見出し画像

なんでデッサンをやるの?

絵を描く人だったら一度は考えたことがあるでしょう。「デッサンってやったほうがいいの?」「デッサンをやると絵がうまくなるの?」

なんのためにデッサンをやるのか、デッサンをやるとよくなることの
私の答えをお伝えしようかと思います。

静物デッサン

絵をバランスよく描けるようになる!

デッサンをやると、

  • 絵の目的(どう見えるか)

  • 絵のゴール(何をどれくらい描けば完成か)

がわかるようになります。
デッサンは並べた物(モチーフ)がどのように、いつ、どこに、どうやって置かれているかを一目でわかるように描く練習をするので、自分が人に伝えたいものを絵で表せるようになります。
例えば、「なんか気づいたらかっこいい絵になった!」ではなく、百発百中かっこいい絵にすることができます

また、何をどのくらい描けばモチーフに見えるようになるのかをたくさん練習するので、絵の完成を自分で決められるようになります
「この絵、なんかずっと漠然としてるけど、いつになったら完成するんだろう……」ということがなくなります。

画面構成にとても役にたつので、グラフィックデザイナーとしては取得しておきたい能力ですね。


ジョルジョ(石膏デッサン)

いい作品がわかるようになる!

ふたつめに、作品の良さがわかるようになります。
デッサンはモチーフを観察して、どうすればそのモチーフ「らしく」描くことができるのか、どうすればモチーフを美しく(これはデザイン科ならではかも)描けるかを考えて描きます。
すると、観察力が上がります。

物の観察力や理解度があがると、今まで見えなかったものが見えてくるでしょう。それを繰り返していくと、この世にたくさんある作品のひとつひとつの良さがわかってくるようになります。
「なんでこの作品は良いと言われているのか」が言われなくても理解できます。

観察力は「アンテナ」になるので、創作のアイデアの種を拾うことにもつながるでしょう。

ちょっと奥が怪しいジョルジョ横位置(描きやすい位置)
へたっぴなジョルジョ

ティッシュボックス

デッサンをやらないほうがいい人

デッサンをやらないほうがいい人もいます。まず、デッサンをやると絵を描くときに自然とバランスをとるようになります。
つまり、「偶然性」が減ります。
「なんかよくなった!」もなくなります。
すべてコントロールできるようになってしまうので、崩した絵を描くことがとても難しくなるのです。ピカソも大いに悩んだことでしょう。

絵や作品に偶然性などを求めている人はデッサンをやると失うものがあるのです。人間は一度知ると、知らなかったころには戻れないからです。


以上です。
美大生の受験ではデッサンがほぼ必須ですが、なぜかというと、「あると何かと便利な能力」だからですね。
「バランスが取れているか否か」を理解できる能力は、とても便利だし、ある種呪いにもなります。
やったほうが絶対いいよ!!!!!!!!!というわけではないです。

でも私はデッサンが大好きです!!目の前のモチーフをどう料理するかを考えるとものすごくわくわくします。ここが綺麗だな、こう描きたいな。落ちてる影がきれいだな。今日は曇りだからやわらかい影で描きたいな。
漫画を描くときにも、「こう描きたいな」を表現するのに使っています。もともとバランスを整えて描くのが好きだったので、性に合っていたのだと思います。

もしデッサンが気になったら、鉛筆デッサンの基本をまとめた記事があるのでぜひ見てみてください。

みなさんの、デッサンをはじめるか否かを考える一案になれたらと思います。
2023.01.16 るぅ1mm




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?