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ミュージアムレポート1 新国立美術館

こんにちは。僕は今28歳にして、実は通信大学生なんですが、夏休みに受けに行った授業で、民間ホールで現代音楽などのつよつよなコンサートの企画をしている先生から、「とりあえず美術とか映画とかなるべく観るようにしとけよー」と言われて、はや4ヶ月。今更ですが従順な学生らしく美術館に赴くことにします。

とはいえ、かなーり久々の美術館でとっかかりを作るのが難しいので、今回は新国立美術館でやっていた無料の展示をふたつ観に行きました。

まず新国立美術館に足を踏み入れるのが初めてです。有楽町の国際フォーラムとちょっと似ていて、うねうねした(芸術的な表現ではないかもしれないが綺麗にうねうねした)ガラス張りの建物です。乃木坂駅直結でアクセスがとてもいいですね。閉館間際にも関わらずそこそこ人がおり、開放感があって楽しい場所でした。


大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ

大巻伸嗣さんは東京芸大の教授で、大きな空間インスタレーションを主に作っておられるようです。

写真アップOKということなので、上げていきます。
本当に大きな空間が使われていたので、写真じゃ伝わりにくいとは思いますが、実際に行こうと思っている方にとってはネタバレになるかも知れません。

まずは細長くて広い部屋に置かれたこのオブジェ。
中の発光している物体が上下に動くようになっています。

形は花瓶だけど、構造は昔家にあったランプシェードみたい
この角度から撮ると綺麗


直接みると光で目が痛くなりそうなので、それよりも空間全体を楽しむものかと思います。中の物体の動きに沿って、壁や空間に当たる光の形が変わります。

部屋が長細くてベンチも置いてあるので、居場所を定めて空間の変化を楽しむことができました。

すぐに休憩室を挟むのですが、そこには創作のためのラフ画や計画書の展示がありました。
絵として見られる程しっかりした計画書で、ここからこんなにも大きな空間に落とし込むのはすごい才能だな、と思いました。

続いて。
大きな布が風に靡いています。初めは波のようだと思いましたが、結構多様な動きをします。

とにかく広い。
下の空いたところから風が吹いてくる

近くに寄ると、風を受けるのもあり結構な迫力でした。

何年も前に東京現代美術館に行った時も思いましたが、空間系のアートは僕好きみたいです。海岸を散歩している時みたいな感じで自然に楽しめるからかと思います。

欲を言うと、周りに誰もいなくて布の動きに合わせて自由に動けたらより最高だな、と思ったら、セレクトショップで売ってる目録のような冊子の中に、ダンサーがこの布の中で動いている写真もありました。ずるい。

でも解釈が一致して嬉しかったです。

続いては映像

結構大きく映像が転換する

これは音楽にかなり力が入っていた印象です。笛を加工したような音が印象的でした。
言葉の表現もあったようですが、残念ながら通り過ぎた後に聞こえてきました。

目に見えない何かが描かれている

絵もいくつか展示してありました。部屋の普通の光じゃなくて、独特の明暗をもったこの絵が好きでしたね。なんとなくさっきの空間インスタレーションにも繋がっている気がします。

それと、黒だけで描かれた絵も結構ありました。真っ黒で撮っても仕方ないので撮っていませんが、結構好きでした。

自分の顔が反射している

最後に、それより前に描かれた絵でおしまいです。このボート、多分水に浮いているんだと思うんですが、ちょっと盛り上がっているように見えますね。どういう状況を描いているんでしょうか。ちょっと考えちゃいました。

こんなダイナミックな企画展が何故無料なんでしょう。ちょっと信じられませんが、美術に疎くてもかなり楽しめる大きな空間美術の作品達でした。

渡辺 篤(アイムヒア プロジェクト) 私はフリーハグが嫌い


続いて、ロビーでやっていたこの企画です。

本当はこっちが気になって来ました。ひきこもりの当事者や孤立感を感じている人と協働して作品を制作するのが「アイムヒア プロジェクト」ということだそうですが、美術さっぱりでも、コミュニティ福祉を専攻していたので伝わるものもあるかな〜と思って来てみました。


扉がありました。

扉がありました。

裏はこんな感じ。「フリーハグが嫌い」と言いながら、ハグしてます。

どの場所で会うかというのをかなり大事にしている印象

これは、さまざまな事情があってフリーハグに赴けない人に、作者が会いに行ってハグをしているという図なんですね。

フリーハグって、YouTubeでよく見るからか、ただちょっとハグしようよ的な軽い気持ちで捉えていたんですが、作者はもっと平和的なイベントとしてのフリーハグのことを指しているんだと思います。

で、「その場に居合わせた人以外は大切にできない、平和を分かち合えない」フリーハグに対抗して、様々な理由で外に出てこれない人々とのハグを表現しているんだと思います。

出てこれない理由が写真と共に裏に書かれています。カラフルで綺麗です。

後ろの画像は時間経過で少しずつ変わるという仕掛けもある(解説流し読みしすぎた)

「引きこもり」や「ニート」にはマイナスなイメージもありますが、そうなってしまうのには人それぞれの理由があり、すぐに解決できるものではありません。直接的な解決だけに囚われず、色々なやり方で社会に関わることができる、と気付かされる企画でした。

この方はタイトルの付け方がうまいですよね。どういうことだろうと思って気になって来てしまいました。

ちょっと前に、行ったわけじゃないですが「あ、共感とかじゃなくて。」展というなかなか不思議な名前の展覧会もありまして、それにも参加されていた方のようです。

展示は以上です。いつも閉館ギリギリに来て後悔するんですが、結果的に空いているからゆっくりみれたりもするんですよね。


さて、久々に23区に来たので、思い出の(24時間営業していると知って大学生の時友達とオールしたスタバ併設の)蔦屋書店で本買って帰りました。

昔オールしたスタバは手の届かないワーキングスペースになっていた

そしてこれから他の人の同じ展示のレポート漁ろうと思うので、自分の無知さが露呈する前にさようなら!

↓関係あるようなないような感じですが久々に即興演奏しました

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