことを述べます。
 12月14日、イベントが始まる数分前、準備が順調に進み良いスタートを切ると思っていた途端、見たことのない白人男性が急に教室の扉を開け、彼はとても怒っていて、激しい口調で英語を喋りながら入ってきました。イベントの他のスタッフが止めにかかりましたが、その後ろの私たちに攻撃的な目で睨み、指をさしながら大声で怒鳴っていました。その場で、彼は私に罵声を浴びせ続けた上にこのまま勢いで攻撃して来るような恐怖と不快感を感じ、また、それ以上に、イベントに来ようとしている学生たちが、彼が教室の前で怒り散らしているのを見て、引き返すかもしれないということに対して不安を感じました。
 イベントのスタッフに対処してもらい、彼は姿を消しましたが、イベントの教室の雰囲気が甚だ険悪になっていました。さらに妨害者が来るのを防ぐため、教室内で用事のあるスタッフまで警備人員に動員しました。その後、再びイベントの最中に彼は仲間を連れ込んで来るのか、凶器を持ってきて襲って来るのか、イベントを中断させに来るのかなどを考えて気がかりになってしまい、集中してイベント自体を運営することができませんでした。
 イベント後の夜、次の日、またその数日の間、私はその場で起きたことについて考え続けて悩み、うまく眠ることができなく、仕事や勉強にうまく集中することができなくなりました。仮に彼をもっと怒らせたらどうなるのだろう、もしイベントが始まってから、学生がいる教室の中に急に入ってこられたらどうなったのだろうと考え続けました。そして、お互い何も恨みもないにもかかわらず一方的に罵倒されたこと、私に指をさしながら「You are the racist.(お前達はレイシストだ)」と侮辱されたこと、数日の間力を注いで準備していたイベントが台無しになったことなど、私は時間が経つにつれ冷静に思い出し、悔しくて悲しい思いがひしひしとこみ上げて来ました。
 私が一番愕然としたことは、彼は大学教員であることです。当日一緒にいたイベントスタッフから教えてもらいましたが、彼は大学の英語教員である事実ということを知って私は驚きを隠せることができませんでした。彼が私たちの学問的な活動に干渉してきたことは、学問の自由・大学の自治に反するものであります。また、彼は一方的に英語しか話さず、「あなたたちが英語を話さない限り、私はあなたたちと喋らない」という傲慢な構え方をしていました。彼が日本の大学で英語を教えている以上、必ず何かしらの形で日本語を使っているはずです(そもそも、彼は日本語のチラシを見てイベントに来ました)。にもかかわらず、彼は日本語をあえて話そうともせず、英語を上手く話せない私たちに大声で罵倒するということは、単に嫌がらせをしにきたことになります。イベントを運営していたスタッフ一同は彼に見下され、侮辱されました。私はそれを考えれば考えるほど、悔しい思いをしました。
 イベントが終わってから約一ヶ月たった今も、このことを思い出すたび、うまく寝れなかったり、ひどい時は頭が痛くなったりします。それに、今回の妨害から、今後もまたボランティアとしてイベントスタッフをやる際、あのような悪質な、人を傷つける妨害が起こりうると考えた時、私はこのような体験をもう二度としたくないため、ボランティア活動をやめようかと迷っています。
以上


XX(首都大学東京都市教養学部・人文社会系3年)

