【過去記事】絵本すみっコ いつでもとなりに 感想

※この記事は2021/12/11 当時にふせったーに投稿したものです。

ざっそうちゃんのお話について

いつも笑顔でみんなをひっぱることが多いざっそうちゃんも、
時には笑顔に疲れたり、頑張ることに疲れたりすることもあるのが、
当たり前のことなのにはっとした。
「あのころから今もかわらない」はねこと対比してるよね
いつもねこに元気を分けているように見えるざっそうちゃんも、
出会いはねこからお水(元気)をもらったことにあって、
ねこちゃんもだけど、
りがとうの感謝が連鎖して
それぞれの夢に向かってる姿が心にぶっ刺さって、
端的にいうと泣いた。

不特定の誰かを笑顔にしたいという漠然とした夢を
一人で追うことはときに辛く、
そんな夢に道筋をつけてくれたのがどこかのすみっこに住む仲間たち
漠然とした夢が支えてくれる仲間がいることで明確な輪郭を持てたざっそうちゃんの夢は、あの頃よりもきっと叶うはず

ねこちゃんとざっそうちゃんの関係性、
お互いにどちらかに寄りかかってもおらず、
でもどちらかがへこっとなりそうな時にさりげなく側にいて応援してくれるこの感じ、堪らなく理想

普段はねこがざっそうに励まされて頑張ってることが多いけど、
実はざっそうも頑張りすぎてしまったときにねこに支えてもらってる
って分かったいつでもとなりには絶対的に名作

えびちゃんのお話について

なにこれ、尊い
残されて捨てられるのが嫌でコロコロ逃げて
すみっこでとんかつと出会ったえびちゃん。
えびちゃんって個人的にとてもとても一途なのかなって思ってるんだけど、とんかつと運命の出会いをして一途な夢と思いが、
あじちゃんとの出会いで『多方向にいろいろな思いをもっても自分の夢は大切に守られるんだ』ってわかったような気がして、
えびちゃんの世界が拡がったのかな、などと。
同じ境遇でもいろんな在り方があって、
そのどれもそれぞれにとって大切なもので、
お互いに尊重してるあげっコたち、
すみっコの世界は本当に優しい世界。
つまりは端的にいうと泣いた。

多様な価値観に触れることでの固定観念からの脱却と
自立自尊を促し仲間と自己実現に向かうという壮大で道徳的な内容を
かわいい、やさしい、読みやすいの三拍子揃って読めるのは
すみっコ絵本『いつでもとなりに』えびちゃんのお話だけ!!!

にせつむりちゃんのお話について

最後~~~
とかげと同じような境遇のにせつむりだけど、
嘘を背負うことは重く、
でもふとしたときにすみっコたちになめくじだと知られてしまっても
なんとなしに受け入れられてるこの世界~~~
とかげも早くみんなに話せるといいけど
(にせつむりの経過になると思われる)、
今はにせつむりがいることで救われるとかげと、
映画でもあったけどさりげなくフォローしてくれるとかげが
となりにいるにせつむりと、
何この関係、
端的にいうと泣いた。

ところでにせつむりってとかげのおうちに同居してるのかと思えば、
ちゃんと自分のおうちもあるんですね!
地味に発見だった。
あとたぴよこーーーー!!!!

ふろしきちゃんのお話について

何だって?!
ふろしきはもともと誰か違うひとの持ち物だったの?!
というか、しろくまのおかあさん!?
えっ!?
やっぱりしろくまがさむがりなのって、
他の仲間に比べて毛が短い説濃厚!?
しろくまの自慢の(しろくまが望むものに何にでもなれる)ふろしきであり、ふろしきの自慢の(流れに流れついたふろしきを大切にいつも素敵に活用している)しろくまであり、
その関係性~~~~、
最後に出会えて本当に安心した
そして端的にいうと泣いた。

しろくまが探しに出掛けるときにすぐに付いてくるぺんぎん?という、
この二人の関係性めちゃめちゃ好き

たぴおかちゃんのお話について

………なんてこった……
これかなり衝撃的な内容ですよ……
現代への一つの希望の在り方ですよ……
全人類、たぴおか編読んで………

あの特別なきたぴ、
すみっコたちよりも早くすみっこに来た最初のたぴおかだったのか!
きたぴに関しては、
もはや夢もきぼうもありません、
信じられるものはここにはありません、などと、
…めちゃめちゃ自分に既視感なんだけど…、
現代の大人に既視感抱かせる存在ではあるんですが、
そんなたぴがぺんぎん?に出会って大きく変わるという、
これは一番やばいお話ですよ!??!!?
現代への提起ですよ!??!??!!

たぴおかって、あおたぴ、ピンクたぴ、きたぴ、ブラックたぴと色は分かれていてもみんな同じ顔したある意味でみんな大勢の存在(個のない集団=社会における我々という集団)なんですよ。
きたぴもそれを自覚していて、
さらに夢も希望も信じられるものもないよー、
どうせ世の中こんなもん、
などと現代人に大変通じるものを持ってると思うんです(少くとも絵本では)
それがひとりのきたぴという個(特別な個である=特別な『わたし』)が、
ぺんぎん?に出会い、
夢と希望を追い続ける姿をずーーーっととなりで見つめ、
個としても自分を認識し大切にしてもらったきたぴの衝撃たることや……
いや、私はかなりの衝撃で泣く前に驚きすぎて言葉が出なかった……
殺伐とした現代にその他大勢から自分だけに気づいて認めて大切にしてくれる誰かは必ずいるんだよ、っていう
夢と希望と信頼と愛の物語ですよ

すっげえええええええ

たぴおかの存在意義を根底から覆し、
たぴおかたちから『きたぴ』という特別な個に成長(在り方として進化)したたぴおかを見てしまったという、
これはすみっコ史においてかなりの大事件ですよ!!!

ぺんぎん?はきたぴを見分けることが出来るって話が今最大に発揮されて(ねことんはきたぴ?いるじゃん、ここに??状態か、さあどのきたぴ??状態だったのがまさに)、最後にアップで普段絶対見れないたぴおかの本当の笑顔が見れた、これがぺん?きたぴの関係性です

相棒とかそんなやわなもんじゃないよ。
もう運命だよ!
運命でしかないよ!!!

落ち着いたら、端的にいうと泣いた。

たぴおかパーク絵本化、すっげええええええ!!!
ありがとう、ありがとう

ぺん?ちゃんがきたぴを見つけるシーン見て毎回涙が溢れてくる
「私は大勢の一人でしかないからいてもいなくても構わない」
という暗闇から
「私のそばにはあなたでなければいけないんだ」
と手を取り引き上げる運命の物語に理想としての憧れを感じる…

みんなのお話について

最後のページに、本当に泣いた。
ぼろぼろと涙が止まらなかった。
なんて温かくて優しい世界。
本当に素敵な絵本を世に送り出してくれてありがとうございます。

以下余談
ほこりが一番初めにすみっこにいたのかー、
というか『お部屋のすみっこ』のはなしとかありそうで
そして衝撃の、グレーとトラ!
グレーとトラ!!!
グレーとトラ!!!!!!!

三回も言ってしまったけど、グレーとトラ!!!!(4回目)

映画には出なかったなあ、とちょっとがっかりしていただけに、まさかよこみぞ先生がグレーとトラもその輪の中に入れてくれたという事実に、さんきょうだい好きとしてはかなり救われました。

信じられない……グレーとトラ……(5回目)

改めて、本当に素晴らしい絵本をありがとうございました。

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