見出し画像

Starting Out: Grand Archive TCG Vol. 16 - カードの読み方

長らく空いてしまって申し訳ないです。
体調崩したり、プライベートが忙しかったりで2週間空いてしまった……
更新を再開していきますので、またよろしくお願いします。

さて、更新再開第1回は、優先権にも関連した、「カードをプレイした時に、どのタイミングでどこまで進めないと他のことができないか」というあたりに関わることです。
意外と単純なようで複雑だったりします。

場に出ることを誘発条件とする能力の例。
画像はあいかわらずのhttps://www.shoutatyourdecks.com からのスクリーンショットです。

これぐらいなら簡単なんです。
On Enter=場に出た時、(何も対象を選ばずに)7枚引いて効果の処理が終わるので。
これが、

追加コストも制限能力もOn Hit系効果もあるAttackカード。

こうなるとちょっとめんどうですよね?
On ○○ Hit関連は、Hitが攻撃によって(○○に)ダメージを与えた時、という意味で解釈すればいいのですが、さらに"As an additional cost to activate this card"とかまでついていると、どこまでをいつ処理すればいいのか、ちょっとわかりづらくなります。
今回は、この辺の簡単な整理です。

制限能力(Restriction Ability)

まず、他のゲームだと一番なじみが薄い表現となるこの効果群から。
制限能力とは、簡単にいうと"○○ Bonus"のものです
例えば、Class Bonusは「プレイしたカードと自分のChampionのClassが同一であること(いずれかが複数もつ場合は、そのいずれかが一致すること)を満たした場合のみ、その効果をもっている」という扱いです。
逆に、その条件が満たされない場合は、その効果を完全に無視します。
特に、その場合制限された効果はないものとして扱うので、制限能力が有効になっていない場合は、そのタイミングで発生する何かしらの誘発や優先権は発生しません。
また、制限能力の有効/無効そのものによっては、誘発や優先権には影響ありません
制限能力は、Class Bonus、Champion Bonus、Element Bonus、Memory X+、level X+のそれぞれの表記で表されています。
また、複数の制限能力が同じ効果についている場合は、有効にするにはそのすべてが同時に満たされている必要があります

Class、Memory、Levelのそれぞれの制限能力をもつ例のカード。
上の効果は、「ClericのChampionをコントロールしていてMemoryが4枚以上の時」のみ有効です。

常在能力(Static Ability)

いわゆる勝手に効果を発揮し続けるタイプの効果です。
簡単なイメージは、それがあるだけで、カードのプレイコストを小さくしたり、パワーやライフを大きくしたりするものです。
常に有効=Effect Stackを使用しないので、優先権は発生しません

The Static Abilityもちの代表例。

当然、そのカードが場にある(かつ制限能力が有効になる)限り、その効果を使うことができます。
また、コストを修正するような効果であっても、カードの記載コストは変更されません。

起動型能力(Activate Ability)

ここからは優先権が発生するタイプの能力です。
起動型能力は、コントロールするプレイヤーが意識的にその使用を宣言することで初めて効果を使用するタイプの能力で、記述の基本文法は[Cost] : [Effect]です。

この2つ目の効果の起動コストはレストすること、です。

具体例になるカードを見ながら話しましょう。
このカードの2つ目の効果は起動型能力です。
[Cost] : [Effect]という文法なので、この効果の起動をする場合には、

  1. このカードの2つ目の効果の使用を宣言

  2. そのカードに記載される効果を使うコストを支払う(この場合、このAllyをレストする)

  3. その能力が対象や複数のモードから効果を選ぶ内容である場合、その選択を宣言

をすべて行った後、そのカードがEffect Stackにのり優先権が発生します。
その後プレイの応酬が終わったら、そのカードがEffect Stack上で解決される順番になった際、効果部分を解決します。
この例だと、まず効果起動を宣言してからコストを支払うので、このカードのレストします。
宣言した効果の内容は、「Glimpse 1をする。その後デッキの1番上を公開してWindのカードなら、1体ターゲットを選んでStealthを付与する」という効果なので、効果起動時には特に対象を選びません。
ここまで対応した段階で、優先権がターンプレイヤーに発生します。
以下優先権の処理(前回までの2回を参照してください)が終わったら、解決に移ります。
この効果の解決の番になったら、Glimpse 1を行って、その後でデッキの一番上を公開します。
で、Windのカードであれば、自分がコントロールするAlly 1体にStealthを付与します。
ここまで終わるとこの効果の解決が終わるので、次の優先権が発生して、対応と解決を続けていくことになります。