2017年12月26日
 
首都大学東京
都市教養学部都市教養学科哲学コース
3年

12月14日にARICが主催した研究会で突如生じた妨害事件において、私が受けた被害を以下に報告いたします。
2016年12月14日水曜日17時50分ごろ、今回の公開研究会の司会を務めることになっていた私は、参加者の集まり具合に不安を抱きながら、開始時刻までに残された数分が過ぎるのを今か今かと待っていたところでした。そんなときに会場の戸を開いたのが、John Mancuso准教授でした。もちろん当時は彼の素性を知りませんでした。面識がなかったのです。研究会自体は学生を対象に参加を呼び掛けていたので、はじめは留学生かと疑いました。ただし、その後すぐに、教員ではないかと考えを改めました。そして、たとえ教員であったとしても、関心の持ちようによっては参加を検討してみてもよいのではないかと考えた私は、取りあえず彼の素性を明らかにすべく彼に話しかけたのです。
ところが彼は名のるかわりに、英語で怒鳴り声をあげました。会場に集まっていたメンバーのことをにらみつけ、指をさしながら私たちを威嚇するような素振りをも見せました。そして彼の発言から、私が彼を見た瞬間に抱いた推測が外れていることに気が付いたのです。彼は、ARICの記事に載っているトランプの発言の「誤り」を指摘し、またARICの代表のことをヘイトスピーカー呼ばわりしました。まったく支離滅裂でした。彼の言っていることは言葉としては理解できましたが、咄嗟のことで文脈がよく分かりませんでした。当初分かったのは、彼が私たちのイベントを妨害しようとしており、私たちに敵意をむき出しにしているということだけでした。だから大変恐怖を覚え、身がすくむような思いをしましたが、このままでは会を始めることが出来ないし、新たな参加者が来たとしても、会場に入って来られないだろうから、取りあえず会場から出てもらい、そこで彼が誰であって、何のために何をしにここに来たのかを自分が聞かなくては、と自らを奮い立たせました。
そこで彼のもとへ行き、教室から出るように告げました。しかし案の定、彼は聞く耳を持ちませんでした。むしろ声を荒げる一方でした。放っておけば今にも殴り掛かってきそうであった彼を見て、少し荒くなったとしても教室外へ連れ出した方がよいと判断した私はまず、彼を出入り口まで誘導しようとして自分の手を彼の身体に軽く添えました。近づくことさえ恐ろしかったのですが、これはこちらの話を聞こうともせずただ怒声を浴びせ続けていた彼に対してとり得る最善の手段であったと思いました。しかしこのことが彼の逆鱗に触れてしまいます。「Don’t touch me」と怒鳴られてしまったのです。正直とても怖かったです。彼が話を聞かないからだと思いつつ、こちらは冷静を装い、彼を教室外に出す努力を続けました。おびえた様子を表に出すと彼が調子に乗るのではと思ったからです。彼は私たちを怯えさせて楽しんでいるに違いないと感じました。その後、やっとのことで彼を追い出すことに成功しましたが、そこまでの過程はよく覚えてはいません。殴られるかもしれないという恐怖と、どうにかして追い出さなくてはという焦りとによって、とにかく必死だったからでしょう。じっさい手は、汗でびっしょりであり、足の震えが止まりませんでした。
教室の外に出てもらった後は、そこで彼の話を整理しようとしました。そこではまだまともに話ができたと思います。もちろん、やはり彼の主張は一方的なものであったのですが、教室で喚いていた時よりは会話になったという意味です。相手の主張はやはり、ARICが書いた記事に記載されたトランプの発言が「誤り」であるということでした。ところが、証拠を示しませんでした。こちらとしては、どこに載っているどの部分が「誤り」であるのかを知りたかったのですが、彼はいろいろと理由を付けて証拠は出しませんでした。ましてや、こちらから日を改めて話をすることを持ち出したにもかかわらずその提案にも応じなかったのです。まったく会話をする気がなかったと言ってよいと思います。恐らく彼は、ドナルド・トランプ氏を指示しており、そのため、ドナルド・トランプ氏について否定的に記事が書かれたことについて腹を立てており、単なる嫌がらせのために会場に訪れ、研究会を妨害しようとしたのだと、その時合点がいきました。
