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スキーマ療法①「認知行動療法よりも深く自分を掘る」

スキーマ療法との出会い

カウンセリングを始めてからしばらくして、スキーマ療法という心理療法の存在を知った。やってみたいと思ったきっかけは、伊藤絵美さんのこの記事だった。

カウンセリングで取り組んでいることにも共通している部分があると思うし、興味はあるけどやるのはどうなんだろう…と思っていたのだが、伊藤絵美さんのこの言葉で「やってみたい」と思うようになった。

「深いところまで見に行く一方で、行き先や枠組みもかなり構造的に決められて、予測されています。 認知行動療法は浅いところを潜るシュノーケリング、スキーマ療法は安全装置をたくさんつくって深く潜るスキューバダイビング、精神分析はどこに行くか決めないしわからない潜水、というイメージですね。」

そこで、この記事にあるワークブックを使って自分で取り組み、自分の中に見つけた発見や引っ掛かりはカウンセリングで向き合うようにしてみようと考えた。

このワークブックは、とてもわかりやすい。そして優しさと寄り添いに溢れている。丁寧にじっくり、自分のペースで取り組めるようになっている。

スキーマ療法は時間がかかると言われている。このワークブックの前書きにも「このワークブック1冊を1年かけてやるぐらいの感じで」とあった。

私はどんどん進みたいタイプなのでそんなのは無理だと思っていたのだが、丁寧にやらざるを得ないのだなと実感している。始めて3か月で、3分の2程度まで進んだ。それでも早いのかもしれないが、成育歴を既に棚卸ししているからだと思っている。

スキーマ療法については、この方の記事にとてもわかりやすい説明がある。
(私は自分の記録を載せるのみなので、特に何も説明は書かないつもり)


お膳立てとは

スキーマ療法に入る前に「お膳立て」をする。
ワークブックも、1冊目はほぼお膳立てに使われている。それぐらい大事だということなのだけど、やってみて本当に大事なことだと実感した。

著者の伊藤絵美さんは、無理をしないで自分のペースでできるところまで、ということを繰り返しワークブックの中で書かれているが、これは心がけましょうと何度も書いているのが「外在化」だ。

書き出すこと。頭の中だけにとどめておかずに、外に出す。これがとても大事なんですとのこと。そのため、ワークブックにも外在化するためのスペースをふんだんに取ってある。

このお膳立ては、スキーマ療法を進める際にしんどくなる時、自分を助けてくれるものを準備するという意味なのだそうだ。セルフヘルプで進めていくので、自分で自分を助ける方法も身につける。

お膳立て①:自分の生きづらさの自覚、サポートネットワークを作る

自分が今どんなことを辛い、しんどいと思っているのかを書き出す。
そして、自分のことを助けてくれる存在について自覚する。

このサポートネットワークについては、自分を助けてくれる存在といっても、そういう気持ちになれるものだったら誰でもいいとあった。近所のお店で挨拶するたびにホッとできる年配の女性、とか、いつも通りがかりに撫でている猫、とか。
完成した自分のサポートネットワークを見ると、ホッとして涙が出た。

そして、セルフケアという言葉が出てきて、自分でももう少し知りたいと思い、同じ伊藤絵美さんが著者のこちらの本を読んでみた。

優しい言葉でとてもわかりやすく書いてある。私には少し物足りなかったが、そもそも本当に弱っている人に対して書くのなら、こういった内容になるのだろうと思う。

ちなみに内容はワークブックとかぶる部分が多くあったので、ワークブックをやるのならこの本は特に必要が無いと感じた。とてもいい本だけれど。


お膳立て②:認知行動療法のやり方を学ぶ

セルフモニタリング、自動思考を学び、自分を内観することを身につける。
スキーマ療法は、認知行動療法の延長線上にあるものだからだ。認知行動療法のやり方を理解しておく必要がある。

認知行動療法については、カウンセリングで勧められたこちらの本を既に読んでいた。

分厚い本だが、難解ではない。自分の認知を扱うためのいろんな方法が載っており、今でも時々読み返す。ただ、強いスキーマがある私には認知行動療法だけではどうにもならないことが多いのだなということがわかる。

でも認知行動療法って面白いなと思うようになった。言語化してアセスメントをして…という手順が、私の性格に会っている。スキーマ療法に役立つのであれば、もう少し掘り下げたい。という訳で、同じく伊藤絵美さんのこちらの著書を読んだ。

事例ごとにいろんな技法が載っており、非常に読みやすくわかりやすい。認知行動療法だけで楽になれるしんどさも、確かにあるだろうと思った。
認知行動療法は、しんどさに関係なく全人類が学ぶといいのではないかと思う。学校の科目にも入れたらいいのではないか。


お膳立て③:マインドフルネス、コーピング、安全なイメージ作り

マインドフルネスは少しやったことがあったけど、ここで取り組めたことは本当によかったと思う。いろんなところで「マインドフルネスはとても大事」というのを見かける。そして、自分でも実感している。

「やろう、やらなきゃ」とはならずに、家事や通勤の途中などで数分でいいので少しずつ取り組んで慣れていきましょうとある。確かにマインドフルネスを無理して義務付けるとか、本末転倒もいいところだ。

私はカウンセリングで教わった自律訓練法をたまにやっているので、マインドフルネスに関しては、自分の自動思考に対して取り組むことがメインになっている。ジャッジせずにただ自分を観察する、というのはとても楽になれる。

コーピングは、自分をほっとさせたり助けたりするようなことを見つけて「コーピングレパートリー」を作成する。それをしんどい時に実践していくのだ。本当にささいなことで構わないので、なるべく多くレパートリーを持っておくといいらしい。

私は「シャボン玉をする」「あちこちオードリーを見る」「散歩する」「お茶しに行く」などなど。

そして安全なイメージ作り。
スキーマ療法で過去の辛い記憶やイメージのワークをする際に、必ず始める前と終わった後にそのイメージを思い浮かべる。これはとても大事なことらしい。辛い気持ちやイメージを日常生活に持ち込まず、そこで区切ること。カウンセリングだと構造化されているので、そのカウンセリングの場だけでいったん終わりにできる。それを自分でやるということなのだと思う。

これがなかなか難しかった。私の安心できる、安全だと感じるイメージって何だろう?と思い浮かべるのにしばらくかかった。
(後日談として、トラウマ治療の際にセラピストが私の話から提示してくれた安全なイメージがドンピシャだったので、やっぱり専門家と一緒に取り組むのがいいのだなと実感した)

ここまででお膳立てが完了。次からは自分の成育歴の年表作りに入る。
(②に続くけど、いつ書くかはわからない)



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