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過去レポ 『サヨナラは日曜日に』 2016.06.19(日)マチネ

今年2020年は、私の大好きなウェバー卿の作品が数多く上演される、ロイド=ウェバーイヤーだ。第二子が生まれ、すっかり観劇からご無沙汰してしまっているが、ロイド=ウェバー作品だけは制覇する意気込みで、そこのところは愛妻も理解してくれているのが助かるところだ。

今日は、今から4年近く前、グスタフが生まれてまだ1週間にもならないときに観劇した作品の過去レポを掘り起こす。
今思えば、出産を終えたばかりの愛妻を放置して観劇に行くなど、なんてひどい旦那だと思うが、あの頃は何故かしら劇場へ行くことを優先し、愛妻もそれを受け入れてくれたのだ。ありがとう。

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愛妻出産後、初のMy観劇はアンドリュー・ロイド=ウェバーの『Tell Me on a Sunday〜サヨナラは日曜日に〜』!

濱田めぐみさんのソロ・ミュージカルだ。これはロンドン版『ソング&ダンス』の一幕のみで上演された小品で(ちなみに二幕はパガニーニの『ヴァリエーションズ』。たぶん探せば我が家に全幕の映像がある)、上演時間は70分。
こんなに短いのにチケット価格は強気だな〜、と思わずにはいられなかったが、ウェバーファンとしては、日本で観られるまたとないチャンスで見逃せず、劇場入りした。

観終わっての感想。

ストーリーとしてはホント陳腐で、ひとことで言えば、恋愛依存症の女性が次々と恋に破れていく話?
でもまぁウェバーの作品って、『オペラ座の怪人』にしたところでミステリ界では小説としては三流との評価が固まっているものだし、『アスペクツ・オブ・ラブ』だってしょーもないメロドラマだし、作品の筋書きだけではその魅力はわからないものである。

物語が陳腐である分、音楽性や歌唱力によってその魅力を炸裂させるのがこれまたウェバー作品の特徴なんだけど、う~ん、そういう意味では今回の上演はかなり消化不良であった。
このひとり芝居をやり切る力は濱田さんにはなかった。

まぁ私自身が濱田さんをあまり買ってなくて、彼女は芝居をする力は低くて、素の自分に近い役を力いっぱい生きるときにその魅力を発揮する人だと思ってるから、こういう合わない役のときにはどうしても醒めた目で見ちゃう。
もちろんメロディが難しいから、それを譜面通りに歌う力のある人じゃないとキャスティングできないんだけど、それでもミスキャストの印象は拭えなかった。(濱田さんファンの人すみません。)

この作品は、芝居上手な人が演じれば、とても小洒落た小品になったんだろうな~、と思った次第。若かりし頃の知寿さんで観たかった! ホリプロなら笹本さんかなぁ。

でもウェバーファンっていうのは、どんな役者が演じていようとも、ウェバーの音楽に身を委ねることができるだけで幸せというもの。そういう意味では、日本語でウェバーの作品を堪能できるこの機会は、本当に得難い幸せな時間となった。
演出上も、この時代ならではの最新の映像技術を使いつつ、わかりやすい舞台構成になっていて、その点は好感が持てた。

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