そしてそうであるならば、次にやることは彼が一体何者であるのかを突き止めることでした。こちらから彼に名のるように問いました。しかし彼はまともに答えませんでした。彼が彼自身についてこちらに語ったことと言えば「I work for Donald Trump.」ということだけでした。アメリカ政府が雇った役人か、そうでなければ草の根のトランプ支持勢力であろうと察しました。これに対しては、背筋に鳥肌が立ったのを覚えています。まさか実際に、このような妨害が加えられるとは考えてもみなかったからです。とはいえたちが悪いのは、単にイベントを妨害しに来ただけでなく、ARIC代表の出自や旅券保持の有無をあげつらい、差別発言を連呼したことです。一方的に文句を垂れるだけでなく、差別的な発言までも繰り出す彼に大変憤りを覚えました。しかし怒りを通り越して恐怖が全身を支配していました。さらなる襲撃を予測したからです。結局、彼は名乗りませんでした。連絡先を尋ねても答えることなく、ただ一方的に去って行ったのです。
後日分かったことですが、このような態度をとった彼は准教授であり、しかも一橋で教鞭をとっていたのです。このことを聞いたときには驚愕しました。まさか私のはじめの推測があたっているとは、あの妨害後、一瞬たりとも思いをはせることはなかったからです。学生と教員との権力関係を考えた時、教員があのような振る舞いをすることが許されるはずはありません。あのような脅迫行為及び差別発言は、教員でなくでも問題でしょうけれども、しかし一橋の教員ともなれば、少なくとも一橋大学内においては、それ相応の処分が下されることが当然のことであると思います。当日の主催者側が被った妨害行為や参加者への加害・脅迫は甚大なものですが、単に、イベント参加者に精神的被害を加えただけではありません。学内自治や課外活動への侵害でもあります。また、一橋大学の大学院生であるARIC代表に対するアカデミック・ハラスメントにほかなりません。
あのような脅迫行為は、妨害行為があった後から会が無事終了するに至るまでの間中、司会であった私にさらなる襲撃の恐怖を抱かせました。当日は何とか明るく振舞おうと必死でした。そして今後は、ARICのメンバーとして活動していくにあたって、いつ、どこであのような襲撃に出くわすか分からないという恐怖を常に抱かざるを得ないだろうと思います。
しかしこの恐怖は、教員によってもたらされたのです。ですから、今後教員によって学生の活動が、あるいは学問の自由が弾圧されるという懸念がぬぐいきれません。私たちが言うことや為すことが100%正しいというつもりはありません。教員として私たちが見落としているミスを指摘してくださるのであれば、私たちはそれを快く受け入れ、吟味を重ねるでしょう。今回の場合も、もし私たちに「誤り」があるのであれば、あるいは教授が私たちに意見をお持ちになっていたのであれば、互いに椅子に座って話ができる環境で意見交換をするべきであったでしょう。しかしあのような形で上から抑え付けんがごとく頭ごなしに「誤り」し指摘し、さらに学生に対して脅迫じみたことをするのは専ら教員がなすことではないと思います。この事件は、差別問題、およびアカハラ問題として考える必要があると思います。
この証言を書いている今、既に数週間ほど過ぎていますが、当時のことを思い出すだけで鳥肌が立ちます。あのような体験はもう二度としたくありません。
以上


