【歌詞批評】愛の不確実性と美: Mr.Children『しるし』

 Mr.Childrenの「しるし」は、傑作である。
 それは愛の不確実性と美が巧みに表現されているからである。

 「半信半疑=傷つかない為の予防線」は、人間関係の脆さと不確実性を象徴する。
 これは、深い関係を持つ際の脆弱性を防ぐための防衛メカニズムを暗示している。この感情的防衛は、自己を傷つける可能性から保護するものの、同時に深い絆を築く可能性を制限するという複雑な矛盾をもたらす。

 また、

「心の声は誰が聞くこともない
それもいい そのほうがいい」

 というフレーズは、私たちが他人に対して完全に開放的になることの難しさと恐怖を示す。
 これは、どれだけ心を開こうとしても、最終的には私たち自身の内なる声を理解できるのは自分自身だけであるという、孤独の安全性を伝えている。

 「それが君と僕のしるし」という部分は、愛とは絶えず変化し、不安定であるが故に美しいという考えを強調する。
 これは、関係が固定的で予測可能なものではなく、動的で変わりやすいものであるという洞察を提供する。また、この不安定さと複雑さが恋愛関係の本質的な一部であることも伝えている。

 「しるし」は愛の不確実性を美しく捉えた優れた作品である。

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