THE LAST MESSAGE あつ森


※今回の内容は前回の続きです。
まだ読まれていないという方は、そちらを読んでからの方が楽しめる度が深夜手当(1.25倍)ぐらいまでは上がるのでおすすめです。


(前回のあらすじ)
なんやかんや物申した。



あのとき。「まち森」が今回の「あつ森」ほどのフィーバーを巻き起こしてくれていれば…。あんな忌まわしき事件は起きなかったはずだ。


「まち森」とはご存知かつみんな大好き、ニンテンドーWii用ソフト「街へいこうよ どうぶつの森」を略した言葉である。2008年の年末に発売されたこの作品だが、当時中学1年生だった筆者は発売日を今か今かと心待ちにしていた。

なぜなら、そこから遡ること3年前に発売されたニンテンドーDS用ソフト「おいでよ どうぶつの森」略して「おい森」(おいでよと呼ぶ派もいた)を筆者は持っていなかったからである。
小学4〜5年生の頃、筆者の地元ではこのソフトが爆発的なヒットを記録。みんなこのソフトを持ち寄り、通信してゲームの中で鬼ごっこをするなどして楽しんでいた。一方、筆者はなんのこっちゃわからずその様子を指をくわえてただただ見ていた。軽度のパニックを起こしながら。そしてそのとき強く誓ったのだ。
「絶対に次のどうぶつの森は手に入れてやる…!!」と。
その言い方は、サスケを半殺しにされて怒りに狂ったナルトが血継限界の持ち主である白に言い放った、「殺してやる!!!」と全く同じ言い方だったという。筆者もほぼ人柱力なのかもしれない。

時はまた戻り2008年の年末。(今回の文章はテセウスの船ぐらい時代を行ったり来たりするので注意していただきたい。)
何はともあれウキウキしながらためにためたお小遣いを持って、発売日にマイカル茨木のおもちゃ売り場へ突撃。それも婆ちゃんを連れていき、半分ソフト代を工面してもらうという孫すぎるやり口で、見事「まち森」を手に入れることに成功した。
さああとは流行るのを待つだけ。そう思っていた。

……だが、待てど暮らせど一向に流行らない。あれ?おかしい、そんなわけはない。前作があんなに一大ムーヴメントを巻き起こしていたのだから。
周りに聞いてみても、絆ゲージがちょうど中の下のギリ通信はせえへん仲の友達が1人買っていたぐらいで、他に買ったという友達は見当たらなかった。
中学1年という絶妙な思春期×Wiiという据え置きゲーム機特有のフットワークの重さ=マリパとスマブラしか流行らん
の公式をこの時初めて知った。なかなかのカルチャーショックであった。
「じゃあ1人で楽しめばいいじゃないか!どうなんだ?おお!!?」という怒号が飛んできそうなものだが、そこには一つ、大きな問題点があった。

それは筆者が通信することを前提としていたので、ニンテンドー関係者を除いて選ばれし精鋭500人しか知らないと言われている、Wiiスピーク付きのスペシャルパックを買ってしまったということである。



画像1

これである。当時の価格7800円である。高いのである。ちなみにWiiスピークとは、



画像2

これである。なんなんだこれは。ほんまに俺ん家以外でこれ置いてる家見たことない。一応Wiiで通信しながら、お互い会話してゲームできるやつらしいけどまじどうやってやんねん。調べてみたら対応したソフト6本しかないらしい。オワコンやがな。茂木健一郎が日本のお笑い界に言い放った一言やがな。

「よし、売ろう。」

そう思った。リスタートは早いに越したことはない。婆ちゃんには申し訳ないが、また何かで埋め合わせすればいい。謎の清々しさがそこにはあった。人はこれを「境地」と呼ぶのだろう。

購入した数ヶ月後。あんなに発売前、心待ちにしていた「まち森」を手に地元のゲオに向かった。「まあこれも勉強やな」と自分で稼いだこともない青二才が舐め腐った発言をしながら、親と一緒にゲオに入店。そしてカウンター前に向かうと…

絶句した。目を疑った。
なんとそこには、「まち森 Wiiスピーク付きスペシャルパック」がワゴンの上に大量かつ無造作に置かれていたのだ。ワゴンの前には、赤い文字で「SALE!!」と書かれている。恐る恐るその値段を確認すると、



「1980円」



「うわぁーーーーー!!!!!!」
そう叫び、膝から崩れ落ちた。7800円で購入(半分おばあに出してもうてるけど)したゲームが、ほんの数ヶ月経っただけで1980円。約75%オフ。ZOZOTOWNでしか見たことのない破格の大セール。そう、もう時すでに遅しだったのだ。

それからの記憶は曖昧である。今手元に「まち森」がないということは、多分あの日に手放したのだろう。
筆者自身の記憶上だが、街に全く出ないまま売ってしまったような気がする。


これが俗に言う、「まち森の悲劇」
まあギュッとすると、まあまあな値段で買ったゲームがすぐ安なってて嫌な気分になったよーというだけの話。そもそもこんな前後編に分けて引っ張る話ちゃうやろとも思うがそれもまた御一興。

ただ最後にこれだけは言わせていただきたい。


「あつ森手に入れたらみんな混ぜてーな」


これを筆者のTHE LAST MESSAGE に代えさせていただこう。
(終わり)


P.S.ずっと自分のこと筆者って呼ぶやつやってたけどこれ2度とせんとこ。
あと楽しなって2000文字以上書いてもうてた。大学やったら2単位もらえるやん。
最後まで読んでくれた方ほんとありがとうございます。





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