SA(中央大学商学部4年)

2017年 1月18日
 中央大学
 商学部
 4年

 私は以前からレイシズム問題に関心があり、12/14のイベントに参加しました。以下はその時に起こった出来事についてと私が感じたことです。
 イベント開始時間よりも早く会場についていた私は、着席して資料を読んでいました。すると突然、男性が教室に入ってきて英語で怒鳴り始めました。怒鳴るだけではなく、指を指してきたり、顔を凝視してきたりもしました。男性は英語を話していたため何を言っているのか最初はほとんどわからなかったのですが、私は感覚的にこの男性が何をしたいのかは分かりました。男性が、自分たちを責め立ててイベントを妨害しようとしていることは誰から見ても明らかだったと思います。
 私は入り口のドアの近くに座っていたので男性との距離が最も近く、男性に何度も指をさされました。また、1mほどの距離にも関わらず大声をあげられたため大変恐怖を感じました。イベント会場に急に怒鳴り込んでくるという非常識な行動から、もしかしたら殴られるかもしれないとも思いました。
 男性は、主催者によって外に連れて行かれましたが、私はその後もずっと混乱していました。イベントの最中も、またあの男性や他の人が怒鳴り込んで来るのではないかと不安になり、イベントにはほとんど集中できませんでした。
 日常で男性に怒鳴られるということがほとんどなかったので、今回の件で声の大きい男性が怖くなりました。こうしたイベントに関わるとまた同じような被害にあうのではないかと思い、今後こうしたイベントに関わることをやめようか悩んでいます。レイシズム問題にはずっと関心があり、もっと勉強したい、関わりたいという思いも強いのですが、今回のような件にまた遭遇してしまったらと思うと本当に怖いです。
 数日後にイベント関係者から、あの男性は一橋の教員だったと教えてもらいました。それを知って本当に驚愕しました。一橋の教員が人権問題に関するイベントを妨害したのかと思うと、男性から直接受けた恐怖以上のものを感じました。あのような教員から指導を受けている学生の方達が心配になりました。また、教員という立場にも関わらず、今回のような行動をすることに大変憤りを感じました。あの男性が一橋の教員をやっているのはおかしくないでしょうか。今もあの時のことを思い出すと恐怖を感じます。また、あの男性を許せないです。
以上

