【歌詞批評】自己と社会の調和: Mr.Children『HANABI』

　Mr.Childrenの「HANABI」の歌詞は、傑作である。
　それは、自己と社会との間に生じる矛盾や衝突を鮮やかに描くからである。

　「考えすぎで言葉に詰まる」

　自己反省や他者への配慮が過度になると、自身の思考が混乱し、逆に言葉が出なくなるという矛盾を描いている。
　これは、多くの人々が日常的に経験するものであり、思考が過剰になると、逆に自己表現の機会を失ってしまう可能性について教えてくれる。


「自分の不器用さが嫌い
でも妙に器用に立ち振舞う
自分はそれ以上に嫌い」


　自己のありのままの姿と、社会的な期待に適応しようとする自己との間に存在するギャップを描いている。
　私たちが周囲の期待に対応するためには、自己の本質を捻じ曲げることがしばしば求められる。そのような自己の変容についての矛盾と葛藤を表している。

　「HANABI」の歌詞は、自己と社会の調和における内面的な葛藤を見事に描き出す優れた作品である。