哀愁のはなし

暑い。


最近、急に暑くないですか?

感染症予防のマスクがはりつく暑さ。


つい先日、母校の先生と"こども心"について話した。
子どもの頃の無垢な屈託のないキラキラした気持ちって、どこで落としてくるんやろうね。


私は小学生の頃から
ガサツで、男の子みたいな子どもだった。

女の子の友達は限られていて、女子特有の雰囲気を苦手に感じる時もあった。


受験が近づいても塾の時間ギリギリまで

男の子たちと虫を捕まえたり、おにごっこをして遊んでいた。

中でも、特に気の合う男の子がいて
(A君と呼ぼうかな…)

家も近く、親同士も顔見知りで
よく私の家に遊びにきてくれた。


私は変な子どもだったが、(自覚あり)
A君とは波長がめちゃくちゃ合う。

「雨の日って水溜りぜんぶ踏ん付けたくならん?」「わかる。」

「傘ってさ、ひっくり返した方がかっこよくない?」「わかる!」

という感じで

他にも秘密基地を作ったり、
ノラネコに餌をあげて仲良くしたり

とにかく毎日のように遊んでいた。

私はダンスがしたい一心で、
あろうことか中高一貫の女子校に進学し、


彼とはめっきり合わなくなった。



私はたまに彼を思い出していたけれど、
連絡先も知らないし、


近所で見かけたとしても、
成長したお互いの姿が照れくさくて
うまく話せなかった気がする。




成人式の日、


式場には地元の友達がたくさんいて
懐かしい話で盛り上がった。

私はA君を見つけることができなくて
ふと話題に出すと、

「彼、結婚するらしいよ」

と言われて驚いた。

厳密には結婚したのか、する、のか
驚きすぎて明確に思い出せない。


あんなに仲良しだったのに
直接おめでとうが言えないことが悲しかった。

なんとなく、2度と会えないような気がした。


「あいみちゃん変な子!」
と言われて泣いていた私に

あいみは変で面白いよ
と言ってくれたA君。

(変ってところは訂正せんのかい)


絶対幸せになってほしい。

彼は今でも水たまりに入りたくなるだろうか。

それとも、もう忘れてしまっただろうか、、。






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