『文章教室(結城浩)』第8回にチャレンジ(るう)

■何をやっているかは,過去のチャレンジをご参照下さい(特に第1回)。

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結城浩先生の『数学文章作法 基礎編』を読んでから、『文章教室』2014期生のクラスメイトができるまで(あるいは、『文章教室』2014期生へのお誘い):単純作業に心をこめて


今回の課題■■『文章教室』第8回 まずはどんどん書きましょう(結城浩)

■■問題■■
以下の(A)と(B)の両方を投稿してください。

(A) どんどん書いた文章

「私は毎日、」という書き出しの後、思いつくまま、どんどん文章を書いてください。 文章のねじれや、無用な繰り返し、おかしな文字などを気にせず、 話題がそれてもかまわず、読み返さず、思いつくまま何でも、書き続けてください。 体言止めでも会話文でもかまいません。形式を気にせず、思いついたことをとにかく書きます。 目安としては10~15分程度書き続けますが、時間にこだわる必要はあまりありません。 読み返さず、どんどん書くことがポイントです。 書いて書いて書き続けて、もう何にも思いつかなくなったところでやめます。 この文章を(A)とします。 これ以降、(A)を修正してはいけません

(B) 読み返して校正した文章

(A)をコピー&ペーストして、新しい文章の土台とします。 その土台を読み返し、 段落をつけたり、文章のねじれを直したり、誤字脱字を整理したり、 具体例をふくらませたり、無駄を削ったりして、 何らかのまとまりを持ち、読みやすくなるように校正してください。 何度も読み返して、少しでもわかりやすくなるように努力します。 削るときには思い切って削ります。必要なら好きなだけ加筆します。 こうやってできた校正後の文章を(B)とします。 (B)を作っているうちに(A)を修正したくなりがちですが、(A)は修正しないでください。


■■解答(A) どんどん書いた文章■■
(■webに公開するという前提で書いたので多少気取りがあることををお断りします。が漢字ひらがなの変換ミスのほかはフリーに書きました。)

私は毎日。朝目覚める。顔を洗う。服を着る。電車に乗る。どこまでも乗る。そして降りる。そして歩く。どこまでも歩く。川にたどり着く。そこから船に乗る。赤く旗のついた船。波が高い。泳ごうとする。でも泳いではいけない。海を見つめる。青い海。きらきらした水面。時々魚が跳ねる。と思うと急に空が崩れる。雷がなる。早く帰着しないと。沖に戻る。靴を履く。また歩く。どこまでも歩く。茶色い煉瓦の街。車が通る。呼び止められる。でも乗らない。またあるく。ショーケースが並ぶ。砂糖菓子。カラフルなおもちゃ。たくさんの本。そして突き当たりにお店がある。暖かいシチューのあるお店。赤ワインとフランスパン。沢山食べる。チーズも頼もう。音楽が演奏されている。ここにあなたがいればいいのに。いいのにな。するとあらわれる。花束を持って。黄色い薔薇。でもそれは幻想で。店を出るとひとり。外はすっかり夜。星が輝く。名前のない星。道もわからない。私はどこにいるのだろう?そして目覚める。私はまだ起きていなかったことに気づく。私は本当に目覚める。私の本物の朝を。

■解答(A) を書いていった気持ちの流れ■

私は毎日、なにしてたっけ? 朝から考えてみよう。
えっと,目を開ける。そっから家を行くとこまではいいよね。
え,でも毎日出勤するとも限らないし。電車も必ず毎日は乗らないよね、、、
とここでつまづいた。

のでここからは空想の世界になる。

どこまでも歩く状況がすき。
どこに行こうか。
そして海が好き。そうだ海にしよう。
今日の午後つよい雷がなったのでそれもいれてみた。

その後どうしよう。岸に着くよね。(→そう、沖ではなく岸でした)
ついたらそこは違う国だといいな。オランダみたいな茶色い煉瓦の街。そうだ,昔行ったことのあるローデンブルグのような街並みがいい。だとしたら,ショーウィンドウの景色は欠かせないな。

もっと幸福になりたかったらごはんだよね。もちろんお酒と。
昨日話してて食べたくなったからチーズも食べさせてあげよう。

ひとりじゃ、さみしいよね。なんでもありならここにあの人を登場させようか。
花束持って?薔薇?おいおいベタだろう.
じゃあ 他の花?思いつかない
せめて黄色にするか.黄色いバラの花言葉って何だろ.(→いい意味と悪い意味と両方あるみたい)

そして彼と大団円?いや、流石にそれはベタすぎる。やめよう。
やっぱりいなかったってことにしよう。

そんなこんなしてたらもう夜になるはず
どこに泊めてあげようか。
ローデンブルグのあの素敵な宿もいいよね。朝霧も見せてあげたい.