KS(東京大学文科三類1年)

2017年1月22日

東京大学
文科三類
一年

 この文章は、私がARICのイベントに参加した時に実際に体験した出来事の記録になります。当時の私は、ごく普通の大学のイベントであのような恐ろしい出来事が起こるとは全く想像しておらず、目の前の出来事にただただ恐怖を抱くばかりでした。今でも、こうして被害の申告をすることで自分の身が危険にさらされるのではないかと不安です。以下には、当時私が見聞きしたこと、感じたことをありのまま記述しました。
 ARICのイベント開始直前、部屋の中に巨体の白人男性が入って息を荒げていたのを見たとき、はじめは何を伝えたいのかわからず、イベントの開始に支障が出ないかどうかだけが不安でした。そして、その男性の話をよく聞いてみると、ARICのチラシを指差しながら「ここに書かれていることは間違っている」と言ったような内容を発していました。さらに話を聞いていると、「(チラシに載せられているドナルド・トランプの写真を指差しながら)彼はレイシストではない」といったようなような発言をしていることがわかりました。その瞬間、彼がドナルド・トランプを支持する差別主義者であり、今回のイベントの妨害をしに来たのだとわかりました。男が参加者やスタッフに対して指をさしたり、まさに暴力を振るわんばかりの勢いで怒鳴り散らしたりしているのを見て、私は恐怖を抱きました。このまま放っておいたらますます男の行動がエスカレートし、一体どのようなことをされるのかわからなかったからです。男が、スタッフが話し寄ってもなおそれを拒絶し、ずっと部屋の入り口で声を荒げているのを見て私は、自分たちに明確に敵意を持っている相手が自分のすぐ近くにいて、そのような人物がこちら側の話に対して全く聞く耳を持っていないということがこんなにも恐ろしいことなのかと実感しました。加えて相手が自分よりもはるかに身長の大きな男性であり、もしも暴力を振るわれたらひとたまりもないということにより、一層私は恐怖心を抱きました。イベントの開始の直前であったこともあり、私は男が早急に退場することをただ願うばかりでした。男がスタッフの説得によって外へ出た後も、「まだ男は大学から出て行っていないのではないか?」、「男が次に現れたときには、自分たちに対して本当に暴力を振るってくる可能性があるのではないか?」、「同様の考えを共有する男の仲間のような者がまだ他にも大学内に残っていて、今度は集団で襲いかかってくるのではないか?」といったような考えが頭から離れず、イベントが始まってからもずっと不安で、緊張した状態が続いていました。その日の夜は、妨害に来た男のような人間がいることによって今後ARICや自分の身がどのようになってしまうのか、また、自分はこれからどうすれば良いのかということばかりが気になってしまい、ほとんど眠りにつくことができませんでした。
 また、その日以来、「例の男に自分の顔を覚えられていて、一橋大学に行ったらまた同様のハラスメント行為を受けるようなことがあるかもしれない」、「大学内に他にも例の男のような考え方をする人間がいて、学生の活動が監視されているのかもしれない」などと考えてしまい、大学に行くのが辛いと思うようになってしまいました。また、道中で男に似たような人物を見かけるだけでも、「怒鳴り声を上げられはしないか」と思うことが止まらなくなり、そうするといつも鳥肌が立ってしまい、落ち着けない日々が続いていました。さらには、勉強をしている時に不意に男の顔を思い出すことがあり、その度に「レイシズムに関する勉強をしているだけでもレイシストによって狙われてしまうのではないか?」、「ARICに参加していたら、またどこか他の場所でイベントを行う際にも今回の件と同じように襲撃されるようなことが起こってしまうのではないか?」、「もしかしたらイベントの日にやってきた男よりももっと過激な思想の持ち主がいて、今度は誹謗中傷されるだけにとどまらず、暴力を振るわれてしまうようなことがあるかもしれない」といったようなことを考え、不安でたまらなくなり、勉強に集中することができなくなってしまいました。今回の事件によって、今後もARICに参加する際には今回のように凶悪な差別主義者によって襲撃される危険性が常につきまとっているのだということにとらわれるようになってしまい、「この先無事でいられるのだろうか?」といった考えが頭から離れなくなってしまいました。事件からしばらくたった現在でも、そのような不安が払拭されないままでおり、先行きが見えない状態が続いています。「差別問題について関わるだけでも差別主義者によって襲われてしまうのならば、もうこのようなことについて関心を持たない方が自分の身のためにも良いのではないか」という考えもした時がありました。
 妨害に来た男が一橋大学の教員であるということを知った時は、衝撃を受けました。差別主義者が大学で教員として力を持っているということによって、単に一教員だけではなく大学そのものが自分の学びたいことを否定する立場にいるように思われて、大学は学ぶ自由を認めてくれるような場所ではなく、自分はもうこれ以上差別の問題について勉強してはならないのだと突きつけられたような気がしました。また、「差別主義者が地位を持つ立場にいるような状況であるのならば、もしも本当に自分やその他の誰かが今回の事件のようにハラスメント行為、またはレイシズム被害を受け、それについて救いを求めて大学側に訴えても、誰も助けてはくれないのではないか」、「何かあっても、一人で抱え込まなくてはならないのだろうか」、「他の大学教員も例の男と同じような考えを持っていて、大学内で日常的にハラスメント行為が横行しているのではないか」ということを考えるようになってしまい、そういったことを考えていると、どうしようもなく不安になりました。
 事件から一ヶ月以上経過した後にARICのイベントがあったのですが、やはり事件のあった時の記憶が忘れられず、その時と同様に白人の男性が突然乱入してきて自分に対して脅迫をしてくるのではないかという不安がずっとつきまとっていました。現在もなお「事件の際に来た人間がまた来るのかもしれない」とか「トランプ支持者の集団がARICに目をつけていて、常にこちらの動向を伺っており、またいつか脅迫しにくるのではないか」と考えずにはいられず、精神をすり減らすような状態が続いています。
以上


