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一見ミステリーな子なしの私の5度目の妊娠

1年半ぶりくらいだろうか。私は久しぶりに妊娠した。

妊娠について、こんな違和感ある書き方する人はそう滅多にいないと思うが、私の妊娠については誰かに説明するには相当面倒な事情を抱えている。

端的に言うと、

今回の妊娠は5回目であって、過去の4回は流産した。

流産は何も珍しいことでもなく、妊娠したことのある女性の3人に1人は経験することとも言われていて。ただ連続で、しかも4回も繰り返すように流産するなんてすごい確率で、わたしは選ばれし者なんだと実感している。流石に不育症という病名までついて、2年前には大学病院であれこれ原因を調べた。

とはいえ、これという原因もなく、若干平均よりも血が固まりやすい性質があるということで、妊娠の可能性がある時はアスピリンという薬を飲むことで様子をみている。私のように、不育症の多くの場合は原因は謎で、これといったなすすべもなくスリリングな妊娠を迎えることになる。

それにしても流産はハードな経験で、毎度肉体的にも精神的にも想像を上回るダメージを受ける。私はこの時の悲しみや絶望を文章にすることなんで到底できなかったけど、多くの人が流産体験記をネットで共有していてくれて、それにどれだけ支えてもらったか。そして4回経験してるからと言って、慣れるもんではないということも伝えたい。

今回ここに綴ることは、そんな私の流産経験についてではなく(流産のハードさを言葉で表せる自信はない)、今5度目の妊娠を迎えているわたしの気持ちについて。

現在妊娠9週に入ってみて…。

私の場合6週から毎週診察でエコーを受けていて、行く度に赤ちゃんのピコピコと動く可愛い心臓にこの上ない安堵を感じている。とはいえその安堵感に浸れるのは束の間、診察3時間後には、また気を抜けばいつだって過去のトラウマが邪魔をして、流産というイメージや好ましくない感情で頭と心が侵される。その思考や感情に呑み込まれないことが、私の今の課題。私は自分をリラックスさせるためにヨガで心を整えたり、趣味に没頭したり、お茶を飲んだり、自ら心地のいいことを選択して、そうやってマインドを整えている。

そして初期の流産は、努力して防げるものではないのが事実。この妊娠の行く末は選べないから、結果を手放すことが解決法。これは赤ちゃんがどうなってもいいと諦めることとは違って、子宮にいる赤ちゃんを思いやった上でやることはやって信じるしかないということ。

今までの私だったら、
どうか健康で元気な赤ちゃんが無事に出産できますように…
と祈っていたけど、今回の私はこう。

私のこの妊娠がどのような形になっても、それを歓迎できる強さをください。
目の前に起きる全てのことを、ギフトとして穏やかに受け取れるわたしでありますように。

そして映画スラムダンクの中で沢北が神社で祈っていたようなエッセンスも取り入れて、必要な経験が私の目の前にやってきていると思うようにすること。

流産の経験は決して無駄でも、悲しいだけのものでもない。
確実にわたしを進化させている。



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