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 一日の稼ぎを終え、夕陽を浴びる。
 波は渚を裳裾のように動いている。
 ゆらぎゆらいで空を映している。
 山は静かに海に傾斜し湾を抱きかかえる。

 陽が山の端を落ちる。
 しだいに闇が濃くなる。
 波の音も濃くなる。
 微細なものたちよ。
 私は無明だ。
 
 この笛が、もっといい音を出せたら、
 もっと奥深く全体につながれたら、
 いま戦場で殺される人々に届くだろうか。
 生きてきたことに何か意味があったと思えるだろうか。


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