【歌詞批評】恋の多様性: Mr.Children『LOVE』

 Mr.Childrenの「LOVE」の歌詞は、傑作である。
 それは恋愛の一般的な枠組みを超えた特別なつながりが描かれている点にある。

「彼になる気もなくて 責任などさらさらさ
でもね 少し胸が苦しい」

 特定の女性に対して抱いている複雑な感情を表している。彼はその女性と正式に付き合うつもりはないものの、彼女に対する特別な感情があり、そのために胸が苦しくなることを告白している。この矛盾した気持ちは、恋愛の曖昧な境界線をうまく描いており、友達以上恋人未満の存在感を示している。

「時々は電話しておいで」

 その女性にとっての相談相手、つまり信頼できる存在でありたいという思いが表れている。
 これは、彼が彼女に対して責任を感じないまでも、彼女を気にかけていることを示している。
 この関係は、純粋な友情以上のものを感じさせ、一般的な友情関係とは違った形での親密さを提供している。

「昔 野球で鍛えた君の彼氏に
殴られるのもなにか違ってる」

 彼女に対して手を出していないため、浮気ではないことを強調している。これは、彼の行動が道徳的な範囲内にとどまっていることを示している。

「でもいいじゃない それもまた一つの Love」

 彼氏彼女の正式な恋愛関係や燃え上がるような恋情ではないが、彼とその女性の関係もまた一つの「愛」であると肯定している。
 この視点は、複雑な人間関係や、多様な愛の形を理解し受け入れる柔軟性を示している。

 Mr.childrenの「LOVE」は、恋愛の曖昧で複雑な関係性を見事に描き出し、恋愛の多様性を讃える優れた作品である。

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