OM(東京大学教養学部教養学科3年)

2017年1月19日
東京大学
教養学部教養学科
3年
  
 12月14日に一橋大学の東キャンパス国際研究館で行われたARIC主催のイベント「世界で台頭するポピュリズム/排外主義と日本」に私YYが参加したことによって、一橋大学の教員であるマンキューソー氏から受けた被害についてここに記します。
当日、私はイベントの準備のために17時からに会場となった国際研究館4階にいました。17時40分ごろ、国際研究館の外でイベント参加者の案内をするために、私はエレベーターを使って一階に降りました。その際、研究室から戻る途中のイベントの講演者である梁さんと一階ですれ違いましたが、ちょうどそのとき、マンキューソー氏が通りかかったのです。  
マンキューソー氏は、梁さんを見るなり、英語で「お前が今日の講演者か?」と何度も叫びかけました。丁寧な素振りなどは全く見えず、鬼気迫る表情で、こちらをにらみつけながら怒鳴ってきたので、私は怖くてその場で硬直してしまいました。単にイベントに参加しに来た人がいきなり講演者に向かって叫んでくるとは思えないし、なによりその雰囲気でマンキューソー氏が怒っていることが分かったので、なにが彼を怒らせたのだろうかと咄嗟に考えました。ARICでイベントを開催することが何かいけないことなのだろうか、自分はいけないことをしているのだろうか、と思うと、悲しくなりました。
また、見知らぬ巨躯の白人男性にいきなり高圧的にこられて、冷静に返答することなどできるはずもありませんでした。マンキューソー氏は梁さんを指さし続け、何かを叫んでいましたが、私は動転してしまっていて聞き取れませんでした。とにかく、私は、目の前の高圧的な白人男性におびえ、自分が何か悪いことをしてしまっているのかもしれないといったことを頭の中でぐるぐると考えて、どうすることもできず立ち尽くしていました。
 マンキューソー氏は梁さんに叫びかけた後、その場を去りましたが、私はあの白人男性にまた何か言われるかもしれないという不安のなか、国際館を出たところで参加者への案内を続けることになりました。
18時を過ぎたころだったと思います。マンキューソー氏が少し離れたところから私をものすごい形相でにらみつけていることに気づきました。
後で話を聞いてわかりましたが、マンキューソー氏がイベント会場に乗り込んだ帰りだったのだと思います。私は国際館の一階でマンキューソー氏が梁さんに大声で怒鳴っている場に居合わせており、そのことに不安を感じていたので、私の方を睨むマンキューソー氏に気づいたとき、マンキューソー氏が明らかにARICとイベントに敵意を向けているということに気づき、怖くて怖くてしかたありませんでした。その状況に耐えられず、私はそのとき持っていたイベントのビラを下ろしてみたり、目をそらしたりしましたが、マンキューソー氏はものすごい形相でこちらを睨んだままでした。あまりに敵意をむき出しにこっちをにらみ続けてくるので、私は殴られたり、蹴られたりするのではないかとすら思い、震えあがりました。
逃げなければいけない、そう感じました。相手は敵意をむき出しにしているし、何か暴力を振るわれたとしたら、私は相手が誰なのかわからないうえ、マンキューソー氏は自転車を押していたので、自転車で逃げられたら咄嗟に大声をあげても捕まらない、そんな状況でした。
しかし、夜18時過ぎであたりはすごく暗く、キャンパスの中心部からは外れていて人通りも少ない場所だったので、逃げようとしてもすぐに追いつかれてしまうかもしれないと思うと、その場から逃げることもできなくなってしまいました。どうしていいのかわからず、一歩も動けなくなってしまい、私は自分のなかで膨らんでいく恐怖心をなんとかおさえようと必死でした。大丈夫だ大丈夫だと自分に言い聞かせ、相手がすぐ立ち去ってくれることを祈りながら、私はおびえて立ちすくんでいました。
気づいたら、マンキューソー氏はいなくなっていました。ものすごく長い時間がたっていたように感じました。
しかし、また戻ってくるかもしれないと、おびえながら案内を続けることになりました。イベントが開始してからも、マンキューソー氏が戻ってきたときのために会場の外で待機しなければなりませんでした。そのため、私はイベントに参加することもできませんでしたが、それを残念に感じるよりも、恐怖に震え「とにかく戻ってこないでほしい」と願うばかりでした。
私は、自分は学生たちが世界の情勢について考えるよい機会になってほしい、という一心でイベントの運営に参加していたのですが、マンキューソー氏ににらみつけられ、自分のそうした思いが間違ったことなのかと思ってしまい、自分が否定されたような気がして辛くてしかたないです。しかも、私にはそれがなぜダメなことなのか、なぜにらまれなければいけないのか、全くわからないまま、知らない人に敵意を向けられる経験は、恐怖そのものでした。それは、これまでの人生で感じたことのない類のものでした。
 私はもともとシンポジウムや、イベントなどに積極的に参加する方でしたが、それからというものの、参加できなくなってしまっています。なぜなら、同じ恐怖を味わうことになるかもしれないと思うと、参加意欲がわかなくなってしまったからです。
また、自分の考え方が原因で敵意を向けられることがあると実感し、人に対して意見を言ったりすることも怖くなってしまいました。私は人と交流するのが好きなので留学生とも仲良くしていましたが、もしかすると彼らの中にもマンキューソー氏のように私に敵意を向けてくる人がいるかもしれないと思うと、うまく話せなくなってしまったのです。もちろん、彼らがみなマンキューソー氏のようであるわけではないはずだし、そんな疑念を抱くこと自体彼らに失礼なことではあると思うのですが、それでも私はあの日のことを思い返して怖くなってしまって、言葉に詰まってしまうようになりました。
特に、マンキューソー氏が一橋大学の教員だと聞いてから、私の恐怖はより一層強くなりました。なぜなら、大学というアカデミックな世界、それも一橋大学という優秀な大学の教員が、冷静に話し合って議論するのではなく、ただ高圧的に叫んできたり、睨んで威圧してきたりするということは、私が学問の世界で何かを主張したりしたときに、同じことを今後もされる可能性があるのだと感じてしまうからです。そのような状況で、自由に考え、発言することなど、私には怖くて到底できないことです。
大学のなかでも暗がりを歩くときに怖くなりました。14日に暗がりでマンキューソー氏に睨みつけられた時のことがフラッシュバックしてしまい、暗いところを歩くだけでも震えてしまいます。あの時、私はマンキューソー氏に危害を加えられるのではないかとすら感じました。あの敵意のまなざしを思い出すたびに、次はケガを負わされてしまうかもしれないと考えてしまいます。
こうして、何度も繰り返し思い出しては怖くなってしまって、最近はなかなか眠れなくなりました。私にとって居心地のよかったアカデミックの世界に、マンキューソー氏のような人がいて、地位のある立場にあるということを考えるだけで悲しくなりますし、自分が同じアカデミックの世界にいるということ思えば、この先やっていけるのだろうかと不安になって、眠れなくなってしまうのです。
これが、私がマンキューソー氏から受けた被害の一部始終です。どうか一刻も早い対応をよろしくお願いいたします。
以上 


