インスピレーション

先日、ここ2〜3年仲良くさせてもらっている元英語コーチと月一の恒例ZOOM。3年前から何度も話しているけれど、コロナもあって話したのはオンラインのみ。
今年の夏は、関西に会いに行って、オフラインで話してみたい。
いつも、話すたびにビビッとくるインスピレーションをもらっている。

話題は、今年度の目標や取り組んでみたいことについて。
フリーランスになったコーチは、今年度、海外からの大きな案件を獲得することを目標にしているそうな。
自分は今年度、英語力を高めるのはもちろん、3つの論文にチャレンジしてみたい。
これまでに獲得したマイルストーンは3つ。
今年チャレンジする3つのうち、2つで賞を獲得して、5つに数を伸ばしたい。

これまでの3つは、自分の中でレベルアップしてきた感覚があって。

①その時間だけの打ち上げ花火的な取り組み
スカイプを使ったGTの召喚。コロナが起こる前の取り組みで、ZOOMが浸透する波がくる前の目新しさもあり、賞をもらった。ただ、今になって振り返ると、その時間以外に特出する工夫があったわけではなく、ショーのような再現性のない取り組みだった…

②単元全体の組み方を工夫した取り組み
マット運動のパフォーマンス課題を個人ではなく、集団演技(新体操)形式に組み替えた。
それまでは、ゴールの課題を個人での演技に設定していた。
その結果起こったのが、どんどんいろんな技にチャレンジする得意層と、技がなかなかできず停滞してやる気をなくしていく苦手層にパキッと分かれる課題。
「教え合う」ことをいくら価値づけても、この分離から解決策は見出せず、単元が進むにつれて例年、苦手層は意欲が減退していくのが見て取れた。
そこで、集団演技(新体操の形)にゴール設定をして、単元を組むことに。
自分たちで曲を選び、できる技を組み合わせて構成も考える。
ゴールが変われば、そこへ向かうプロセスも変わる。
技の出来栄えを高める気づきをチーム内で伝えあう必要が生まれ、対話の必然性が生まれた。
何より、動画を見ながらより良い演技になるためのレベルアップポイントを話し合う姿が楽しそうだし、苦手な子も自分にできる役割を精一杯果たそうと意欲的に運動していた。
1時間単発のショーではなく、7時間の単元丸ごとを工夫した取り組みだった。
もちろん、工夫したのはゴールだけでなく、各時間の位置付けも明確にして、その時間で必要なことをおさえていった。
審査員からは「学び方を学ぶ子どもの姿が分かる素晴らしい実践だった」と言葉をもらった。
「学び方を学ぶ」という言葉が好きなのは、この言葉をもらってからだ。

③教科を飛び越える学び方 Ver.1  の取り組み
教科にとらわれず使えるフォーマット(そもそもの学び方のOS)を開発できないかと思い取り組んだ。
開発といっても、先行研究を無理なく組み合わせて、1つの形にしたもの。

1時間でもなく、ある教科の単元全体でもなく、教科のくくりを超えて使える学び方である。
毎日使うキーボードをいいものに変えたら生産性が爆上がりしたビジネスマンがいるとする。(ほんとにいるか知らんけど)
毎日使うものの質が上がれば、ルーティンの質の向上に直結するだろうから、そんな、毎日どんな教科でも使える学び方を手渡せれば素敵だなと考えていた。
その取り組みをまとめた結果、良い評価をもらった。


今年度、取り組みたい3つ
❶道徳 教科を飛びこえる学び方 Ver.2✖️哲学対話(本質観取)
年間の1000時間、どの教科、領域でも使えるOSのVer.2を実践中。
それを1つ形にしたい。

この学び方は、年間の1000時間だけでなく、家庭学習もつなぐもの。
平日に5ページ、休日に8ページも自学を頑張る子も出てきて、このモデルを導入して、家庭学習の質が明らかに高まった。
授業で使ったモデルと同じモデルで家庭学習に取り組めて、授業の最後で振り返ったことが、自学に生かされる最高のサイクル。

そのサイクルの中に、今年度は、道徳も組み込まれている。

公開されていた過去2年分の受賞論文全てに目を通した。
一番は無理だけれど、方向性は間違ってなさそうで、挑戦する価値はありそう。

本質観取について


❷国語 教科を超える学び方✖️パフォーマンス課題✖️ルーブリック
学習前後で語彙がどれだけ増えたのかは可視化しづらいし、自分のレベルでは、まだまだ分析できるレベルにない。
しかし、「音読の工夫」についてなら、明らかな変化を見とれるのではないか。
しかも、それがどのようなプロセスを経れば、個別最適な学びの中でそれぞれのパフォーマンスが向上するのか、という文脈なら自分にもチャレンジできるかもしれない、そう感じた。
ICTの力を借りた振り返りの工夫✖️教科を超える学び方=パフォーマンスの向上
について、形にしてみたい。
材料は、すでに集まっているから、どのように編み上げるのか少しずつ構成を考えていく。
勝負するフィールドは、5年前に獲得したICT関連のものに再度挑戦して、前後の変化が比較、可視化できるものを選ぼうと考えている。


❸外国語  教科を超える学び方✖️パフォーマンス課題✖️ルーブリック
文脈は、❷に近いが、角度を変えて挑みたい。
挑戦するフィールドは、今のところ見えていなくて、自分のレベルで挑戦できるものにしたい。
去年の実践のデータも残っていて、さらに1つ積み上げることで、形にしたい。


昨年度、3学期の最後の授業参観でどの教科をしたいか話し合って決めることにした。
どの教科でも良い、「自分たちの成長が背中で伝えられる教科」という視点で、話し合って決めよう、と声をかけた。
自分たちで話し合って決まった教科は、「道徳」だった。
「話し合って自分たちで答えを出すところを見てほしい。」と言っていた。

道徳は、「自分たちで答えをつくれるとても楽しい教科である。」
折に触れて、何度も伝えてきた言葉だ。

笑顔にはどんな力があるのか。
どうして、親切は大切なのか。
本当の友だちって、どんな友だちなのか。

大人も「ん?」と立ち止まって思考してしまうような一見難しい問いにも、対話を通じて力強く「答え」を編み上げていく子どもたち。
ある子は登場人物の気持ちを想像しながら考え、ある子は自分の経験と重ねて考え、ある子は友だちの経験に心を寄せて共感して考え…
改善点は、まだまだあるけれど、とにかく楽しい。

今週はじめ、毎月一回のアンケートで「学校が楽しい」と答えた子どもの理由に驚いた。
「道徳の授業が楽しいから、学校が楽しい。」
週に1回しかない道徳。
1人でも道徳が楽しいから学校が楽しいと思ってくれる子がいるのなら、これ以上の喜びはない。

今年度のチャレンジ。
9月からは忙しくなるから、8月までにある程度形にしなきゃ。

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