心の傷はお金で癒えない


#お金について考える

私は今年成人式を迎えた。

本来であれば社会人2年目であるが、最近までうつ病の症状がひどく、働けていなかった。

親からの声援が呪文のように感じられ、無理して働くと体調を崩し、仕事はどれも続かなかった。

私がうつ病と診断されたのは16歳の時。

当時ある被害に遭い、事情聴取やら裁判やらで心身ともに憔悴しきっていた。

それまで励んでいた勉強や趣味である小説・詩の創作に手がつかなくなった。

やがて私は不登校になり、未来へと敷かれたレールから脱線してしまった。

不登校になったのは同級生の中で自分だけだという不安や孤独感から自責する毎日。

「このレールから外れたらまともには生きていけないのかもしれない」という焦燥感。

その苦しみは経験した私にしか分からない。

自殺未遂までしてしまい、今も身体の中に金具が埋め込まれている。

まるで生き地獄のようだった。

外に出れば視界に移るもの全てを「死」に結び付けてしまい、家に戻れば優しくしてくれる家族に怯えてしまう。

心の傷は、治らない。

治ったかと思えばぶり返し、焼き付けるような痛みで主張してくる。

そんな苦しみを3年間、ただ耐え続けるしか無かった。

ことが進んだのはちょうど半年前。

加害者の親族がなけなしのお金を集め、「この金額を払うからもう終わりにして欲しい」と許しを求めてきた。

私の結論はもちろん、NO。

私には教師になるという夢があった。

小学校の時の恩師に影響を受けて、高校受験では努力の甲斐あって進学校に合格し、国公立大学の教育学部への進学を目指していた。

しかし、加害者のせいで私の未来は砕け散り、一生治らない心の傷も負ってしまった。

私の描いていた輝かしい未来と、そこで得ていた幸せを思えば一生許せるわけが無い。

病院代も生活費も何もかも親に払ってもらっていて、私は今にも罪悪感で押しつぶされそうなのだ。

直接的ではないが、被害の後もこういった苦しみがあることを知って欲しい。

加害者もその親族も、結局は被害者である私のことなど何も考えていない。

誰かの人生や命はお金で買えるものでは無い。

皆さんには誰かを傷つける前に、改めてもう一度考えてみてほしい。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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