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EMDR/インテーク面接

初回はもちろんヒアリングのみ

EMDR治療を受ける前に、セラピストの方とまずはカウンセリングをして、自分の生きづらさや成育歴についてヒアリングを受け、EMDR治療についての説明や心理教育を受けた。

もうさんざんカウンセリングやスキーマ療法で向き合い外在化し尽くした成育歴や生きづらさは、語るのも簡単だった。そして、辛い記憶を語る時に感情が揺れることもほとんど無かった。

とにかく話をしまくり、いろんな話を聞いた。所定の2時間はあっという間で、しかも30分もオーバーしてしまった(なのに追加料金は取られなかった。価格といい、すごく良心的なところだ)。


私の特性とトラウマとの関連

私は去年の夏に、自分の生きづらさの要因の一つになっているのではないかと思いWAISを受けた。
結果は言語理解凸、視覚推理凹、ワーキングメモリー凸、処理速度凹で、高低差はそれぞれ25程度あった。一番低い数値も平均以上なのでその能力自体が劣っていてきついということはないが、高低差がそれなりにあるのでしんどさを感じるでしょう、と検査を担当した心理士さんに言われた。

まあ、明言はもちろんされなかったけれど、ASD傾向があるのかな?という感じではあった。そして私もそれには納得だった。どちらかといえば、という感じではあるけども。
ただ、日常生活に支障がないのであれば特に問題とはしません、とのこと。

そして聴覚優位であるとも言われた。過敏というほどではないが、音に敏感ではあるし記憶や理解も視覚よりも聴覚を通しての方がずっと良いでしょう、と。

確かに仕事で議事録を取るのも、一度録音を聴けばさほどの苦労もなく書けるし、講座などの音声でもすぐに内容を覚えられる。そして、図解などの視覚からの情報は入ってきにくい。

この話をすると、「25の高低差は結構しんどいでしょう」「聴覚優位だと、幼少期に両親が怒鳴り合いをしていたことは余計に辛い出来事になっていたと思われます」と言われた。
この辺りはあまり自覚が無かったのだけど、確かに人の出す声色に敏感ではあると思う。

そして、記憶の仕方にも特徴があると言われた。
私はものすごく記憶力がいい。しかもどうでもいいことも脈絡なく、カメラとか録画のような感じで記憶している。ポンポンと出てくる感じだ。フラッシュバックとは違う感じがする。

印象に残る出来事とかそういった原因では無いのだけど、本当に事細かに覚えている。成育歴の棚卸しの時には記憶がどんどん出てくるので、ある意味助かっていた。

こういった記憶の仕方はASD傾向のある人によく見られるらしい。ストーリーのような記憶の仕方ではなく、何のつながりも無い場面場面を細かく記憶しており、それがたくさん脳の中に保管されている。

機能不全な家庭だったことに加えて、私の持っている特性や記憶の仕方でトラウマができあがった可能性があるそうだ。
この鮮やかな辛かった時の記憶たちを処理して、背景みたいにしていくとのこと。
処理ってすごい言葉だ。記憶を「適切に」処理できるらしい。この鮮やかな記憶が年月相応に色あせてくれるのなら嬉しい。


体の症状について

私の持っている体の症状についても話をした。
喉の奥の詰まった感じは、トラウマのある人にはよく見られるらしい。
「言いたいことや気持ちを飲み込んできた」という意識がある人に多いそうだ。確かに飲み込んできた言葉や感情はたくさんある。

軽い予期不安も強迫的なこだわりも、トラウマ由来の可能性があるとのこと。ちなみに、私の強迫的なこだわりは結局強迫性障害だそうで、部分的な儀式という行動も症状に当たるらしい。
どれも軽いものではあるけど、無くなってくれたらどんなにいいだろうと思う。

トラウマ治療は広く認知されていないため、心の不調の治療方法としてあまり選ばれないのが現状のようだ。強迫性障害や不安障害の症状で心療内科などにかかり、服薬してもなかなか改善されない人などもトラウマ治療で回復することがあるらしいが、そこまでたどり着かない人もたくさんいるのだろう。別の記事に書いた、漫画家の三森みささんも、広く知って欲しくてクラウドファンディングをしてトラウマ治療の漫画を描かれていると話していた。

とりあえず私は子どもには遺言を残しておこうと思う。
「メンタルが不調になったら、通常の医療にかかると同時にトラウマ治療についても選択肢に入れよ」と。
トラウマの無い人などいないし、自分の抱えているものや否定的な認知で心が不調になる人は多いのだろうと思う。


いくつか質問紙を受ける

自分自身のトラウマ記憶やストレスなどについて、質問紙でのテストを複数受けた。
過去の辛かった記憶をリストに書いて、その記憶がどの位辛いのかを数値にするものもあった。私は空欄が10個あったので全て埋めたら「全部埋める人もなかなかいないんですが、そんなにたくさん覚えているんですね」と言われた。ただ、今はもう「どれだけ辛かったか」の数値が高くても、それを思い出して涙が出るということは無い。

これまでのカウンセリングなどで感情の処理がかなり進んでいるようですね、と言われて、しんどい思いをしながら向き合ってきたことは無駄ではなかったのだなと思った。

私には解離症状がほぼ見受けられず、ただ1つだけ母が自殺を図って運ばれる場面(5歳)では、これまでずっと記憶は鮮明でも感情が出てこないままであった。何も感じない。怖かったかな?という程度だ。これについてはもしかしたら解離があるのかもしれないとのこと。

記憶がはっきりしており、感情の処理や言語化ができているため、標準治療回数で終わらせることができるのではないかと言われた。
三森さんも漫画に描いていたが、自分でできるだけ向き合っていたことが功を奏しているのだと思う。よく頑張った私。


安全なイメージを持つ(最重要)

話をする中で、いい思い出についても尋ねられた。そこで、海外の孤島でボランティアをした時の話をした。とても綺麗な島で、そこに滞在している半年間はいつも心が洗われていた。
「その島のどういうところが好きだったか」「イメージできるか」と聞かれ、海を見るのが好きだったこと、イメージは鮮やかにあることを話したら、これを安全なイメージにしましょうかと言われた。

今後の治療では、辛い記憶を再体験したりネガティブな感情を感じる場面も出てくる。そういう時には、この安全なイメージにいつでも入って自分を安心させる必要がある。
セッションが終わる時も、必ずこの安全なイメージで終わる。
だから、この安全なイメージを持っておくという事はとても大事になるのだそうだ。
これはスキーマ療法でも同じだったので(ワークの前と後に必ず安全なイメージを思い浮かべていた)、やっぱりそうなのかと納得した。

この島のイメージがとてもいい。スキーマ療法で自分1人で苦労して考え出したイメージよりもすんなり入っていける。ついでにそのイメージの中でシャボン玉をしたりするともう最高だ。

2週間おきに治療を受けることになり、次回予約をして今回は終了。
引き続きスキーマ療法は自分でこつこつやりつつ、EMDRについても理解を深めておきたいと思う。カウンセリングは11月で卒業しようと思っている。

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