ちなみに、例に挙げたレスト以外の記号で示されるコストは、黄色い丸に数字でReserveコストを示すものがあります。
また、主にRegaliaに見られますが、それを場から追放する、というものが非常に多いです(Regalia以外だと、場から破棄する=Sacrifice、が多いです)。

あ、効果起動について。
特に記述がなければ、起動型能力の起動はFastスピードで行えます
Fastスピードであるということは、相手の効果起動やカードプレイに対応することができます。

誘発型能力(Triggered Ability)

これも優先権が発生する能力ですが、ここまでに比べて最も複雑だと思います。
誘発型能力は、条件を満たすと勝手にEffect Stackに効果がのるタイプの能力です。
記述の基本形は、

  • “At”、“When”、“Whenever”で誘発時点を記述する形でテキストがはじまり、"if"により追加条件を述べ、効果文が続く

  • [誘発条件] : [効果文]

  • キーワード化された能力の一部

のいずれかです。
キーワード化された誘発型能力には、Agility、Foster、Intercept、On ○○、Vigorがあります。
特に、VigorはMRCのリリースと同時にフェーズ処理から誘発型能力に変更となったので、MRC以前からルールをそれなりに詳しく知っていた方は特に注意が必要です。

基本文法(2つ目と)3つ目の誘発型能力をもつ代表例。

例として、上のカードはInterceptという誘発型能力であるキーワード能力と、On Enterというキーワード能力でもあり基本文法2番目の形式でもある誘発型能力をもつAllyです。

基本文法1の例。

もちろん、Regaliaが誘発型能力をもつこともあります。
上のカードは、"At"ではじまる記述の基本文法1型です(Regaliaは全部文法1、というわけではありません)。

ここまでなら誘発型能力はあまり難しくないのですが、誘発型能力には自分でタイミングを選べないが故の難しいことがいくつかあります。
例えば、同じタイミングで同時に複数の能力が誘発することがありえます
その場合、同じコントローラーに属する同時に誘発した能力は、コントローラーがどの順番でEffect Stackにのせるかを選べます
また、異なるプレイヤーに属する誘発型能力は、ターンプレイヤーのものが先にEffect Stackにのります(=解決は後になります)。

ある効果の処理の結果によって生成される誘発能力もあります。

遅延誘発の例、Delayed Triggerと呼ばれます。

例えば、このカードが解決されると、「次のEndフェーズ開始時に、あなたがコントロールする全てのSword weaponを破棄する」という誘発型の効果だけが解決されるまで残り続けています。
カード自体の解決とは違うタイミングで遅れて誘発するので、遅延型誘発となります。
遅延型誘発も、その適用されるタイミングで同時に誘発するものがあれば、それらの効果と一緒に、前述のルールでEffect Stackにのる順番を選べます

再起誘発という、ある効果の処理の結果すぐさまEffect Stackにのる誘発もあります(Reflexive Triggerと呼ばれます)。

Diana、やっぱり把握しなきゃいけないルールの数スターターのレベルじゃないって……

このカードの1つ目の効果は、Reflexive Triggerとしては関係ありません。
2つ目の効果がReflexive Triggerに関係しています。
追加のドローとして2枚目のカードをMemoryに引いたなら、"When you do,"ではじまる部分が誘発します。
この際、この"When you do,"の部分だけで別途Effect Stackにのる、という挙動を起こします
のる場所は、今解決したカードの次に解決待ちになる場所です
また、Effect Stackにのるので、改めて優先権が発生します(解決前に優先権確認が発生)。

まとめ

効果の種類、多いですよね。
上に書いてあるのは、Objectであるカードがもつ効果の読み方です。
もちろん、Objectでないカード(AttackカードとかActionカードとか)のもつ効果は上のような能力とは別の扱いですが、Effect Stackにのってしまえばどんな能力であったかはあまり関係ありません。
Objectがもつそれぞれの効果だけ、カードのプレイとは違うタイミングで適用されることがあるため、こんな難しいことがある、というだけです。
とはいえ、カードの英文を読んでその通りにすれば、基本的には問題なく処理できるはずです。
わからなかったらこの記事を読む、というだけでいいと思います。

……
…………
さて。
本当は今回から宣伝コーナーも復活の予定でしたが、今回も後日参照が多そうな内容だったので、宣伝コーナーはなしとします。
次回からは、スターターに入っていないChampionの紹介をしていくので、宣伝コーナー復活です。
本記事で紹介してほしいGrand Archiveのイベントがある方は、私までご連絡ください。
本記事のコメントでも、Twitterで@ruy_premier に@なりDMなりを送っていただいても構いません。
東京エリアに限らず、日本での開催であれば告知の一助となれたらと思っていますので、ご連絡お待ちしております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?