【歌詞批評】キャンディーの中の恋愛感情: Mr.Children『CANDY』

 Mr.Childrenの「CANDY」は、傑作である。その理由は、キャンディーという比喩が恋愛感情を豊かに描いているからである。

 キャンディーは恋愛感情やそれに伴う複雑な心情を表現するために使われており、甘酸っぱさやほろ苦さといったキャンディーの風味がその感情の様々な側面を象徴している。

「上手に包んで仕舞ったものが「飛び出したい」と疼いてる」

 抑えようとした感情が自然と表に出てくる状況を表す。これは「CANDY」の包み紙に例えられ、包み込まれたキャンディーのように、自身の感情を上手く隠し、包み込んでいたものが飛び出してこようとする疼き、つまり感情が抑制から解放されようとする状況を示唆している。


「ほろ苦いキャンディーが
まだ胸のポケットにあった」

「甘酸っぱいキャンディーが
僕の胸のポケットにあるんだ」


 キャンディーが言及されるとき、それは喜び、期待、悲しみ、切なさなど、恋愛における繊細な感情の変動を表している。

 また、「君が食べておくれ」というフレーズは歌い手自身の内なる感情や経験を他者、特に愛する人に理解してもらいたい、共有したいという願望を示している。

 歌詞全体から、人間の脆さや弱さ、そして愛情に対する深い渇望が伝わってくる。その感情の揺れ動きは「CANDY」の比喩を通じて巧みに描かれている。

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