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本の感想(ネタバレあり)

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2021年11月の記事一覧

「砂に埋もれる犬」/桐野夏生/ネタバレありの感想文

帯にはこれでもかというほど「牢獄」だの「憎悪」だのと言った煽情的な言葉が躍っている。まるで桐野夏生ここにあり、みたいな。それはいい。桐野夏生先生の著作のなかでも、この本は途方もなく異質であるという意味で、「ここにあり」だと思うからだ。

まぁ、私も帯の煽り文句につられて、買って割とすぐに読み始めた方なんだけど、桐野夏生作品の、もっと酷い場面やラストシーンを見てきた私達(と敢えて言うけど)読者にとっ

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ブロマンスの行きつくところ  「インドラネット」桐野夏生 著(ネタバレあり)

桐野夏生先生のファンである。だから、今回の本も期待大で読んだ。

高校の時の親友とその姉妹とが行方不明となり、26歳の主人公・晃(あきら)は、(冷静に考えれば)身元のよく分からない人間から依頼されてカンボジアへ旅立つことになる。そこで、いろんな人と会い、いろんな目に遭い、少しずつ逞しく変わっていく主人公…、の話かと思って読みはじめた。

で、途中まで、なんら切迫感が伝わってこない主人公の行動と人間

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