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「あ」あごにスキヤキついてるよ

ウチでは子どもらがスキヤキが好きだったのでよく作っていた。

週最低1回は作るお肉が多いわりに低コストの料理を
「スキヤキ」と呼んでいたが、
ヨソで本物のスキヤキを食べる機会のない子どもらにはバレなかった。

子どももだけでなく犬もスキヤキが超大好きだった。
いつもほとんど肉さえもらえなかったが、
作っている時から、そばをくるくる回って離れす、
自分のドックフードの上にスキヤキの匂いのする白菜がのっただけで
すごい勢いで食べた。

思い出しても涙を誘う。

いつも食が細かったが、「ドッグフードがおいしくない」から細かったのだろう。

ところで秋になり、たくさん踏まれてボロボロになっている枯れ葉が犬のアゴについていると
「あごにスキヤキついてるよ」とよく娘に言われた。

犬にとっては何のことか分からなかったと思うが、
世の中の人はあんな向こうが見えるような薄切りのレース状の葉のことを
スキヤキ肉に見立てて
「スキヤキが付いているよ」と言っているなんて
何のことだかさっぱり分からなかったであろう。


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