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美大入試前最後のデッサンcheck!

この記事では主にデザイン科入試の鉛筆静物デッサンの基礎をまとめています。

そろそろ入試の時期ですね!受験生の皆さん、おつかれさまです。寒さと緊張感のなか、本当によくがんばっていることでしょう。
そわそわしてしまうような時期ですが、入試前、最後に一度基本に戻って確認してみませんか。

鉛筆をよく削る

いつの間にか鉛筆の先がまるいままで描いていませんか。
鉛筆を削るとたった一本で多様な表現ができます。

鉛筆をたてて描けば、画用紙の溝まで粉がよく入りこむため、鈍い色を出すことができます。
鉛筆を寝かせて描けば、画用紙の表面のざらざらをひろって鮮やかに描くことができるし、いっぺんに広い面積を塗ることができます。

鉛筆の角度、一本一本の線の動きだけで物の形を表現することができます。一本が確実だと、速く描けるし、きれいに描けます。
鉛筆はよく削りましょう。

鉛筆を削る時間が惜しい方は、とても便利な鉛筆削りがあるのでぜひためしてみてください。


全体の意識

デッサンをするときに何を意識して描けばいいか、たくさんありますね。簡単にまとめると、

  • ものの形を表す影(形・質感)

  • 色の差(固有色)

  • ものがものに落としている影

  • 床(空間)

です。よく講師の先生が言っている言葉は()の中に書いてあります。
これら4つを同時に意識しながら描けることが「デッサンができる」ことの第一歩だと思いますが、
現役生の皆さんは描くだけで大変だと思います。なので、同時に意識しようと思わなくて大丈夫です。一つずつ確認しながら描くと、丁寧で良いデッサンになるでしょう。

仕上げは、ぱっと見たときに、
①空間(物がどこに、どうやっておいてあるか。光はどこから来ているか。)
②物の質感の違い(触り心地、反射、透けるなど)

の順番で画面が見えるかどうかを確認しましょう。
できるだけ目を休めてから、他の人が描いた絵を見るときみたいな目で見れるといいですね。
20秒に一回は離れて確認していいと思います。


キワの処理のしかた

物のキワが決まってると、それだけで完成することがあります。
色も全部乗ってるし、質感もいいかんじなのになんで完成しないんだろう?
と思ったら、一度キワが決まっているか確認してみましょう。

①まわりこみを描きます。

モチーフによっては、こすってぼかすことがあるでしょう。

②消しゴムで形を決めます。

これだけで終わりにしてしまう人も多いのではないでしょうか。
このままだと、モチーフのキワはぼんやりしていたり、形がガタガタしたままで、決まっているとは言えません。

③硬めの鉛筆で、丁寧にキワを描きこみます。

まず形が途切れるところを一本の線で結び、その線が浮かないように内側にむかってグラデーションをかけます。

これでキワがきまりました。キワを決めることは、空間を決めることでもあります。丁寧に大切に描きましょう。


おわりに

大学生のころ、受験でお世話になった予備校で講師をさせていただいてました。
受験生のころは毎日デッサンや色彩構成をすることは普通でしたが、今思うとすさまじく体力や精神力を使うことです。
受験生というだけで、プレッシャーと戦っているのに、その上毎日のように絵を描いているなんて!本当に尊敬しています。

みなさんがのびのびと学べる、良い大学とご縁がありますように!

予備校で一番最初に描いた静物デッサン

2023.01.16 るぅ1mm

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