ZZ(東京大学教養学部前期学期2年)

2017年1月18日

東京大学
教養学部前期課程
2年

 一橋大学において2016年12月14日に発生しました学生主催のイベントに大学教員が妨害を行なった事件について、私自身が場に居合わせた状況や被った被害についての報告をいたします。
 まず、イベント開始前に突如として男性がビラを手に会場教室内に入って来ました。ビラを私たちに見せつけ、「ここに書いているサイトを見たが、それは間違っている」ということを何やら言っているようでしたが、その口調は私たちを一人一人睨みつけ、怒鳴りつけるといった様子で、非常に恐怖を覚えました。また、入り口で怒鳴りつけるだけでなく、今にも一人一人に襲いかかって来そうでした。個人的にも直接睨みつけられ、怒鳴りつけられたことから尋常ならざる恐怖を感じたのはもちろんのこと、私はそのイベントの運営にも関わっていましたので、このイベントの開催そのものが行えなくなるのではないだろうかという不安にも襲われました。参加者の大学生もこのような様子を目にしたら、イベントへの参加をためらい、イベント自体が台無しになってしまうのではないか、という恐怖も感じました。実際に参加していた後輩の大学生は恐怖に怯えている様子が見て取れ、帰ってしまうのではないかと心配になったほどです。
 その男性は講演者(一橋大学院生)に「在留カードはどうした」「IDはあるのか」などというような言葉を投げつけ、人種差別発言、ヘイトスピーチを行いました。イベントの内容はトランプのアメリカ大統領当選を受けて世界のポピュリズム情勢や日本のヘイトスピーチ問題を考える、というものでしたが、その内容についても一方的に英語で「間違っている」とまくし立て、講演者の梁さんや私たちに対して、しまいには「お前たちがヘイトスピーチをしているんだ」と罵倒してきました。そのような人種差別発言を講演者や私たちに発してくることに恐怖を感じました。
 また、イベントが始まってからも、怒鳴り散らした声や睨みつけられた視線が頭の中から消えることはなく、集中して参加することはできませんでした。もう一度入って来て同じように怒鳴り散らすのではないか、今度は複数人で現れて殴りかかるなど暴力を振るわれるのではないか、という恐怖に襲われ続けました。実際に運営者として、再び男性やその仲間が現れる可能性があると思い、交代で会場付近に待機して警備せざるを得ず、イベントにきちんと参加することができませんでした。また、そのような警備を担当している時は、いつ現れるかわからず、現れたら真っ先に殴りつけられるのではないかという恐怖を常に感じ続けていました。
 その後イベント自体は終了したのですが、大学の外に出ようとした時にも、もしかしたら外で待ち構えていて襲撃してくるのではないか、といった恐怖も感じており、帰り道も周囲を常に確認しながら帰らなければならず、大学周辺で解散した後も自宅にたどり着くまでひとときも気が休まることはありませんでした。また、小さな教室内で怒鳴り散らしていましたので、教室中にその声は響き渡っており、耳が痛くなり、今でもその怒鳴り声を頻繁に思い出します。夜以前のようには寝付けないことがあるなど、普段の生活にも支障をきたしています。また、普段の生活の中で勉強していても、イベントの内容に関係するような文章が本に出て来たり、そのようなことをテレビで目にしたりした際、男性が怒鳴り込んで来た時の記憶が蘇り、震えに襲われます。私たちは男性に顔を見られていますので、もしかしたら男性やその仲間に街中でも襲われるのではないか、という不安にも苛まれています。というのも、私たちはARICの活動の中で世界のトランプ主義者が草の根の活動を広めていること、またレイシズムは時に暴力に転化しうることを学んでいたからです。歴史的にも、また現在の世界情勢的にもそのようなヘイトクライム、犯罪行為を恐れるのは当然でしょう。私は日本のヘイトスピーチなどの状況に問題意識を持ち、大学での勉学以外にもARICの活動に取り組んでおりますが、このまま続けていれば再び同じような、さらにはもっとひどい被害にあうのではないかという不安も覚えます。
 後日、怒鳴り散らした男性が一橋大学の教員だと知り、愕然とするとともに激しい憤りを感じました。私たちに堪え難いほどの苦痛を与えたことへの怒りはもちろんですが、大学教員が学生の課外活動を不当に妨害し、アカデミックハラスメントをはたらき、さらには学生に対してレイシズム発言、ヘイトスピーチを行ったことに驚愕しました。そのような行為に対して怒りを禁じ得ません。このようなことは決して許してはならないと思います。またそのような人物が教員を務めているという事実が一橋大学という有名大学の教員を務めていたことに驚愕するとともに、他の教員は大丈夫なのだろうか、という疑念を私たちに抱かせます。また、一橋大学にとどまらず他の大学は大丈夫なのだろうか、と言った疑いをも持たざるを得ません。そのような疑念を抱いたままでは、安心して勉学に集中し大学生活を送ることはできません。大学側には私たちの学生の被害実態を誠実に聞き入れるとともに、今後このような事態が二度と発生しないよう国立大学としての社会的立場を踏まえ、当事者の厳正な処分、並びにきちんとした再発防止策を示していただくことを切に願ってやみません。          以上