でも,「毎日」だよ?
あ!そうか!ここから家に帰してあげればいいんだ。
夢オチってのもありきたりっちゃそうだけど。
でも、そうすれば毎日に戻せる。

というわけで帰着。


■解答(A) (フリーライティング)をやってみて感じたこと■

・推敲してはいけない、という縛りのあるフリーライティングの場合、実際に経験した映像イメージをもとにするとどんどん進む。

・フリーライティングは環境を選ぶ.(そんなものとは知らずに通勤電車で始めてしまったので,隣のマナーの悪い客に気が散ってネガばライティングにいきそうになって焦った)

・色や表現についてのボキャブラリーが貧困。(調べたり、候補を比較する時間がないから)
・私は、「私は◯◯する」という文章がすき。そして点のつかない体言止めの文章が。

・意外と乙女チック(な,なさけない、、、(>_<))

■■解答(B) 読み返して校正した文章■■

もともと説明文ではないので,もとの文章を活かして内容が通じるように補正しました。
(私は毎日が点でなくで丸になっているのは,”点のない文章(最後いくつかだけ意図的にあるけど)”のため,そのままでお許し下さい.) 

私は毎日。朝目覚める。顔を洗う。服を着る。どんな服がいいかな。お気に入りの服。
コーヒーを飲む。ヨーグルトは今日はいらない。家をでる。いつもの道を歩く。

いつもの駅に行く。電車に乗る。いつもの電車。でもいつもの駅では降りない。
どこまでも乗る。今日はどこまでも。どこかの駅まで。
そして降りる。どこかの駅で。そこから歩く。どこまでも歩く。

すると港にたどり着く。
そこから船に乗る。キリコの絵に出てくるような赤い小さな旗のついた船。
波は高い。船から離れて泳ごうとする。でも泳いではいけない。
しかたなく海を見つめる。海の青。灰色がかった青。緑がかった青。
そこに混ざるエスプレッソの泡のような波の白。
きらきらひかる水面。ときおり魚が跳ねる。そのまわりに鳥が舞う。静かで穏やかな時間。

でもそんな時間は長く続かない。
急に空が暗転する。雨が届かないのに雷が鳴る。早く帰港しないと。

そして岸に戻る。靴を履きかえる。しっかりとしたスニーカーに。
そしてまた歩く。どこまでも歩く。

いまいるのは茶色い煉瓦の街。お伽話のような街。
車が通る。呼び止められる。ここを出て一緒に行かないかと。でも乗らない。またあるく。
街のいたるところにショーウィンドウが並ぶ。砂糖菓子。ブリキのおもちゃ。本の森。

突き当たりにそのお店がある。暖かいシチューをだすお店。なぜだか私はそこを知っている。
店に入る。小さな木でできた机と椅子。日本の小学校のデスクセットのような。あかあかと燃える暖炉の脇に。
料理と赤ワインとフランスパン。茶色と赤とバターの黄色。
おいしく食べる。沢山食べる。チーズも頼もう。ブルーチーズがいいな。ミモレットも添えて。

名も知らなぬ音楽が奏でられる。だれかのために。私のために?
ふと気づく。自分はひとりだと。いてほしいな。あのひとならば。ここに。
花なんかもってきてくれたらもっといい。黄色い薔薇とか。
でもここにはいないから。

そして店を出る。 ひとり出る。外はすっかり闇。
星が輝く。暗黒の中に。ちいさな光のかけらがたくさん。帰り道も照らしてくれない。

帰り道?

そうだ、 帰り道。
だって。 だいたい、私は、 どこにいるのだろう?
そして、 どこに帰るのだろう?

そこで目覚める。私は気づく。まだ朝がはじまっていなかったことに。
私は、こんどこそ、ほんとうに目覚める。

そして始める。本物の朝を。
わたしの、ほんものの物語を。

■皆さんの解答を読んで■

・みんな 私の方向性とは全然違って面白い.

『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第8回「まずはどんどん書きましょう」

文章教室第8回「まずはどんどん書きましょう」#1 - LawDesiGn

実際の第8回 解答編でもみんなそれぞれ方向がちがっていてとても興味深い.(柴田さんの解答読みたかった!)

・「私は毎日」,になにを続けるか,にそれぞれに個性がでるなあ.

・「私は毎日、妻は朝日」には笑った!

・私のは,全然,「読みやすい文章を書く」練習とははなれてしまいまいたね!

■名残惜しいがあと2回! ではでは.しゆあげん!■


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