雑記:Steamレビューを書く喜びよ

私はゲームが好きだ。
人と実力を見せあい格付けをするのが好きだ。デジタル的に作られた仮初の幸福に没頭するのが好きだ。
禅めいた単純作業が、意味もなく数値を増大させるのが、ひたすら音楽をなぞり続けるのが好きだ。
だが私が真に愛するのは、その幸福を、そして時に苦痛を語る事なのだ。

プレイ中の体験を反芻し、改めて向き合う。
一つ一つ感じた事を整頓する。そうしているうちにプレイ中には見えていなかったものが更に見えてくる感覚は、さながら記憶という洞窟をランタン片手に進んでいくかのようだ。
好きなゲームと向き合い、語る。ひたすら文章の形を与える。思いの中を発掘ディグる中で、私は愛するゲームとより深く繋がり、そして一体となる。
掘り起こされた思いに光を当て、読むに値する文章にすべく磨き上げる最中で、思わぬ輝きと出会い、より一層ゲームが好きになる。

しかし壁に向かってぼうっと書いているのでは虚しい。誰に届けるでもない文章を書き続けるのはそう気楽なものではないし、何より滾らない。
そこでSteamである。膨大な怪文書をストアページに足跡として残し、後続の指標に……いや、通りすがりの哀れな犠牲者を黙読奴隷として消費する。
ことSteamレビューにおいて、消費されているのは書き手ではない。読み手だ。
お前たち読者は言うなればコートを開いた露出狂の前に立つ女子高生であり、筆者の自己満足の為に都合よく用意された舞台装置なのだ。

かくして全てが揃い、私は日々レビューを書くようになった。

そしてレビューするほど深入りしたゲームも尽きてきた頃……

noteを読む君達が次のターゲットになった。

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