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トラウマ関連の読書記録①「トラウマとボトムアップについて知る」

「誰もがトラウマを持っている」

トラウマ。
自分にトラウマがある、と認める人はなかなかいないのではないか。
トラウマと言うと、大きな事故や生死にかかわる体験をすることでできるものだというのが世間一般の認識だと思う。
あとは「トラウマになった~」みたいに軽く使われるぐらい、自分には縁の無いことだと考えられている。

私もアダルトチルドレンの治療やスキーマ療法に取り組んではいるものの、トラウマという言葉には無縁だと思っていた。
その認識を変えるきっかけになったのは、この漫画だった。

(三森さんのリプのところに第2話以降も貼ってある)

三森さんのように過酷な経験はしていないので、最初は「こういうのもあるんだ」という程度だった。
それでも気になっていたので、三森さんのトラウマ治療についてのスペースを聴いた。アダルトチルドレンでもある三森さんは(当然か。アダルトチルドレンでトラウマの無い人とか、トラウマがあるのにアダルトチルドレンじゃない人っているのだろうか)それはもういろんな方法で自分自身と向き合って過去を振り返り語ってきた人だった。
そして、三森さんの話す症状の多くが私にもあったこと、「頭ではわかってるんだよ、でもどうにもならない部分がある」ということ…それって私じゃん…と頭を殴られた感じだった。

トラウマ?そんな大げさな、とスルーできないのではないか?
私にもトラウマはあるのでは?と思うようになり、三森さんの受けたEMDRなどの治療に興味を持ち始めた。
まずはトラウマについてもう少し知りたい。

という訳で、手始めにこちらの本を読んだ。

長くないし途中に漫画が入ったりしていて、しかも優しい文体で、わかりやすい。この本で「パーツ」という概念を知った。
過去の傷ついた体験で抑え込んだ怒りや悲しみなどの感情が「パーツ」となり、今の自分とは切り離されて保存されていて、傷ついた体験と似たような状況で抑え込んだ「パーツ」が出てくる。

スキーマ療法だと、「パーツ」に当たる部分は「傷ついた子どもモード」の自分になるのだろうか。そして「内在化された声」は「スキーマ」あるいは「傷つける大人モード」か。
このトラウマになった「パーツ」を癒すのに「パーツワーク」という方法があり、「内的家族システム(IFS)」という心理療法があることを知った。

この本の中に「トラウマは誰にでもある」とあった。
生死にかかわるような体験ではなく、心を動揺させるような体験でもトラウマになるのだと。特に幼少期。
その傷つきに気づいて認めて癒していくということが必要になるのだけど、これってアダルトチルドレン治療やスキーマ療法とどう違うのだろう?同じ?この辺りはもう少し突っ込んでいろいろと学んでみたい。


「トップダウン」ではなく「ボトムアップ」

さて、EMDRに俄然興味が出てきた。
スキーマ療法やカウンセリングで、自分の中はかなり見えている。自分の抱えているものや過去の傷つき体験に向き合い、外在化し、語ってきた。
私の抱えている不適応を起こしているスキーマや、それがどういう時にどんなモードになるのかも見えてきている。
それでも、私には体に出ている反応が残っている。

・喉の奥が詰まる感じ
・軽い予期不安
・日常生活や他人には影響はないものの、強迫的なこだわりがある

喉の奥が詰まる感じは、高校生の頃から続いている。
苦しくて辛いというほどではないが、やはり気になるし気持ちのいいものではない。検査しても異常なし。
軽い予期不安については、パニック障害の発作は起こしたことがないものの、少し怖くなってしまう状況がある。美容院のシャンプー、MRI、うつぶせになって受けるマッサージ、顔を覆われるエステ、歯医者(特に歯型を取る時)などなど。「ここでやめますと言えない」という身動き取れない状況が怖いらしい。これは1年以上前に医療機関で相談し、頓服をもらったことがある。
強迫的なこだわりは、自分がルーティンをきちんと決めて守るタイプだということを抜きにしても、やっていることが苦しい時がある。

これらのことは、自分の中が見えたり「なぜそういうことをするのか」ということが分かっても、なかなか消えるものではない。そして何より三森さんの心の叫びと同じように「頭ではわかってるんだよ」ということ。これが実感としてすごくある。

そして次に読んだのはこの本である。

この内容がドンピシャであった。
事例が複数載っているが「あ、これでこんな風にトラウマになるのか」というようなものがほとんどだった。治療に対する敷居を低くしてくれた。
自分が胎児で母親のお腹にいた頃のトラウマや、解離性健忘のように記憶から排除している出来事のトラウマなどもあり、それは自分で向き合うだけではわからないしどうにもならんわ…と絶望した。

この本にあったのが、いわゆるカウンセリングやスキーマ療法などは「トップダウン」で、EMDRは「ボトムアップ」の療法であるということだった(三森さんは漫画の中で「トップダウン」を「理性」、「ボトムアップ」を「本能」と描いていた)。

頭ではわかっているけどどうにもならない部分は、きっと本能レベルで記憶されていることなのかもしれない。

EMDR治療は「高速道路」だとあった。精神分析で何年もかかり、認知行動療法で何十時間ものセッションやワークをするところを、短縮することができるとのこと。

治療内容の詳細は書かれていないが、経過などを読むと「これほんとに…?マジ?」と思ってしまう。その辺のスピリチュアルセッションか!と突っ込みたくなる。

それでも、これはれっきとした心理療法なのだ。1989年にフランシーン・シャピロ博士が開発し、エビデンスもあり、PTSDの治療としてWHOが推奨している。



ここまできたらやってみる

カウンセリングも佳境に入り、自分の身体反応の方に目が行くようになってきた。
EMDRを専門とするカウンセリングが近くにあるのがわかったので、受けてみることにした。
最初に貼った本にもあったが、トラウマ治療についてはまだまだ認識されていないのが現状らしい。いわんやEMDRをや。
自分の中にどういう変化が起きるのか、楽しみになっている。




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