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無慚

前向きな大人は後ろ向きな悲しい人間など見もくれず、だだ進んでいく。

失恋をした。もう1年も前に。酒を飲んでも、ラーメンを食べても何も変わらない。暇があれば想い出をなぞるばかり。新たな出会いも全て形だけ。

失敗をした。仕事は慣れない。自分では把握しきれないこと、知らぬ間に進んでしまったこと、目を背けてしまったことの全てが自分の"せい"として返ってくる。周りは笑う。呆れる。うんざりだ。

家族のありがたさを知った。経済的に苦しい家庭だが大学に行かせてくれた。大量の奨学金があってもそんなことはどうでもいい。生きていてくれればいいのだ。

いつまでも前を見ることができない。前に進むことが怖い。中学時代は早く高校生になりたい、高校時代は早く大学生になりたいと、いつも先を急いで生きていた。大学時代はインターンなんてして社会にまみれたりして、馬鹿みたいだ。

何で怖いのだろう。なぜ先を急いでいたのだろう。自己肯定感?なんだそれ。評価、評判?くだらない。

西麻布のサウナでくどいビジネスの話をする奴ら。せめて風呂から上がってからすればいいのに。

攻めとか受けとか好きにすればいいのに。

誹謗中傷も悪口も自分が正しいと思い込んで周りが見えなくなってしまった悲しい大人も。
居酒屋で酔った時にしか本音で語り合えない悲しいおじさんも。

全部全部何かに怯えてるんだろう。

後ろ向きに今日も、下を向いて今日も。
半歩で1cmでも前に進んでいる。

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