【神秘】メデューサ: 屋久島

 屋久島の原生林の中を登っていた。背が高いスギやヒノキの間を縫うように、緑豊かな山道を進むと、目の前に広がるものすべてが自然の神秘に満ち溢れていることに気づいた。森の息吹は鳥たちのさえずりや風の音と共に、思考を深い静寂へと誘った。

 旅の半ばで、一つの不思議な植物、メデューサに出会った。見たこともないその形状、木の幹から無数の触手のようなものが放射状に広がっているさまは、まるで海の底から迷い込んだようなその名の通りの神秘的な美しさを持っていた。

 それはまるで宇宙から来た生命体のようにも見え、その異形の美しさに息を呑んだ。触れてみると、その枝は頑丈でありながらも柔らかく、生命の力強さを感じさせた。

 思わずその姿を眺め、その神秘性に言葉では言い表せない深い感動を覚えた。それは自然への敬意を深める一つの瞬間であった。

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