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カウンセリング/30回目

否定されたと感じていたのはインナーチャイルドだった

年末年始は平和な日々だった。ひさびさに夫が毎日いる期間を過ごし、ゲンナリしたりイライラすることもあったが、概ね平穏な日々が過ぎていった。
私の内面も安定していた。EMDR治療で一番厄介な記憶を扱っている途中なので心身に負担を感じる部分はあるものの、それはそれ。今の自分自身が感情に圧倒されたり、どうにもならない気持ちになることは無かった。

そんな中、1つだけ些細な出来事があった。
夫に、以前話したあることを「あれってどうする?」と訊いたら「いや、それはちょっと今は」と言葉を濁して不機嫌そうに黙ってしまった。夫はこういった答え方をすることがとても多い。
結局これって、自分の都合が悪いから黙り込んでいるというだけで、夫がただただ子どもっぽい言動をしているのだけど、以前までは「不機嫌になってしまった、どうしよう」と不安になったり「否定された」とショックを受け怒りに変わったりしていた。そして夫にますます心を閉ざしていった。

他人の不機嫌については既に何とも思わなくなっていたので気にならなかったが、今回も「否定された」とショックを受けた自分がいた。
そしてすぐにこれは自分の昔傷ついた部分がダメージを受けている、つまりインナーチャイルドが「否定された」と傷ついているのだなと気が付いた。

という訳で、インナーチャイルドと対話する。
「否定されたと思ったんだね。昔は話を聞いてもらえなかったり、それは違うと否定されたりしていたからかな。寂しかったよね。大丈夫、私は否定しないよ。何でも聞くよ。何でも話して」
こんな感じでやり取りすると、だんだん気持ちが落ち着いてくるのが分かる。そう、寂しかったし認めて欲しかった。

ここからは大人の私の出番である。
「否定された」という感情が無くなってから考えてみたら、最初に書いたように夫は単に自分の都合が悪くあまり考えたくないので言葉を濁しているだけなのだろうとわかる。私のことを否定している訳ではない。
しかも、決まり悪いので不機嫌そうにするのだ。何歳だよ全くとは思うが、悪意は無い。
否定したわけじゃなかったんだよなあ、と納得したところで私の中でこの1件は終わった。

本当に些細な出来事で、夫と喧嘩したわけでもその後険悪だったわけでもない。ただ、私にとっては「こうやって嫌な感情も対処していけばいいんだな」という自信につながった。
嫌なこともネガティブな感情も無くならないけれど、インナーチャイルドを育てながら対処していけそうだと思った。

という訳で、次回を最終回にカウンセリングを卒業することにした。
カウンセラーに話したところ「だいぶ変わりましたね。やっていけるだろうと思いますよ」と言われた。


トップダウンで認知を扱う方法の限界

カウンセリングのおかげで(あとは読書やスキーマ療法もかなり効果があったと思う)、私の認知は大幅に改善した。過去に何があったか、何に傷ついてどんな感情があったのかということについては外在化し尽くしたと思う。
そして、これ以上は認知や思考をどうこうしても変わらないと感じる。ここが限界点なのではないかと思う。

あとは身体に記憶された傷つきや当時の感情が私をしんどくさせているが、これは認知からでは何もできない。神経系や内臓に記憶されたことについては、ボトムアップの方法で取り組んでいくしかない。EMDRはボトムアップの治療になる。

ただ、いろんな本でも読んだように、自分の認知に向き合うことも避けることはできない。トップダウンもボトムアップもどちらも必要で、いくつかの方法を自分に合ったやり方で組み合わせて取り組んでいくことが大事だと読んだ。まったくその通りだと思う。そして今の私は頭よりも身体で傷つきを癒したいという感覚が強くなっている。

という訳で、感慨深いが次回は最終回の予定。

昔はやめたいと思ってもやめられず、中途半端にフェイドアウトすることが多かった。やめますと言うと相手が嫌な気持ちになるんじゃないかと思い、却って相手を傷つけるようなやめ方をしてきた。自分から「卒業します」と言えたことも、自分自身の成長を感じる。


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