- 運営しているクリエイター
記事一覧
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(1)
最近身内の輪にて、オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)が話題となっている。とんとゲームにごぶさたであったいい大人の友人知人たちも手を出すほどだ。わたしはそのうちの何人かに、先輩冒険者として付き添った。
本人の許可は取った。彼も自分の変化についていけず、客観的な観察を受けることを望んでいる。特定はなしだ。彼を守るために時間差で投稿し、記述にはフェイクも入れる。
これ
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(2)
このお話はノンフィクションのシリーズとなる。が、わたしがこの手の実録を書き記す時には必ず、「この話は限りなくフィクションです」という逃げを打つ。登場人物を守るための形式的なものと思ってご了承いただきたい。
そしてこのパラグラフは個人的な気持ちを表明する前置き。
わたしはパートナーに同性を選ぶ方も異性を求める方も否定しない。こんなタイトルをつけたのは注意を引くためだ。わたしは時々、正しくないタイト
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(3)
この話はフェイクを多分に入れたノンフィクションまたは完全なるフィクション。そう思っていただかなければ続きを書くことはできない。タイトルは人目をひくためひどいものにした。気分を害された方がいたら陳謝したい。
ここから本文 今後は上の言い訳的文章は省く。
彼には彼の、わたしにはわたしのライフサイクル、ライフスタイルがある。2週間弱離れて遊び、再会してみるとたくあんの様子はだいぶ違っていた。優遇サー
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(4)
初手、喧嘩の売りあい。
不穏な空気を感じ取ったたくあんは、さっと間に入ってきた。彼はこういった揉めそうな空気が大の苦手なのだ。
「だめ! そういうのだめだよ、初対面でしょ」
tellが飛んできた。なぜにわたしが先に叱られる。あちらにも送っているのかもしれないが確かめようがない。それにしても、たくあんはチャットの口調もすっかりかわいい系になってしまっている。お前は少女漫画に出てくる男子か? キャ
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(5)
たくあん王子の希望でゼーメル要塞(という名のインスタンスダンジョンが『ファイナルファンタジーXIV』にある。以下、ゲームタイトルはFF14、インスタンスダンジョンはIDと略する)に行くことになり、わたしは慌てて自分のフレンドを助っ人に呼んだ。「2対2にしないと負ける」、ほとんど直感的にそう思ってしまったのだ。見知らぬメンバーが参加することに、たくあんもクロも不満はないようだった。人見知りしない連中
もっとみるホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(6)
久しぶりに更新。この物語は本人たちの許可を得て書かれた、事実を基にするフィクションです。念のため。と、これも久しぶりに書いておく。
「タクが変なんだよね。何か知ってるでしょ」
と、りつ子がわたしを呼びだした。りつ子は(今、適当に仮名をつけた)。白衣の似合う40代半ばの女科学者だ。安直なネーミングだと笑ってもらえれば以後の展開が少し気楽に読めるだろう。りつ子は我らがミコッテ王子、たくあんを「タク
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(7)
りつ子はばらばらになりそうだった。自分を愛し、すすんで自分に服従する長年連れ添ったパートナー、そのはずだったたくあんがNOと言い始めたのだ。彼の反抗で、彼女の予想以上に、彼女の心の安定は大きく崩れた。愛されているという自信、自分の思い通りになるという驕りが失われ、見る見るうちに元気がなくなっていった。
仕事は休めない。親に相談? とんでもない。友人に打ち明ける? そんなみっともないこと、プライド
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(8)
その日わたしはこのエントリのタイトルのように、たくあんとクロの間に挟まっていた。大きくはないソファで3人がぴったりぎゅうぎゅうだ。なぜわたしを間に置いたのか。二人が「この位置関係がいい」と言ったからだ。わたしは挟まっている、挟まっていた。きっと愛し合っていることがほぼ確実に正解で間違っていない疑いようのない、この二人の間に。幸いなことに、本人たちに望まれて。
あの爆弾tellが来てから、わたしの
ホモに挟まる女になってしまった in Eorzea(9)(完結)
円満告白両想い、エターナルバンド(以下、エタバンと記す。『ファイナルファンタジーXIV』内の結婚式に似た、キャラクター2人の特別な絆を結ぶイベント)の約束も取り付けた、たくあんとクロの間にわたしは見事挟まった。ほぼめでたしめでたしと言っていいだろう。
日を改めてわたしはクロと話をした。
「なんであの大事な日にわたしを挟んだ?」
「自信がなかったので」
「あるって言ったじゃないか。好き同士なのに