「世界観の脅威となる人々が死んだ」という情報が世界観脅威の影響を緩和するという話

Hayes, J., Schimel, J., & Williams, T. J. (2008). Fighting death with death: The buffering effects of learning that worldview violators have died. Psychological science, 19(5), 501-507.

https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1111/j.1467-9280.2008.02115.x?casa_token=cASKE4gDojUAAAAA:LGXBztS9JtubAyKcNcf4oai_pIjC7k2xkK6U5eVQsbI35BMtptV-kWpEFdGtJjWCchgewjq0Mp-w

・キリスト教の大学生(アルバータ大)が研究参加者

・世界観脅威情報(ナザレの犠牲祭を紹介しつつ,ナザレでキリスト教徒に対するイスラム教徒の威嚇と支配が強まりつつあることを示唆)を含む記事を読むと,中立的な記事(オーロラに関するもの)を読んだ時よりも死関連思考の接近可能性が高まり,世界観防衛(ムスリムや他教徒への好意の低下)が生じる。

・ただし,世界観脅威情報に,「飛行機事故のためナザレの犠牲祭に向かっていた117名の信心深いムスリムが死亡した」という情報を付加すると,死関連思考の接近可能性は高まらないし,世界観防衛も生じない。


【メモ】

少し前(2008年)の研究。脅威への対処として批判者を否定的に評価するとか,攻撃する(スープに辛いソース入れるとかだけど)とかは繰り返し示されていたけれども,脅威となる人々の死でも解決されてしまうというのは,なんとも。自分が手を下すということとはまた違う話ではあるけども。


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