AY(早稲田大学文化構想学部社会構築論系3年)

2017年1月17日
早稲田大学
文化構想学部社会構築論系
3年
その日、私はARICのメンバーと一緒に会場で設営に取り掛かっていました。所用で会場を抜けたあと、再び帰ろうとエレベーターに乗ろうとしたとき、急に謎の白人男性から‘‘Are you speaker? ’’と話しかけられました。心当たりがないので否定のジェスチャーを示したところ、彼は何も言わずにすぐに早足で去っていきましたが、異様に威圧的な態度と雰囲気に不安がありました。1分に満たない間のことです。
そのあと私が改めて教室で氏と居合わせたのも、それほど長い時間ではありませんでした。実質的には設営をしている最中に氏が突如闖入し、終始英語で学習会の内容を猛烈に指弾する発言をしていた様子を4.5分の間目撃したにすぎません。
にもかかわらず、今回の件で衝撃的だったのは、小規模な学習会に過ぎない学生の集いを、正体不明の人物が何の前触れもなく一方的に干渉・妨害するという事態の異常さであり恐ろしさです。彼の論調と振舞いは徹頭徹尾、極めて威圧的・好戦的で、すぐにでも暴力をふるってくるのではないか、他にも仲間を呼んでくるのではないか、更に先々はメディアを活用したりして自分たちを中傷するような悪質なデマや流言を流布するのではないかという恐れを感じました。とにかく、彼の妨害が更に恐ろしい事態に発展するのではないかという恐怖は、その場でも感じましたし、今でも消えていません。
学習会に所属を共有する多くの学生が居合わせ、英語に堪能な学生の適切な対応があったおかげでいくぶんましであったとはいえ、数人の学習会メンバーは警備につくことを余儀なくされ、学習会の間も緊張感から円滑な議論ができませんでした。
こうした小さな学習会でさえこんな恐ろしい妨害を受けるのに、今後も更に活動を続けられるのだろうかという不安も今でも消えないままです。自分だけでなく、周囲の人たちにまで危害が及ぶのではないか、自分はこうした活動にかかわらないほうが安全なのではないか、と考えるといつもの活動でも緊張と不安が続きます。まして、私よりも付近で氏と居合わせた人は更なる不安・恐怖を覚えたであろうことは想像に難くないことです。
更に後日、氏が当局の大学教員であることを知って更なる衝撃を受けました。同時に、教員がこのような弾圧を行う事態に慨嘆と憤りを禁じ得ませんでした。差別という社会の病理を追究し、ささやかながら異議を申し立てているに過ぎないのに、人もあろうに大学教員がそれを妨害するような事態を、大学当局が看過していいものでしょうか。これは大学の自治だけでなく、学問の自由への明らかな侵害ではないでしょうか。このような事態を、国内有数の名門である一橋大学ほどの大学が座視していることが許されるのでしょうか。
以上



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