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クラシックの夕べ #1

☆菩提樹 / フランツ・シューベルト
   : シャル・ロッテ・レーマン(S)

 
「菩提樹(ぼだいじゅ)」は、オーストリアの作曲家シューベルトによる歌曲集「冬の旅」の第5曲。
あとでこの歌曲の意訳を掲げる。

 唄うはドイツの声楽家ロッテレーマン。

 1914年のデビュー以来オペラで活躍して歴史的マエストロ トスカニーニなどから絶賛される。

 ブルーノ・ワルターはその自伝のなかでこう語っている。「ロッテ・レーマンの扮した『バラの騎士』の元帥夫人からは、同時代のオペラ舞台のもっとも意義ある業績のひとつが光を放っていた。そのとき私は、芸術家と文学上の人物とが一致するというあの稀な現象に出会った」と。
 1938年にナチスの台頭によりオーストリア合邦がなされ、反ナチだったレーマンはアメリカ ロスアンジェルスに移住。
 アメリカに移って以後もオペラには精力的に出演していたが、並行して歌曲の録音も行い生涯で500曲以上の録音が残されている。
 1945年、57歳の時にオペラを引退したがレコーディングは1951年に引退するまで続けた。
 それ以後はカリフォルニア サンタバーバラ音楽院やシカゴ、ロンドン、ウィーンと言った名だたるオーケストラのある都市で教鞭を振るったが1976年にこの世を去った。
 ハリウッド 名声の歩道には1735番目に音楽業界への貢献を讃えられてその名が刻まれている。

 本年2月、1930年代のODEONレーベル時代のものを中心にシェラック盤録音の全集がマーストンからリリースされた。
 本日取り上げる曲は残念ながら収録されていなかったので小生保有のSP盤はある意味でレア音源かも?知れない。
 

「菩提樹」/ シューベルト
(訳詞)

門の前の井戸に
そこに菩提樹が立っている。
私はその木の陰で夢を見た
たくさんの甘い夢を 

私はその木の皮に刻み込んだ
たくさんの愛する言葉を
楽しい時も悲しい時も 引き寄せられた
いつもその木へ

私は今日もまた歩かなければいけなかった
夜中に(木の前を)通り過ぎて
そのとき まだ暗かったけど
私は目をつぶった

そしたら 枝がざわざわと音を立てた
私に呼びかけるように
ここに 私のところに来なさい、若者よ
ここで君の安らぎが見つかりますよ!

冷たい風が強く吹いた
まっすぐ私の顔に向かって
帽子は私の頭から飛んで行ったけど
私は振り返らなかった

          ヴィルヘルム ミュラー詩

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